金属ベルトのCVTも80年代に登場。電子制御で量産実用化したスバル|ハチマル・テクノロジー 自動変速機編 Vol.2

【ハチマル・テクノロジー 自動変速機編 Vol.2】

Vol.1より続く

 最近、自動変速機の1スタイルとして市場に定着してきたCVT(連続可変式変速トランスミッション)も、実は80年代に実用化されたメカニズムだ。CVTは、入力側と出力側に設けられた1組2個のプーリー径を連続的に変化させることで、低速ギアから高速ギアまでの変速比を無段階で作り出せる変速機だ(2軸式)。効率のよいエンジン回転域を使い、変速比を無段階に変化させることで加速の動きに対応。巡航時にはハイギアード化してエンジン回転数を下げる設定だ。

1987年にスバルがジャスティで実用化に成功したECVTなど【写真4枚】

 もともとはオランダのヴァンドーネ社が特許を持つシステムだが、80年代後半、スバルやジヤトコが独自の開発を行い、1987年にスバルがジャスティで実用化に成功。ジヤトコの製品化はCVT普及のきっかけを作ったP11プリメーラ(1997年)となるが、プーリー間の動力伝達を行う金属ベルトの容量や耐久性の確保がむずかしく、大排気量クラスへの対応はジヤトコ製が初となっていた。

 また、プーリー径を無段階で変化させるCVTの特徴は、任意のロックポイントを何か所か設けるだけで、シフト操作を手動で行う(もともとクラッチはないのでクラッチ操作は不要)多段式ミッションが簡単に出来上がる点にある。電気的な設定だけなので、実用性や必要性を無視すれば、12段、15段といった超多段設定も可能である。

■スバルECVT  CVTではなくECVTとネーミングしたあたりに電子制御で実用化したスバルのプライドがうかがえる。独自にCVTの開発を手掛けていたスバルは、リッターカークラスの自動変速機としてCVTの実用化に成功。プーリーを結ぶ金属ベルトの容量、耐久性が問題だった。



■プリメーラCVT  1980年代後半にCVTの開発をスタートさせていた専業メーカーのジヤトコ(JATCO=旧・日本自動変速機)。実用化されるのは1997年のP11プリメーラだが、当時大排気量に対応したCVTはなかった。同社はその後FR用縦置きのトロイダルCVTも実用化している。




Vol.3に続く