進捗管理は、プロジェクト成功の成否を握る重要な業務です。誰でも自分自身の進捗管理は行っているはずですが、チームをまとめるとなると、意外と難しく感じる人もいるのではないでしょうか。本稿では、プロジェクトの進捗管理を行うメリットと失敗しがちな例、成功のコツについて解説します。

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プロジェクトの進捗管理とは

プロジェクトの進捗管理とは、各担当の進捗状況の把握と課題のフォロー・対外交渉を行うことで、納期通り製品開発などを完了させるための業務です。プロジェクトは数人で構成されることもあれば、100人を超える大所帯になることもあります。

進捗管理の目的は納期通りのプロジェクト完遂であり、常に残作業を確認しながら日程調整や他部署との調整が求められます。必要な作業時間・費用・人的リソースなど進捗管理に必要な情報を常に収集し、納期に影響を及ぼす課題の早期発見・対策も必要です。

プロジェクトの進捗管理を行うメリット4つ

プロジェクトの進捗管理を行うメリットは以下の4点です。

1 問題点の早期把握・解決

進捗管理は、プロジェクトの推進に支障が出る可能性のある問題を見つけやすくなる点で重要な業務です。定期的な進捗管理により、チームメンバーの抱えている問題を早期発見し、迅速に対応・解決できます。進捗管理をまったく行わないでいると、問題の発見が遅れて他の作業に影響を及ぼしかねません。

2 作業の優先順位把握

後工程に大きな影響を及ぼす作業は何かを見極め、チームメンバーと共有して優先順位の高い作業にリソースを集中できる点も、進捗管理のメリットです。進捗管理では、作業の優先順位把握が欠かせません。

プロジェクトの各作業には、「この作業が終わらないと次の作業に進めない」という依存関係があります。例えばウォーターフォール式のシステム開発の場合、「外部設計→詳細設計→コーディング」という依存関係が成り立ちます。

作業の依存関係をすべてつなぎ、最長の作業時間がかかる経路のことを「クリティカル・パス」と呼びます。プロジェクトのスケジュールを立てる場合は、クリティカル・パスを意識しながらガントチャートを作成。進捗管理では、ガントチャートに実績を入力して進捗状況を把握します。

3 生産性の向上

進捗管理は、うまく運用することでチームメンバーのモチベーションを引き出し、生産性の向上につなげることも可能です。また、目標に向かって効率良く作業を進められるように常にテコ入れを行う動きも、生産性向上に貢献します。

4 納期の順守

納期の順守をより確実なものにできる点も、進捗管理を行うメリットです。進捗会議によって、チームメンバーは自然と納期を意識して作業を進めます。問題があれば、プロジェクトマネージャーが問題解決や対外折衝に動くため、チームメンバーは本業に集中できる点も、納期を順守するのにはプラスに働きます。

ここまで述べてきたように、進捗管理にはさまざまなメリットがありますが、その一方で進捗管理が失敗するケースも後を絶ちません。進捗管理の失敗例から、何が問題になるのかを確認しましょう。

プロジェクトの進捗管理で陥りがちな失敗例4つ

プロジェクトの進捗管理を進めているとつい陥ってしまう、そのような失敗例を4ケース紹介します。

1 問題点や課題が見えない

チーム内に信頼関係が築けていないと、進捗会議を開いても問題点や課題が見えず、見えないところで作業の遅延が発生してしまいます。表面上は「特に問題ありません」という報告ばかりが上がるため問題発見が遅れ、遅延している作業がクリティカルで多作業に大きな影響を及ぼす場合、納期遅延にまで発展しかねません。

2 チーム内で進捗状況の共有ができていない

進捗会議で進捗を口頭で伝えるだけで、ガントチャートなど各担当とプロジェクト全体の進捗状況を見せないプロジェクトもあります。多忙でガントチャートをメンテナンスする余裕がないのかもしれませんが、このような状況が続くと、進捗状況が把握しづらくチーム内の認識合わせができません。

3 進捗報告の粒度が違うため進捗率を正確に把握できない

進捗報告の形式を周知徹底しないと、チームメンバーによって進捗報告の粒度が違ってしまい、正確な進捗の把握ができません。進捗報告の粒度を揃えるには、進捗の粒度を決めて、プロジェクトないで徹底する必要があります。

4 作業の優先順位が整理できていない

進捗会議で進捗状況と問題点の洗い出しは行うが、作業の優先順位を忘れて目先の問題にばかり対応しているのも問題です。重要な作業の遅れが発覚してしまい、プロジェクト全体の進捗が遅延してしまうことになりかねません。

これらの失敗例を踏まえて、次は進捗管理成功のコツについて見ていきましょう。

プロジェクトの進捗管理を成功させる5つのコツ

プロジェクトの進捗管理を成功させるにはどうすればいいかを、5つのコツとしてまとめました。

1 チーム内の信頼関係を醸成する

進捗管理を成功させるためには、チーム内の信頼化案系を醸成するようにしましょう。具体的には、問題点や課題を責めるのではなく、解決方法を早急に検討してメンバーをサポートする、という行動を続けてください。すると、メンバーは安心して問題点をより速く報告するようになります。

2 進捗は数値化するよう定義する

進捗はできる限り数値化するように工夫しましょう。システム開発の場合は、作成した仕様書の作成・修正ページ数や、コーディングのステップ数をカウントします。完成時のページ数を予定で宣言し、ページ数で進捗を管理できる例です。

3 ガントチャートなどを使って進捗状況を見える化

プロジェクトの進捗管理を成功させるには、エクセルやプロジェクト管理ツール等を駆使して、進捗状況を見える化することが重要です。プロジェクトの進み具合を客観的に・視覚的に見えるようにすることで、進捗状況をチームメンバーにも共有できます。

4 進捗会議の定例化

進捗会議は、1週間に1回など回数を決めて定例化することもポイントです。進捗会議を定期的に行うことで、問題点の早期発見や新しいタスクの割り振りに活用でききます。

進捗会議で問題点を共有・検討する際、非常に時間がかかりそうなら、別途会議を調整しましょう。

5 作業の優先順位を常に確認

作業の優先順位は、意識しないと見落としがちなので、常に確認するよう気をつけましょう。クリティカル・パスを確認しながら作業に優先順位をつけて全体に周知しましょう。

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効果的なプロジェクトの進捗管理手順5ステップ

では、効果的にプロジェクトの進捗管理を進めるための手順を、5ステップにまとめて紹介します。

1 現状の把握

プロジェクトのスケジュールに対する進捗状況を把握し、目標達成までの残作業を確認します。課題、進捗が遅延する可能性など、進捗を阻害する要因がないかを常にチェックしなくてはなりません。

現メンバーの特性と作業の特性を理解することも現状把握の重要なポイントです。現状のリソースでは足りない場合、人員のアサインも必要になります。

2 工程の洗い出しと作業時間の見積もり

プロジェクトの開始時に工程の洗い出しと作業時間の見積もりを行い、進捗予定を策定します。メンバーに各作業の見積もりを依頼し、その内容を元に全体を調整します。

プロジェクト開始後も、進捗状況に合わせて常に残作業に対する工程の洗い出し・作業時間の見積もりは見直し続けます。開始時には見えなかった作業の追加、想定外のエラーなどが発生して調査に手間取る、メンバーの体調不良など、不確定要素があるためです。

3 計画と現実の比較

毎日、進捗の計画と現実(実績)の比較を行い、計画通りに進んでいるかどうか、進捗に遅延がある場合はその原因を調査・把握します。

4 解決策の思索

進捗が遅れている原因・問題点を洗い出せたら、解決策について検討します。担当メンバーの意見を聞き、どうすれば進捗が回復できるかを一緒に考えることも重要です。作業時間は後いくら必要か、予定の見直し(リスケ)は必要かを見極め、必要な対策を講じます。

5 解決策実行のための調整

進捗上の問題点を解決するためには、対外的な調整を必要とする場合もあります。他部門への問い合わせや、他チームとのスケジュール調整など、ありとあらゆる手を尽くして調整を行い、目標達成を目指します。

プロジェクトの進捗状況を見える化する進捗管理の方法3つ

プロジェクトの進捗状況は、見える化してチーム内で認識を共有することが重要です。進捗管理でよく採用されている見える化の方法を3つ紹介します。

1 ホワイトボードを利用した進捗管理

ホワイトボードをチーム全員が見える場所に設置して、予定と実績を書き込む方式です。この場合、カンバン方式を採用するケースが多く見られます。

カンバン方式とは、作業をすべて洗い出して付箋に書き込み「作業前」「作業中」「作業完了」とホワイトボードのエリアを区分けして作業状況を把握する方法です。タスクの現状がひと目で分かり、すぐ共有できる点は大きなメリットですが、進捗会議資料を別途作成しなければならない点はデメリットです。

2 エクセルを利用した進捗管理

エクセルの進捗管理表を使って進捗実績を把握する方法です。チームメンバーから日報を集めて進捗管理者が進捗管理表を更新する方法と、各メンバーがガントチャートの実績を更新する方法があります。進捗管理者は集計をする手間がかかりますが、コストはかからず手軽に進捗管理を行えます。

3 進捗管理ツールを利用した進捗管理

進捗管理専用のツールを利用する方法です。エクセルのように集計の手間がかからず、チームメンバーが実績を入力した時点で、すぐに進捗状況が確認できるため便利です。

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進捗管理ツールを利用した進捗管理のメリット5つ

進捗管理に進捗管理ツールを導入するメリットは以下の5点です。

1 複数人の編集も問題なく行える

複数人で編集しても問題ないようにツールが制御するため、エクセルのような問題は起こらず、スムーズに実績入力が行えます。

2 入力時点でリアルタイムに集計できそのまま進捗会議資料が作れる

実績を入力した時点ですぐに集計でき、そのまま進捗会議用の資料を印刷できる点も進捗管理ツールの便利な点です。進捗資料作成にかかる時間がなくなり、進捗管理者の負担を大幅に削減できます。

3 フォーマットの破壊などの心配がなくなる

進捗実績を記入するときや工程を増減・統合するときなど、進捗管理表は頻繁に修正します。その際、どうしてもフォーマットが崩れてしまうこともあり、回復に手間がかかることも少なくありません。進捗管理ツールならこのような心配がなく、スムーズに管理表の修正が行えます。

4 チーム全員にも進捗状況がリアルタイムで共有できる

メンバーが進捗実績を入力するとすぐにプロジェクト全体の進行状況を確認できるため、進捗状況がリアルタイムで共有できます。遅延が発生していることもすぐに分かるため、より迅速な対応が可能です。

5 クラウド型の場合社外でも利用できる

進捗管理ツールの多くはクラウド型で、社外からでも利用できます。テレワークや出張時でも、社内にいるのと同じレベルで進捗状況の入力・把握が可能です。

進捗管理ツールの導入を検討する場合は、上記のメリットをしっかり把握して選定しましょう。また、ツールを選ぶポイントも以下で確認しましょう。

進捗管理ツールを選ぶポイント5つ

プロジェクトの進捗管理ツールを選ぶポイントは以下の5点です。

1 メンバー・PMともに使いやすいか

進捗管理ツールは日々使うものなので、使いやすいものを選びましょう。無料プランやトライアル版を使ってみて、スムーズに計画策定や実績入力が行えるものを選びます。

2 やりたい方式(ガントチャート・カンバン方式)が使えるか

進捗管理ツールは、ガントチャートやカンバン方式など、管理方法に特徴があります。プロジェクトで採用する管理方式が使えるかどうかも確認しましょう。

3 コミュニケーションしやすいか

進捗管理ツールの中には、コメント機能などをつけてメンバー間のコミュニケーションをスムーズにするものもあります。また、Slackなどビジネスチャットと連携してコミュニケーション部分を補う製品もありますので、自プロジェクトで使いやすいコミュニケーション手段を用意している製品を選んでください。

4 課題管理がしやすいか

進捗状況と同じぐらい、課題管理は重要です。進捗状況はガントチャートで、課題管理はカンバン方式でできる製品もあります。課題管理がしやすいかどうかも、製品の比較ポイントとして確認しましょう。

5 進捗管理だけでなく原価や要員管理もできるか

進捗管理を担当するプロジェクトマネージャーは、原価管理や要員管理も求められます。これらの管理も同時に行える進捗管理ツールがあれば便利です。

プロジェクトの進捗管理はツールを使って「見える化」しよう

プロジェクトの進捗管理は、常に現状の把握を行う必要があるため専用のツールを導入すると作業がはかどります。進捗状況をリアルタイムに見える化することで、チーム内で問題意識を共有し、予定通り納期を順守できる可能性を高められます。

進捗管理ツールの導入を検討する際は、ぜひ以下より製品の資料を入手して自社に合った製品を探してください。

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