人間の幸せって、何だと思いますか? そんなことを考えさせられる漫画がツイッターで注目を集めています。

それが、中原るんさん(@nkhrrun)の投稿です。

結婚してない女は不幸なのか? 無意識の偏見
(@nkhrrunより引用)

漫画では、未婚者の中原るんさんが、付き合いの長い友人から違和感のある発言をされてしまう様子が描かれています。

「結婚してない女は不幸なのか?」「どうして『みんなそれぞれ幸せ』って思ってもらえないんだろう」……。作者が投げかけた問いに、読者からは、「いっぱいいっぱいいいねしたいです!!! 他人の幸せなんて分からないですからねー!」「人間向き不向きがあるし幸せの形なんて人それぞれ」「結婚=幸せとは限らない 結婚してわかる地獄もある」「それぞれの幸せを満喫したら良いと思います」といった声が。独身既婚に関係なく、多くの人から共感のリプライが寄せられていました。

こうした多くの反響を受けて、改めて「幸せ」とは何か……。ツイ主の中原るんさんにインタビューしてみました。

ツイ主さんに聞いてみた

―― 今の日本社会では「結婚が女性の幸せ」であるという価値観を感じる機会はやはり多いでしょうか……?

中原るんさん:すごく多いです。職歴上、正社員、アルバイト、契約社員、正社員、役員、フリーランスという順番で経験していますが、立場・給与が低くなるほど周りが「結婚結婚……」と言ってきたように思います。役員の頃なんて誰も私にそんなことは言いません。そうしたところからも女性の社会自立、男女の雇用の在り方においては疑問を感じます。

今回の漫画のタイトルは「結婚してない女は不幸なのか?」と付けましたが、どんなに「独身貴族」とか良い言葉を作ってみたところで、「30過ぎて独身=変わり者or相手がいない」といった無意識の偏見は消えないと思います。

―― 今回は二人の友人との会話が元になっていますが、「結婚こそ幸せ」という考えを持つ人に対して伝えたいこと、言いたいことはありますか?

中原るんさん:前者の友人については、「彼女から見た私が幸せに見えないということではなく、恐らく彼女が私の立場になったら不幸なのかな」と思います。今まで考えたことはなかったけれど、そう考えたら、逆に彼女の立場になった私はきっと不幸になってしまうのかなと。後者の友人は自分の「オススメ」を知って欲しいというような純粋な気持ちだったのかな、とも思います。

ただ私は「結婚しない」と豪語している訳でもありません。ただ、今はまだ自分の選択肢になく、「自分の幸せの定義にない」だけで、これだという人を見つけたら、自分が40歳でも50歳でもあっさり結婚しちゃうかもしれません。

―― 今回のツイートが大きな反響を生んでいるかと思います。率直なご感想はございますか?

中原るんさん:過去に何度か反響をいただいた経験はあるのですが、久しぶりに大きな反響を得ました。投稿した時から、もしかしたら賛否両論阿鼻叫喚かも、と思っていました。実際その通りでした。

実はこの漫画は「無意識の偏見」というシリーズでまとめたい漫画のうちの一つなんです。私たちは生きているうちに、無意識の偏見で人を傷つけることが多いな、私もきっと傷つけてしまっているだろうなと思うことが多くて。来週は、出産したばかりの女は不幸なのか?、というようなタイトルで、私が友人を傷つけてしまった話を投稿する予定です。


「性の多様性を認める社会が大切なら、生の多様性も認める社会になって欲しい」という意見もありました。どう生きるのが幸せなのか、幸せの形は人それぞれ。ときに自分の価値観に基づくアドバイスは、相手にとっては不要なものかもしれませんね。