MOQは受発注業務を行う上で知っておくべき用語です。MOQを設定せずに発注、受注を行ってしまうと、想定外のトラブルが発生する可能性があるので注意しましょう。また、MOQの他にもSPQやSNPなどの専門用語を理解しておくと、受発注業務において非常に役立ちます。この記事では、MOQの意味や使い方などについて解説していきます。

  •  MOQってそもそも何?

    MOQの意味や使い方について確認していきましょう

MOQとは?

まずはMOQの意味や利用方法について紹介します。受発注業務において頻繁に登場する言葉なので、意味を正しく理解しましょう。

MOQはMinimum Order Quantityの略

MOQは、Minimum Order Quantityの頭文字をとって作られた言葉です。Minimumは最小、Orderは注文、Quantityは量という意味があります。

発注できる最小数量を示している

MOQとは発注できる最低数量を表します。ビジネスシーンで商品を発注する場合、一個単位で発注できることはあまり多くありません。

理由は工場の生産ラインにあります。商品を1つ作るにも、100個作るにも生産ラインを稼働させる必要があります。つまり、少ない数量のために工場の生産ラインを稼働させると、大きなロスが生まれるのです。

そこで利用されるのがMOQです。MOQを設定することで、生産側にとってロスが大きい数量での発注を防ぐことができます。

SPQやSNPと共に利用される

MOQと共に利用される言葉にSPQやSNPがあります。SPQは発注できる最小単位を示し、SNPは出荷時の梱包量を示しています。

それぞれの違いについてチェック

MOQ、SPQ、SNPは非常に似ている言葉です。間違って覚えてしまうと、大きなミスに繋がりかねません。違いについては理解しておく必要があります。

それぞれの言葉は英単語の頭文字をとった略称です。そのため、どのような英単語で成り立っているのかを理解しておけば、意味の違いを理解しやすくなるでしょう。

  • MOQってそもそも何?

    MOQは発注できる最低数量を示しており、貿易の際には欠かせない言葉です

MOQをなぜ設定する必要があるのか

MOQは生産者側のロスを少なくするために必要です。ここでは、MOQを設定しておく理由について紹介します。

MOQは問題を避けるために必要

商品を発注する際は、見積書の作成を依頼するのが一般的です。MOQは通常、その見積書に記載してあります。

見積書にMOQが記載していないと、発注側としては「どのような個数でも発注可能」と誤解してしまいます。こういった問題を避けるために、商品を生産する側はMOQを設定しているのです。

実際のMOQの使い方

実務におけるMOQは「MOQ:1200」のように記載されます。この場合は、1200個以上でしか発注できないという意味になります。

MOQは先ほど紹介したSPQやSNPとあわせて利用されることも多いです。「MOQ/SPQ:1200/300」のように記載され、この場合は1200個以上での発注が可能で、300個単位で発注量の指定ができるという意味になります。つまり、1200個や1800個で発注は可能ですが、900個や1300個で発注はできません。

MOQがある見積書の注意点(発注側)

MOQがある見積書を取り扱う場合は、MOQの根拠について生産者側に問い合わせましょう。MOQが設定してあるなら、それに従わなくてはいけないと思いがちですが、そうではありません。

自分にとって不利益となるMOQが設定されている場合は、交渉次第で変更が依頼可能です。そのためには、なぜその値のMOQが設定されているのか知らなくてはいけません。

その会社がMOQの設定を変更できないのなら、類似の商品を販売している別会社を利用するなどの対策も検討できます。まずは、MOQの意味や根拠を尋ねましょう。

MOQがある見積書の注意点(供給側)

MOQを設定して見積書を発行する場合は、なぜそのような値を設定しているのかを説明しなくてはいけません。理由もなくMOQを設定したのなら、相手も納得してくれないでしょう。

バラ売りが希望なのであれば、単価が高くなるなどの条件を説明することも大切です。不用意なトラブルを生まないように、真摯に説明を行いましょう。

  • MOQをなぜ設定する必要があるのか

    MOQとSPQ、SNPを間違って利用しないようにしましょう

そもそも受発注業務って何?

MOQは受発注業務で頻繁に利用されます。しかし、そもそも受発注業務とはどのような内容なのでしょうか。ここでは受発注業務がどのような業務内容なのかについて紹介します。

受発注業務の流れ

受発注業務とは、受注業務と発注業務をまとめたものです。商品の取引を行う際は、商品を発注する側と受注する側がいます。それぞれの業務をまとめて、受発注業務と呼ぶのです。

受発注業務の流れですが、まずは発注側が受注側に見積書作成を依頼します。受注側は見積書作成を行い、そこにMOQやSPQを記載します。

見積書の内容に問題がなければ、発注側が注文書を作成し、受注側に送付、受注側は商品の生産を行い、最後に商品の受け渡しと料金の支払いが行われれば完了です。

流れは非常にシンプルなのですが、専門用語が多く難しい仕事でもあります。

  • そもそも受発注業務って何?

    受発注業務においてMOQやSPQは頻繁に利用します

MOQと同じように使われる用語

最後にMOQと同じように使われる用語について紹介いたします。会社によってはMOQを使わない場合もあるので、同じ意味を持つ言葉については理解しておかなくてはいけません。

MPQという表現もある

MOQと同じ意味を持つ言葉にMPQがあります。PはPackingの略であり、梱包という意味です。つまり、「梱包できる最低量」という意味であるため、MPQと同じ意味を持ちます。

Pは他にもPurchase(購入)やProduction(製造)という言葉の略としても使われます。

業界や地域によって使われる用語はさまざま

見積書を確認すると、MOQやSPQ以外の意味がわからない言葉が登場する場合があります。これは業界や地域によって使われる用語がさまざまだからです。

特に受発注業務は取引先が海外になるケースも多くあります。日本では見かけない言葉を目にすることもあるでしょう。その際は必ず相手に確認をとるようにしましょう。取引の際には曖昧な点をなくしておくことが大切です。

  • MOQと同じように使われる用語

    業界や地域によって使われる言葉はさまざまです。わからない場合は相手に確認しましょう

MOQの定義を正しく理解し受発注業務に役立てましょう

MOQの意味や使い方について解説をしました。MOQは受発注業務において欠かせない言葉です。意味を正しく理解して、利用できるようになりましょう。

また、受発注業務で利用する言葉は他にもあります。SPQやSNPなどとあわせて理解を深めておくことが大切です。