臨時休業や時短営業の影響でイオンが12年ぶりに最終赤字

「基本的には(今後も)ウィズ・コロナの環境の中で事業が行われる。従来、金融、ディベロッパー、ヘルス&ウエルネスの3本柱で事業計画をつくっていたが、2021年度においては、もう少し小売りのウェイトを増やして考えないといけない」

 こう語るのは、イオン社長の吉田昭夫氏。

 イオンの2021年2月期の決算は、営業収益8兆6039億円(前年同期比0・0%減)、営業利益1505億円(同30・3%減)と減収減益。リーマンショックの影響を受けた09年2月期以来12年ぶりに最終赤字(710億円)となった。

 店舗の一時休業や営業時間短縮、そしてテナント企業に対する賃料減免などにより、ディベロッパー事業の収益が悪化。イオンモールは上場以来初の最終赤字(18億円)となった。

 一方、巣ごもり需要を受けて、SM(スーパーマーケット)事業の営業利益は前年比約2・3倍、ドラッグストアなどのヘルス&ウエルネス事業は同16%増と大幅な増益だった。

 今期(22年2月期)は黒字化する見通しだが、あるアナリストは「課題は低収益の構造。収益力がコロナ影響前の水準へ回復しても、自己資本の顕著な積み上がりはイメージしづらい」と指摘している。

 同社はデジタル化の推進やイオンにしかない独自商品の開発を進めることで利益率向上を図る考え。「売り場を持つ我々にとってお客様の意見を商品に反映できる強みを発揮できる領域であり、ここに利益拡大のポテンシャルがある」(吉田氏)として、19年度に約1兆円あったプライベートブランド(PB)商品の売上高を25年度に倍の2兆円規模に持っていく計画だ。

 コロナ禍で消費者の行動や思考が変化する中、要は、魅力ある独自の商品やサービスの開発ができるかどうかに尽きる。