性的人身売買で訴えられたマリリン・マンソン、暴かれた「鬼畜の所業」の数々

米ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の女優エスメ・ビアンコが、マリリン・マンソンから暴行および性的暴行を受けたとして、シンガーと元マネージャーのトニー・シウラ氏を訴えた。

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現地時間4月30日、カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所に提出された告訴状で、原告はマンソン(本名ブライアン・ワーナー)、シウラ氏、シウラ氏のマネージメント会社が人身売買法に違反し、リリースされることのないミュージックビデオと撮影されることのない映画に出演させるという口実で彼女をロンドンからロサンゼルスに連れ出した、と訴えている。

今年1月、複数の女性がマンソンの性的虐待を告発したが(マンソンは所属レーベルとの契約を打ち切られた)、ビアンコはその中の一人だった。2月にはニューヨーク誌とのインタビューで、2011年に交際していた時から受けていたという虐待をつぶさに語った。そして30日に、新たに訴訟を起こした。マンソンに対する性的・身体的虐待疑惑が浮上して以来、訴訟が起こされたのは今回が初めて。

「ワーナー氏はドラッグ、力、脅迫を用いて、再三にわたりビアンコ氏に性的行為を強要した」と訴状には書かれている。「ワーナー氏は2011年5月またはその付近に、ビアンコ氏をレイプした」。さらに訴状は、ビアンコ氏が意識を失った、または同意ができない状況で「性的行為に及んだ」と続き、被告から受けたとみられる性的暴行の数々が列挙されている。「これらの行為には、ワーナー氏の性的欲求を満たすために、ビアンコ氏の臀部、胸部、性器を平手打ちする、噛む、切る、鞭で打つなどが含まれる――いずれも原告の同意はなかった」

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ビアンコはマンソンが性的暴行および殴打に関するカリフォルニア州法に違反したとし、さらにマンソンとシウラ氏が同州の人身売買被害者保護再授権法に違反している、と主張。2つ目の罪状に関しては、シウラ氏が設立し、ヤー・ヤー・ヤーズやロブ・ゾンビ、トーヴ・ロー、他多数のバンドを長年マネージメントしてきた会社「シウラ・マネージメント」も被告として名前が挙がっている。シウラ氏は25年以上にわたってマンソンをマネージメントしてきたが、今年2月に暴行容疑が浮上したのをきっかけに、袂を分かった。

訴えによるとマンソンは「アイ・ウォント・トゥ・キル・ユー・ライク・ゼイ・ドゥ・イン・ザ・ムーヴィ」のミュージックビデオと、ルイス・キャロルの詩『ファンタスマゴリア~幽幻燈記~』をもとにしたホラー映画(結局撮影されることはなかった)の出演を口実にビアンコをアメリカに呼び寄せて「詐欺を働き」、人身売買を行った。「彼は決して実現することのなかった仕事のチャンスを約束する一方で、彼女のビザ申請手続きにも関与した」と原告は訴える。彼は詐欺を続け、「ビアンコ氏に、自分が制作する次回作に出演する旨の誓約書を書くよう(指示した)」そうだ。さらに訴状は「ワーナー氏はビアンコ氏のビザ申請手続きに関与することで、もし自分に逆らえばサポートを撤回する、と脅してビアンカさんを支配することができた」と続く。原告によれば、ある時には彼女を寝室に閉じ込め、逃亡できないようにしたという。


マンソンが強要した「無償労働」

ビアンコはさらに、彼が「無償労働」を強要したのは人身売買に関する連邦法に違反している、と主張した。訴状によれば、「これには、ワーナー氏や客のために料理を作ってもてなす、部屋の掃除、アルバムの相談にのる、『ボーン・ヴィラン』製作過程でバックアップヴォーカルを提供する(クレジットはなし)、客やバンドメンバーから”平手打ち”を受けさせられるなどが含まれていた」ようだ。「ワーナー氏は、自分がビアンコ氏をアメリカに連れてきて住む家を提供しているのだから、彼女は労働と性的関係を提供する義務がある、とほのめかした」

ビアンコはローリングストーン誌に宛てた声明の中で、フェニックス法の制定に自分が関わっていた点を指摘した。これは家庭内暴力の被害者の権利を拡大するカリフォルニア州法で、同じくマンソンを虐待で告発した女優エヴァン・レイチェル・ウッドが支持していた。「私のような数百万人の被害者は、法制度が完璧でないことを痛いほど実感しています」とビアンコ。「だからこそ、私はフェニックス法の立案に協力したのです。この法律は、数千人の家庭内暴力の被害者に貴重な癒しの時間を与えるものです。ですが、私はより公正な法制度のために戦う一方で、あらゆる可能な手段を使って、私を暴行した加害者の責任を追及する権利も行使するつもりです」

「私を暴行した加害者は、あまりにも長いこと野放しにされ、金と名声、そして見て見ぬふりをする業界によって好き勝手してきました」と彼女は続けた。「勇気ある大勢の女性がマリリン・マンソンに対して声をあげたものの、無数の被害者はいまだ口をつぐんだままです。そのうちの一部は、意見を一度も聞いてもらえないままでしょう。私自身が声を上げることで、ブライアン・ワーナーがこれ以上人命を損なうのを食い止め、他の被害者がささやかな正義を求められるよう助けること、それが私の願いです」

「これらの主張はおそらく虚偽です」。マンソンの弁護士を務めるハワード・キング氏は、ローリングストーン誌に宛てた声明の中でこう述べている。「一応言っておきますが、今回の訴訟以前、私の依頼人はビアンコさんと彼女の弁護士の揺さぶりに動じず、根も葉もない行為に基づく法外な金銭要求を呑むことを拒否しています。我々は法廷でこれら容疑に断固意義を申し立てます。きっと我々が勝つでしょう」

彼女は性的暴行容疑に加え、マンソンが彼女をコントロールするために麻薬を与え、食事や睡眠を奪っていた、とも主張している。訴状によれば、これは「彼女を心身共に弱らせ、彼に抗う力を弱めるため」だという。ビアンコは本人が受けたと主張する暴行に対し、額面不詳の損害賠償を求めている。


マンソンとの出会い

ビアンコは、「暴行を容認することで」金銭的利益を受けていたシウラ氏と彼のマネージメント会社にも責任がある、と主張している。ワーナーが不在の際には彼の元アシスタントが「子守」を務めていたことを、シウラ・マネージメントも認識していた、とも訴えている。訴状によれば、「ワーナー氏の元アシスタントは、ワーナー氏の暴行についてシウラ氏と直接話し合っていた」そうだ。「彼の”芸術”制作と、マリリン・マンソンというブランド宣伝のために、彼の暴力的傾向をサポートしていたワーナー氏のマネージメント会社は利害関係にあり、ビアンコ氏に対するワーナー氏の暴行に加担していた」

「今回の訴訟にシウラ・マネージメントを巻き込もうとしても、法的になんらメリットがないばかりか、無礼かつ非常識です」 シウラ氏の弁護士、エドウィン・マクファーソン氏は声明を通じてローリングストーン誌にこう語った。「我々はこれら全くばかげた主張にまっこうから戦っていくつもりです」

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2月のニューヨーク誌の取材でもあるように、彼女が最初にマンソンに出会ったのは2005年、当時の婚約者ディタ・フォン・ティーズを通じてだった。2007年にフォン・ティーズと離婚した彼は、その後ビアンコを追い回し、ヌード写真を要求したり『ファンタスマゴリア~幽幻燈記~』映画化プロジェクトに誘ったりした。彼女の主張によれば、彼は2009年2月にミュージックビデオの撮影と称して彼女をロサンゼルスに呼び寄せた。「到着するや、ビアンコ氏は撮影クルーがいないことに気づき、すでに予約していたホテルではなくワーナー氏の自宅に滞在するよう求められた」と訴状には書かれている。4日間の撮影中、ワーナーは彼女に食事を与えず、かわりにアルコールと麻薬漬けにし、終始ランジェリー姿でいるよう命じた。また睡眠を禁じ、24時間待機状態にさせていたという。

ビアンコによれば、撮影中マンソンは常軌を逸した行動をとり、ある時には怒りにまかせてカメラを壊した。彼女は失神するまで、超暴力的な映画を見せられた。また、カメラの前で別の女性と性的行為に及ぶよう強要されかかった。「おそらく一番恐ろしいのは、ワーナー氏がビアンコ氏を寝室に閉じ込めたことだ。祈祷台に彼女を縛り付け、本人いわくナチスが使っていた鞭で彼女をぶった」と訴状には書かれている。「彼はまた彼女を電気ショックにかけた」

さらに訴状によれば、2009年5月にマンソンはロンドンへ渡り、2人は同意の元で肉体関係を結んだ。だが同時期、彼はビアンコの同意なく公共の場で彼女の身体をまさぐり、ドレスコードに従わせた。訴状によれば「(彼は)インタビュー中に彼女を膝の上に座らせ」、「インタビューで彼女を貶した。またビアンコ氏と一緒にホテルに戻る際、未成年者を1名同伴しようとした」

訴状によれば、2人は遠距離恋愛を続けたが、2011年4月彼はビアンコにロサンゼルスに来るよう要請。ビザは自分が手配すると言った。彼女はマンソンと同棲したが、2カ月半後に我慢の限界に達した。彼が在留資格を盾に脅し、彼女をアパートに軟禁してクローゼットに閉じ込めたのもこのころだった。


2011年、マンソンが寝ている隙に逃亡

訴状によれば、「あるとき、ワーナー氏は部屋中で斧を手に原告を追い回し、壁に穴をあけた」という。「別の時には、ワーナー氏はビアンコ氏の同意なくセックス中にナチスのナイフで彼女の身体を切りつけ、傷の写真を撮影した。そして彼女の同意なく、写真をインターネットに投稿した。ワーナー氏の友人、バンドメンバー、アシスタント、プロデューサー、その他同僚――シウラ氏も含め、みなこうした虐待をさまざまな状況で目撃していた」

訴状によると、2011年6月某日、彼女はマンソンが寝ている隙に逃亡した。彼女が逃げたことを知ったマンソンは再びビザで脅迫したという。2人が再び顔を合わせたのは2年後、マンソンのコンサートでだった。彼女はコンサート終了後にバスで面会したが、そこで彼は「彼女の同意なく無理やりキスし、彼女が出ていくのを阻もうとした」と訴状にはある。マンソンの当時のアシスタントはニューヨーク誌の記事で、この出来事は明朝5時まで続いたと語った。

「ブライアン・ワーナーの責任追及に対するビアンコさんの勇気と献身に胸を打たれました」と、ビアンコの弁護士ジェイ・エルワンガー氏はローリングストーン誌に語った。「掲示捜査が現在進行中なのは理解していますが、あらゆる手段を講じて、彼が犯した忌まわしい行為の責任を追及していくことが重要なのです」。ワーナーに対する暴行容疑で複数の告発者が名乗り出て以来、彼のレコードレーベルLoma VistaとブッキングエージェントCAAは彼を取り扱いアーティストから除外した。またTV番組『American Gods』と『Creepshow』は、予定されていた彼の出演パートを削除した。

今年2月、ワーナーは告発に対して声明を発表し、これら主張は「現実をひどく曲解している」とした。「私の親密な関係はつねに、志を同じくするパートナーとの完全な同意のもとで行われてきました」と彼は主張。「今になって、他人が過去を間違って解釈しようとする理由がなんであれ、それが真実です」

ニューヨーク誌の記事の中でビアンコは、マンソンを「私を破滅させかけ、大勢の女性を破滅させかけたモンスター」と称した。「彼は世間に何度となく、『これが自分だ』と言ってきました」と本人。「公然の場で堂々と偽っていたんです」

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from Rolling Stone US