【転機】「iモードの登場」 17LIVE代表取締役兼17LIVE Global CEO・小野裕史

手のひらで、いつでも、どこでも、世界とつながれる──。こんな未来を想像させられたのが1999年、NTTドコモの世界初のモバイルインターネットサービス「iモード」の登場でした。即座に購入したのですが、手にしたときの衝撃は今でも忘れることができません。

「すごいことが起きるぞ」。当時、私は東京大学大学院研究科で生物学を学んでいたのですが、iモードの登場でITに対し、無限の可能性を感じたのです。大学に通う傍らプログラミングを勉強。自らモバイルサイトを立ち上げたりもしました。

 そんなとき、就職活動中に知り合った知人からスタートアップサークルを紹介されました。時は2000年間近。そのサークルでは「オンラインとオフライン共催で2千人を集めよう」という目標を掲げていたのです。私はそのためのシステム構築を担当。就活生や社会人などを中心に、実際に2千人を集めることができました。

 インターネットに関する知識など、ほとんどなかった自分でも1つの成果を成し遂げることができた。その後はネットの世界にすっかり魅了されました。特にネットを介せば、個人が世界に向けて自己発信することができることに大きな可能性を感じることができたのです。

 大学院卒業後は日本IBM系のシステム開発会社に入り、サイバーエージェント子会社・シーエーモバイルでは個人の携帯サイトで収益を稼ぐことができるモバイル広告事業を作りました。この日本発のビジネスを海外にも広げたいと思い、同社退社後、日本と中華圏のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルを創業。08年でした。

 その投資先の1社がライブ配信アプリ「17LIVE」を運営する当社だったのです。17LIVEはスマホ1つで世界中に自ら撮影した動画を発信できるサービスになるのですが、「ようやく出てきたか」。最初に17LIVEを見てそう感じました。

 実際、それまでスマホを触ったこともなかった70代の女性が人生相談に乗るコンテンツが人気になっており、ご自身の家賃を払えるほどの収入を得ています。まさに手元のスマホから世界中の人々とつながることができる世界になっているのです。

 iモードの誕生は私にとっては革命でした。そのときの感動を忘れることなく、誰もが主役になれる世界をつくるお手伝いをしていきたいと思っています。


1990年代後半、学生時代の小野CEO(一番上)