「誰一人あきらめてなかった」

◆ 9回二死から3点差を逆転

 オリックスが22日の西武戦で、3点ビハインドの最終回に二死から4点を奪っての劇的なサヨナラ勝利を収め、今シーズン初の3連勝を飾った。

 オリックスは3対3で迎えた8回から41歳左腕・能見篤史を送り込むが、先頭の源田壮亮に内野安打を許すと、森友哉の送りバントから、中村剛也に四球、栗山巧に死球で一死満塁に。中嶋聡監督は38歳右腕・比嘉幹貴を投入し、ベテランリレーでピンチを切り抜けようとしたが、愛斗に初球を捉えられ、走者一掃の勝ち越し3点適時二塁打で一気に突き放された。

 最終回、西武は守護神の増田達至が登板。諦めムードの漂うスタンドだったが、先頭の宗佑磨が初球をライト前に運ぶと、続く吉田正尚もライト前にヒットを放つ。その後、安達了一が右飛、モヤが三振に倒れて万事休すかと思われた矢先、中嶋監督は好調の中川圭太に代打ジョーンズを送った。

 そのジョーンズは5球目を打って打球はサードへ。西武の三塁手・佐藤龍世はセカンドに投げて塁審はアウトを宣告するも、中嶋監督がリクエストに成功。吉田正の代走・小田裕也の走塁が光った格好だ。二死ながら満塁になったことで、ファンはより強い拍子と拍手で選手を後押し。すると、この日2安打を放っていたT-岡田が7球粘って、ライトへ3点適時三塁打を放ち試合を振り出しに戻した。

 これで負けがなくなると、二死三塁と今度は一転してサヨナラのチャンスが訪れ、好調の杉本裕太郎が7球粘った末に三遊間をしぶとく破り、代走で出ていた山足達也がホームイン。杉本初のサヨナラ打は、5番手のピッチャー漆原大晟にプロ初勝利と、チームに今シーズン初の3連勝をもたらした。

 同点打を放ったTー岡田は「繋ぐ気持ちで打席に入りました。詰まっていたので、何とか抜けてくれて良かったです。まだ同点だったから、ラオウ(杉本)に『任せたぞ』と言ってベンチに戻りました」と話すと、杉本は「きょうもTさんの香水を借りたお陰です」と笑いをとり、「3連勝すると言って3連勝できたので、こういう良い試合をしていきたい」とファンに誓った。

 中嶋聡監督は「最後の回、宗が初球を打ってくれたのも凄く勇気があることだと思うし、正尚が繋いで、みんなで走って、Tもあそこまで粘って決めてくれたのは凄いですし、ラオウもよく粘って打ってくれた。もうホントによくやってくれたと思います。誰一人あきらめてなかったので、それが結果に出て良かった。流れはいいと思うけど、対戦相手が変わりますし、またしっかり引き締めてやっていきたい」と今後を見据えた。

 試合前には水本勝己ヘッドコーチの「試合前に全員でひとつになっていこう」という発案により、試合開始直前にベンチ入りのメンバー全員がグータッチを交わすなど、これまでやって来なかった試みをしており、「全員でひとつになり繋いで勝ちを掴んでいく」という気持ちが、今回のミラクル逆転劇を起こしたのかもしれない。

 23日からは札幌ドームに乗り込んで、日本ハムと3連戦。山岡泰輔、山崎福也、宮城大弥の先発が予定されているだけに、ここで一気に借金を返したいところだ。


取材・文=どら増田