パナソニックは、AI技術を活用し、コンテンツに応じて最適な画質に自動調整する4K液晶テレビのスタンダード「JX750」シリーズ4機種を6月18日に発売する。65/58/50/40V型の4サイズを用意し、価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は40V型「TH-40JX750」が9.9万円前後など。

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    4K液晶VIERAのスタンダード「JX750」シリーズ4機種

■JX750シリーズ

  • 65V型「TH-65JX750」:19万円前後
  • 58V型「TH-58JX750」:14万円前後
  • 50V型「TH-50JX750」:11万円前後
  • 40V型「TH-40JX750」:9.9万円前後

JX750シリーズは、HX750シリーズ(2020年発売)の後継機種。65V型を投入し、大画面モデルのラインナップをHX750シリーズから強化した(従来は55/49/43V型の3サイズ)。

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    左から65V型「TH-65JX750」、58V型「TH-58JX750」

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    左から50V型「TH-50JX750」、40V型「TH-40JX750」

4K/3,840×2,160ドットのVAパネルと、BS 4K/110度CS 4Kダブルチューナーを搭載。3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)を採用した独自の映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」を搭載するなど、映像処理回路を一新してVIERA最新の高画質技術を投入。上位機種譲りの高画質機能を盛り込みつつ、ゲーミング対応など一部の機能を省いて、価格面での差別化を図っている。

4K VIERAの2021年モデル(JX950/JX900/JX850シリーズ)で採用している「オートAI画質」機能をJX750シリーズにも採用。ディープラーニングを活用したAI技術によるシーン認識アルゴリズムによってシーンに応じて自動で画質を最適化し、手動で調整する必要をなくした。

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「オートAI画質」では、放送や映画など100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを、ディープラーニングを活用してAIが学習し、「人間の脳のように何を見ているかを認識できる」というシーン認識アルゴリズムを生成。

これによってVIERAが映像のさまざまな特徴を検出してシーンを認識できるようになり、それにもとづいて映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」や、AIによる機械学習で地上波などのSDR(標準ダイナミックレンジ)映像をHDR(ハイダイナミックレンジ)のような高コントラスト映像に変換する「AI HDRリマスター」、地デジやネット動画などを4Kアップコンバート表示する「4Kファインリマスターエンジン」といった高画質化技術を統合的に制御する。

ユーザーは画質モードを「オートAI画質」にしておくだけでよく、たとえば映画の暗いシーンは細部までコントラスト豊かに描写し、晴天のスポーツのシーンは芝生の色まで明るく色鮮やかに表現するといった“理想的な画質”で楽しめるとのこと。

「ヘキサクロマドライブ」の信号処理技術も強化しており、HDRコンテンツで高輝度部分の色抜けが起きないよう、2種類のトーンマッピング(光が得意なHDR信号処理・色が得意なHDR信号処理)を動的に変化させることで、街中のネオンサインなどの明部の鮮やかな色をリアルに再現する。

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    オートAI画質のイメージ(ゴルフ番組の場合)

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    「ヘキサクロマドライブ」のハイブリッドトーンマッピングの効果イメージ(右)

Ultra HD Blu-rayなどで採用されているHDR10、4K放送などで採用されているHLGのほか、HDR10+とDolby Visionの4つのHDR方式をサポート。新たに、部屋の明るさに合わせてHDRコンテンツの画質を自動で最適化するHDR10+ ADAPTIVEに対応した。

Ultra HD Blu-rayに収録されたHDR10コンテンツを高コントラスト化する「ダイナミックメタデータクリエーション」を備える。ハイダイナミックレンジで写真の臨場感を伝える「HLGフォト」フォーマットにも対応する。

液晶パネルは等速(60Hz)で、従来よりも広色域なものを搭載。従来のHX750シリーズで搭載していた「エリアコントラスト制御」を進化させた「エリアコントラスト制御PRO」を採用しており、光の情報を解析するアルゴリズムに加え、エリアごとの入力信号情報の制御を加えることで暗部の階調表現を向上させ、より高いコントラスト感を実現するという。バックライトの制御を高速に行う「クリアモーション」も備え、アクション映画やスポーツ番組などをくっきり描写する。

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    65V型「TH-65JX750」

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    「エリアコントラスト制御PRO」の効果イメージ(右)

フルレンジ2基で20W出力のスピーカーシステムを備えており、独自の測定方法に基づいた位相補正によって音響特性・音像定位を改善。「映像の中から音が聞こえてくるようなリアルな高音質を体験できる」という。映像と音声で回路を分離するオーディオ専用回路も採用。低ノイズ・低歪みな音声信号回路を実現し、よりクリアでパワフルな音声を実現した。なお、2021年発売の4K VIERA上位モデルでは立体音響技術のDolby Atmosに対応しているが、JX750では対応していない。

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    20W出力のスピーカーシステムを搭載

BS/CS4Kチューナーと地上/BS/110度CSチューナーを各2基を備え、別売のUSB HDDをつなぐことで4K放送の裏番組録画もできる。また、無線LANとEthernetを搭載し、宅内ネットワーク内のDIGAやVIERAなどと連携する「お部屋ジャンプリンク」に対応。お部屋ジャンプリンクは、4Kお部屋ジャンプリンク対応のDIGAに録画した4K番組も受信できる。

キーレイアウトを刷新し、ネット動画視聴のニーズに対応した新しいリモコンが付属。Netflix、Amazon Prime Video、hulu、U-NEXT、Rakuten TV、ABEMAといった映像配信サービスを直接起動できるダイレクトボタンを搭載する。マイアプリボタンにお気に入りのアプリを登録して起動することもできる。

テレビのメニュー画面も新しくなり、よく使う機能のアクセス性を向上。操作頻度の高い各種設定や、2画面表示、字幕の操作が簡単に行えるという。音声アシスタントのGoogleアシスタントとAmazon Alexaもサポートし、別売のスマートスピーカーを使ったハンズフリーでの音声操作に対応する。

HDMI入力は3系統備え、HDMI 2端子はARC(オーディオリターンチャンネル)とeARCに対応する。コンポジット入力も搭載。音声出力は光デジタルとヘッドホン/イヤホン端子を各1系統装備。USB端子は2系統で、うち1系統はUSB 3.0対応となっている。

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    新しいメニュー画面(左上)と、キーレイアウトを刷新した新リモコン(右)