周囲が騒がしい状況であっても、自分たちの会話はしっかりと聞こえたり、自分の名前を呼びかけられたりしてもはっきりと聞こえる、という経験をしたことがある方はいるでしょう。これは「カクテルパーティー効果」という心理効果が働いているためです。

カクテルパーティー効果をうまく活用できれば、営業などのビジネスシーンで成果を高めることが期待できます。カクテルパーティー効果について正しく理解し、どのような活用方法があるのか知っておきましょう。

  • パソコンを開いて勉強する人

    カクテルパーティー効果とは?

カクテルパーティー効果とは

カクテルパーティー効果とは、騒がしい状況や多くの人が雑談をしている中でも、自分に必要な声はしっかりと聞き取れるようになる現象のことです。

騒がしいパーティーのような場所でも、自分に必要な声を認識できることから、この名称がつけられました。

カクテルパーティー効果のメカニズム

耳からは非常に多くの情報が入りますが、聞こえた音をすべて情報として認識してしまうと、脳はその大量の情報を処理できなくなってしまいます。

そのため、脳は耳から入ってきた情報を、自分に必要があるのか判断して選び取っています。この脳の働きによって、騒がしい状況でも、自分に必要な声を判断して聞き分けられるのです。

しかし、どのような方法で情報の選定がされているのかはまだ分かっておらず、一説では、周波数の差や音が発生している位置などで判断しているのではないかと予測されています。

  • 原宿の竹下通りで集う人々

    カクテルパーティー効果の仕組みを知りましょう

カクテルパーティー効果が実証された実験

カクテルパーティー効果が起こる仕組みはまだはっきりと分かっていませんが、その効果は様々な実験により実証されています。

カクテルパーティー効果の理解をより深めるためにも、これまでにどのような実験が行われ、どのような結果が得られているのか知っておきましょう。

提唱者による実験

カクテルパーティー効果は心理学者のコリン・チェリーが提唱しました。実験では、対象者がヘッドホンをして片方の耳に意識を集中すると、意識を集中していない方の耳からは音が聞こえなくなる、というものでした。

また、意識していない方の耳側から対象者の名前を呼ぶ音声を流すと、意識していないにも関わらずその音を認識でき、情報の内容によっては一方的に意識の方向を変えることが可能、という結果になったそうです。

アメリカによる実験の場合

アメリカで行われたとある実験では、男女の被験者に15分間普通に会話をする場合と、15分間に相手の名前を繰り返し呼ぶようにした場合を比較した実験があります。

この実験の結果、意識的に名前を呼ぶ方が、親しみやすさや良い印象が強くなるということが分かりました。

  • 文字を書く人

    カクテルパーティー効果の実験について知りましょう

カクテルパーティー効果による影響

カクテルパーティー効果は聴覚から情報を得ることで、その他の部分にもいろいろな影響を及ぼします。カクテルパーティー効果を活用すると、聴覚以外にどのような影響を与えるのかも把握しておきましょう。

心理的な影響

自信がなかったり、ネガティブな感情が強くなったりしている場合は、周囲の小声も自分に関係のある内緒話ではないかと思い、騒音の中でも聞こえるようになってしまいます。

そのため、いつもは違和感なく聞こえる他人の声がカクテルパーティー効果によって聞こえるようになり、精神的な負担を感じてしまうことがあるでしょう。

視覚的な影響

カクテルパーティー効果のような、脳による情報の選択は聴覚に関するものだけではなく、視覚からの情報も同じように行われています。

これは「カラーバス効果」とも呼ばれており、特定のことを意識し始めると、日常の中でその特定のことに関する情報が自然と目に留まるようになる現象のことです。

  • オフィスで作業する人たち

    カクテルパーティー効果による影響を知りましょう

マーケティングや営業におけるカクテルパーティー効果の活用法

カクテルパーティー効果は営業や企画、集客などで活用できます。ビジネスシーンにおいて、具体的にどのようにしてカクテルパーティー効果を活用できるのか把握しておきましょう。

ターゲットを決めて具体的にアピールすること

例えば、デパートの洋服売り場では、「いらっしゃいませ」と呼び込みをするよりも、「春物が入荷しています」「セール中です」などと呼び込んだ方が集客率を上げることが可能です。

もし、売り場を歩いている中に「春物」や「セール」を求めているお客がいれば、これらの商品に意識を向けられます。そのため、カクテルパーティー効果を営業や集客で活かすには、ターゲットを絞ったアピールをすると良いでしょう。

ターゲットの目に留まりやすい単語を並べる

看板やポスターなどでは細かく情報を載せても、なかなかそれらの説明をすべて読んでもらうことは難しいです。まずは商品やサービスなど、宣伝したいものに関する分かりやすい単語を大きく表示しましょう。

働き盛りの方を対象にする場合、「キャリアアップ」「転職」「経済」など、顧客が普段から意識していそうな言葉を使うことで、興味をひきつけられるようになります。

  • 下から見上げたビル

    カクテルパーティー効果の活用方法を学びましょう

カクテルパーティー効果を鍛える方法

カクテルパーティー効果は特に意識せずとも、その現象が脳内で起きていますが、カクテルパーティー効果を意識して使用することも可能です。カクテルパーティー効果を鍛えることで、生産性や処理能力を高められるでしょう。

ざわついた場所で人々の会話を聞いてみる

聞き分ける能力を高めたいのであれば、商業施設や人の多い場所など騒がしい所にいき、特定の人の会話に耳を傾けてみましょう。

意識を集中させてカクテルパーティー効果が高まれば、他の音が弱まって意識を集中している音だけが聞こえやすくなります。

特定の楽器に注目して音楽を聴いてみる

騒がしい場所に足を運ばず日常的にカクテルパーティー効果を鍛えたいのであれば、音楽の聴き方に注意してみる方法があります。

音楽を聴くときに、ベースやドラムなど、特定の楽器の音に集中して、それらの音だけを聞き分けるようにしてみましょう。特定の音が聞き分けられれば、意識を集中させている音だけがはっきりと聞こえるようになります。

  • オフィスの廊下

    カクテルパーティー効果を鍛えましょう

カクテルパーティー効果が弱い人の特徴

人によって能力には個人差があるように、同じカクテルパーティー効果でもその効果には強弱があります。カクテルパーティー効果が弱い人にはどのような特徴が見られるのでしょうか。

五感が敏感すぎる

五感が敏感すぎる人は、他の人よりも多くの情報を得ているため、他の人であれば気にならないような小さな音が気になってしまったり、情報の必要性に関係なくどの人の声も同じように聞こえてしまったりします。

また、多くの情報を得てしまうことで情報の選択がうまくできず、カクテルパーティー効果が弱まる可能性があります。

感覚が鈍い

感覚が敏感すぎる場合とは逆に、感覚が鈍すぎると集められる情報が少なかったり、情報を認識しづらかったりしてしまいます。

もともと選択される情報が少ないので、思うようにカクテルパーティー効果が得られないという可能性も考えられるでしょう。

選択的注意力が低い

注意力が低い人は、注意がいろいろな所へ移ってしまうため、意識を向ける対象が定まらず、カクテルパーティー効果が弱くなってしまうことがあります。

そのため、落ち着きがなく注意力が散漫な性格の場合、カクテルパーティー効果を使用しても効果的な結果はでないといえるでしょう。

  • 目が青い女の人

    カクテルパーティー効果が弱い人について知りましょう

カクテルパーティー効果の具体例

使おうと意識せずとも、日常生活の中でカクテルパーティー効果が使われていることがあります。カクテルパーティー効果を効果的に活用できるようにするためにも、カクテルパーティー効果が起こりやすい場面にはどのようなものがあるのか把握しておきましょう。

恋愛における効果

好きな人がグループの中に混じって会話をしていても、他の人の声はあまり入ってこず、好きな人の声だけはっきり聞こえるということがあります。

これは脳が好きな人の情報を必要なものと判断しているためです。その結果、好きな人の声は鮮明に聞こえ、記憶や印象に残りやすかったりします。

日常生活における効果

前述した実験のように、自分の名前を頻繁に呼んでくれる人に対していい印象を持ちます。もし、相手の注意をひきつけられれば、自分から発信される情報はその人にとっては必要なものと判断してもらえるようになるのです。

そのため、仲良くなりたい人がいれば積極的に名前を呼ぶようにしましょう。ただし、しつこく名前を呼びすぎると不自然になってしまうので、注意が必要です。

  • 夜の街で歩く人々

    カクテルパーティー効果の具体例を知りましょう

ビジネスでカクテルパーティー効果を活用しよう{#ID9}

カクテルパーティー効果の概要や、活用方法などを解説しました。カクテルパーティー効果を理解していればターゲットに合わせた効率的な集客を行うことが可能になります。

カクテルパーティー効果のことを理解して、ビジネスで活用できるようにしましょう。