アーティストとしても俳優としても、第一線をひた走っているEXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典。三代目 J SOUL BROTHERSは、2020年11月10日でデビュー10周年を迎えたが、メンバーを決めるオーディションで審査員を務め、彼らのデビュー曲を手掛けたのが、日本レコード大賞をはじめ、数々の受賞歴を持つ音楽プロデューサーの松尾潔氏だ。

  • 小説『永遠の仮眠』を刊行した音楽プロデューサーの松尾潔氏

松尾氏にとって初の小説『永遠の仮眠』が2月17日に発売されたが、岩田がその表紙を飾った。同書の主人公・光安悟は松尾氏と同じ音楽プロデューサーで、新人のオーディションで発掘したシンガー・櫛田義人との交流が描かれている。フィクションではあるが、松尾氏と岩田の関係性が重なる。そんな松尾氏が、デビュー当時の岩田の印象や、三代目 J SOUL BROTHERSのデビュー曲「Best Friend's Girl」の制作秘話を語ってくれた。

岩田に表紙をオファーした理由について、松尾氏は「まず、今までにない表紙にしたいと考えました。でも、自分の知り合いで、かつ成功している人間だからお願いしたということではなく、岩ちゃんが絶妙な立ち位置にいる方だったから、お願いしたいと思いました」と説明。

「岩ちゃんは、小説で描かれる音楽プロデューサーと歌手のやりとりがわかるぐらいの距離にいる人だけど、決して歌手ではない。例えば、これが平井堅さんやCHEMISTRYの2人、EXILEのATSUSHIくんやNESMITHくん、それこそ三代目JSBの登坂(広臣)くんなど、僕が無名時代から関わって、その後、有名になった歌手となると、ちょっと生々しいし、あざとくなってしまうから」と明かした。

  • 『永遠の仮眠』表紙カバー撮影時の岩田剛典

岩田の人となりについて「岩ちゃんのことを悪く言う人には会ったことがない。本当にほころびがない人で、いい子なんです。僕はもはや、岩ちゃんのお父さんになりたいくらいです」と絶賛する松尾氏。「岩ちゃんは三代目 J SOUL BROTHERSとEXILEのメンバーを兼務しています。グループのブランド感はもちろん圧倒的ですが、俳優・岩田剛典という存在もまたそれらとは異なる次元に到達している」と岩田の活躍も称え、「でも、彼はいつも『僕の役者としての活動は、僕ひとりのものではないから』と言っていて、そういうところも岩ちゃんらしいです」とほほ笑む。

松尾氏は、岩田の大学時代に2人で話した時のエピソードも明かしてくれた。「岩ちゃんに『就活の経験って絶対に自分の財産になるんだよね。僕は事務所の人間じゃないから言うけど、(某大手企業から内定をもらっていたのに)本当に就職しなくて良かったの?』と尋ねた記憶があります。岩ちゃんが子どもの頃から英才教育を受けていたのを知っていたし、慶應大学で学んだことなどは、この世界に入っても岩ちゃんの武器になると思ったので。そしたら岩ちゃんは『はい。今でも日経は読み続けています』とさわやかに答えたので、『真面目か!』と(笑)。でも実際、そんな性格が今の活躍につながっていますよね」