コロナ禍ですっかり浸透したWeb会議。便利な一方で、参加メンバーが揃うまでの待ち時間は、なんとも手持ち無沙汰ですよね。そこでオススメしたいのが、スポーツに関するトリビアです。今回は、知っているとちょっと自慢できる!? スポーツの歴史に紐づくネタをご紹介。たとえスポーツに詳しくない人でも、思わず「へえ」と言ってしまうお話なので、会話のネタにぜひどうぞ。

1)日本にボクシングを伝えたのはあの歴史上の人物!?

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その起源は1万年前まで遡ると言われるほど、歴史の古いスポーツ、ボクシング。当初は兵士の訓練として行われていたという説が有力です。このボクシングを日本に伝えたのが、実は黒船来航でおなじみの、「ペリー提督」だと言われています。

1854年、ペリーは数百人の水兵を伴い黒船で来日しました。その水兵たちが船上で拳に薄革布を巻いて殴り合っていた姿が多く目撃されたそうです。日本ボクシング協会の公式HPによると、

ペリー提督が横浜で和親条約締結を迫った際には、幕府側が召集した力士(大関・小柳常吉)と、アメリカ側のレスラー&ボクサー計3人が“異種格闘技戦”を行ったという史実も残っている(勝負は小柳の圧勝)。

とのこと。150年以上も前に現代のK1などのような異種格闘技戦が行われていたとは驚きですし、その起源があの歴史上の人物ペリーにあったとは意外ですね。

2)野球の始球式、日本で最初に投げたのは明治維新でも活躍したあの人!

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始球式とは、球技の試合開始前に来賓やゲストなどがボールを投げるセレモニー。日本のプロ野球では毎年開幕戦で、芸能人や文化人など、その年の話題の人物が始球式に登場して話題となります。さてこの始球式、日本で最初に投げたのは誰かというと、あの大隈重信です。

大隈重信は佐賀藩を脱藩し、将軍徳川慶喜に大政奉還をさせようと画策するなど、明治維新を語る上で欠かせない人物のひとり。後に内閣総理大臣になっています。その大隈重信が始球式をしたのは明治41年。アメリカの選抜チームが来日し、早稲田大学の野球部と親善試合を行ったときのことです。このとき早稲田大学の創始者であり総長だった大隈重信が、試合前にマウンドからボールを投げたのが、日本で最初の始球式だと言われています。

ちなみに、日本のプロ野球で初めて始球式をした現職の総理大臣は安倍晋三前首相の祖父、岸信介。高校野球で初めて始球式をした現職総理は小泉純一郎です。

3)野球の回数が9回になったのは料理人の一声がきっかけ

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野球といえば9回の裏で終了(延長を除く)というのが常識ですが、昔は回数に制限がなく、どちらかのチームが21点を取るまで行われていたそうです。つまり、あっという間に試合が終わることもあれば、何時間たっても試合が終わらないこともある。そこで1845年、ニューヨークのある野球チームの専属料理人たちが、「いつ終わるのか分からなければ、試合後のレセプション料理を作れない」と、抗議をしたため、回数制を導入することに。そのとき、なぜキリのいい10回にしなかったかについては2つの説があります。

<1>アメリカでは当時、12進法の影響が残っていたため、12進法の4分の3である9が採用された。

<2>キリスト教の教えの中である「三位一体」にもあるように「3」は完全無欠を表す聖なる数字。そこで完全である3を3回繰り返した9が採用された。特に<2>の説は野球のルールに、3審や3アウトなど3という数字がよく使われていることから、信憑性が高いとも言われています。

4)フルマラソンの距離はなぜ中途半端な42.195㎞なの?

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フルマラソンの走行距離が42.195㎞という切りの悪い数字であることを、不思議だと思ったことはありませんか?

実は近代オリンピックが始まった当初、フルマラソンの距離は「約40㎞」と曖昧なものでした。その距離は、マラソンの起源とも言われる悲しい出来事に由来しています。

あるギリシャ軍兵士が戦いの勝利を報告するために、マラトンからアテナイまでを走りました。その距離が約40km。残念ながらこの兵士は勝利の報告後、力尽きてしまいます。この兵士を偲んで、第1回オリンピックで約40kmを走ったのがフルマラソンの始まり。それ以降、約40㎞がマラソンの距離とされてきました。

しかし、1908年に開催された第4回オリンピックロンドン大会である事件が起きます。この大会でマラソンコースは42kmと設定されていましたが、当時のイギリス王女アレキサンドラが「城の窓から見えるようにスタートは宮殿の庭から、ゴールは競技場にあるボックス席の前に設置してほしい」と要望。それに合わせて調整されたコースの距離が42.195kmだったのです。その後、第8回オリンピックパリ大会で、マラソンの距離が固定されることになり、正式な競技距離が42.195kmとなったそうです。

まさか自分のわがままが、後の競技ルールに影響するとは王女も思っていなかったのではないでしょうか。

5)リレーでよく聞くアンカーの語源は綱引きにあった?

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陸上や水泳のリレー競技で最終走者のことを「アンカー」と言いますよね。この語源がリレーとは全く関係ない競技「綱引き」にあることを知っている人は、意外に少ないのではないでしょうか。

アンカーは英語の「anchor」、日本語の「錨(いかり)」です。錨は船が流されないように、綱や鎖の先につけて水底に沈めておく鉄製の重りのこと。綱引きでは、綱が相手チームに引っ張られないように、最後尾の選手が体に綱を巻き付けて錨のような役目を果たします。そのため、綱引きで一番後ろにいる選手のことを「アンカー」と呼ぶようになりました。それがいつしか、リレーなどでも最後尾を任された選手をアンカーと呼ぶようになったのです。

ちなみに、綱引きは最近では学校の運動会などでしか見かけませんが、実は1900年のパリ大会から1920年のアントワープ大会までオリンピックの正式種目でした。使う道具は綱だけで費用もそれほどかからず、誰でも参加しやすい綱引きが、オリンピック競技に復活するなんてこともあるかもしれませんね。

今回ご紹介したトリビア的なネタは、話す相手がスポーツに興味がなくても、年齢や性別が違っても共有できるユニークな話題です。ここでは5つのトリビアをご紹介しましたが、よく知っていると思っているスポーツにも、まだまだたくさんのトリビアがあります。自分でもスポーツに関する面白ネタを探してみてコミュニケーションに役立ててみてはいかがでしょうか。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
photo by Shutterstock,Getty Images Sports