Vicorは、水中ドローン(ROV)の開発を手掛けるVideoRayと協業し、水中での長時間活動を可能とする電源システムを提供することで、VideoRayがラインアップの拡充を実現したと発表した。

具体的には、フラッグシップモデルである「ディフェンダー」シリーズに、DC-DCコンバータ「DCMシリーズ」を提供。400VDCからより低い電圧に変換して、すべてのメインスラスターと制御機器に給電することを可能としたとするほか、 Pro 4メインコントローラにも、電圧変換比固定バスコンバータ「BCMシリーズ」が採用されたとする。

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    VideoRayの水中ドローン(ROV)「ディフェンダー」

BCMは、独自のSAC(Sine Amplitude Converter)技術を用いた双方向変換ができる電圧変換比固定型の高効率共振方式DC-DCコンバータで、入力電圧範囲は36~800V、固定の電圧変換比(Kファクタ)はさまざまな値の設定があり、広い用途で使うことができるという。また、PMBus通信による制御機能やEMIフィルタが搭載されているものも用意されており、最大2,400W/in3の電力密度、ピーク効率98%で、並列接続することで大電力の出力を行ったり、直列接続による高電圧出力を行うことができるとのことで、同コントローラでは、ホストプラットホームのAC電源を整流した400Vから、ワイヤーへ給電する72Vへ簡単に変換することを可能としたとする。

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    VideoRayのPro 4メインコントローラ

このほか、開発中の水中で最大8時間稼働できるバッテリ式ROVでも効率97%のPRM昇降圧コンバータを採用。ゼロ電圧スイッチング(ZVS)アーキテクチャで、広い入力電圧範囲に対応しつつ、出力電圧を調整して安定化することができるという。

なお、Vicorでは、協業の成果として、高い電力密度のモジュールを組み合わせる構成に、電力供給ネットワークのアーキテクチャを変更することで、VideoRayは300mを超すような深い水中でも連続稼働が可能な小型ハイパワーなROVを開発することができるようになったと説明している。