明暗が分かれた“三塁上” (C) Kyodo News

◆ 「いい勉強をした」と…

 西武がまさかの逆転サヨナラ負けで4連敗…。

 3点リードの9回裏、昨季セーブ王の守護神・増田達至が4点を失って敗れるという悪夢が待っていた。




 6-3で迎えた9回裏。増田は先頭の宗佑磨に安打を浴びると、吉田正尚も安打で続いて一・二塁。

 そこから二死を奪うも、諦めないオリックスは代打のアダム・ジョーンズと、一塁代走に小田裕也を起用。

 結果的にはこれが大きなポイントになった。



 ジョーンズは三塁へのゴロに打ち取るも、三塁手の佐藤龍世は二塁へ転送。リードを大きくとっていた小田のスライディングとの競争は一旦アウトの判定も、リプレイ検証の末にこれがセーフに。試合終了が一転、二死満塁での続行となる。

 すると、この大ピンチにT-岡田があわや逆転サヨナラ満塁弾というライトフェンス直撃の3点適時三塁打。土壇場で6-6の同点に追いつかれてしまう。

 なおも三塁に走者を置いた状態で、杉本裕太郎の打球は三遊間へ。遊撃手の源田壮亮がグラブを出すも届かず、これがサヨナラの安打に。二死満塁から打者2人で4点。試合をひっくり返されてしまった。


 まさかの大逆転負けを喫した西武について、22日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の高木豊氏は「西武が楽勝していなければいけないゲーム」とし、2つのポイントを挙げた。

 まずは最終回に至る前、「西武の拙攻」について。

 5回は無死二・三塁のチャンスで1点も取ることができず、6回も一死二・三塁から追加点ならず。「チャンスをつぶし過ぎた」と語る高木さんに、同じく解説を務めた笘篠賢治氏も「取れる時に取っておかないと…ということですよね」と同調。

 笘篠氏はつづけて「9回の逆転劇もまさかではあるんですけど、取れる時に1点でも取っておかないとこういうことがあるんですよね」と野球の怖さについて挙げ、高木氏も「流れが変わってしまうというか、相手に勇気を与えてしまうことも。こういう攻撃が、オリックスの勝利につながってしまった」と、まずは攻撃面でのチグハグさを指摘した。


 つづけて、最後はやはり「9回の拙守」についても。高木氏は「内野の連携も必要だったと思うんですよ」と語る。

 9回二死一・二塁の場面ということで、このシーンは西武の一塁手はベースから離れてアウトひとつを狙うシフト。当然、一塁走者は大きなリードを取ることができる。

 現役時代に名二塁手として鳴らした高木氏は、「まずセカンドが指示しますよね。一塁に投げろと」と、この場面の動きについて語り、かつて広島で守備走塁コーチを務めた経験を持つ笘篠氏も、「守っている野手が(状況を)頭に入れておかなければいけませんね」とコメント。

 さらに笘篠氏は「右のジョーンズがバッターでしたから。ワンバウンドの送球でも一塁でアウトは取れていた」としつつ、「ちょっと(捕球体勢が)差し込まれていたのでセカンドに投げようとしちゃったのかなと思うんですけど、ちょっと若いかなという感じですね」と、三塁手の佐藤の判断についても言及した。


 主力に離脱者が相次いでいる西武は、この日の9回裏も一塁に呉念庭(27歳)、二塁には山田遥楓(24歳)、そして三塁が佐藤龍世(24歳)と、若く一軍経験の少ないメンバー構成。

 この日はひとつのミスが勝敗に直結することになったが、高木氏は最後に「痛いけど、良い勉強になったのかな」と語る。

 まさに目の前で野球の怖さを見て、身を持って体感した西武の若手選手たち。「これからの西武を背負っていく選手たちでしょうから。めげるのではなく、いい勉強をしたと思って切り替えてもらいたいですね」と、最後はチームのピンチにアピールを続ける若き獅子たちにエールを送った。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』