オンラインストレージとは?仕組みやメリット・デメリットを解説!

オンラインストレージ

社外も含めたファイル共有手段として、オンラインストレージを選択する企業が増えてきました。本稿では、そもそもオンラインストレージとは何のことか、その仕組みとクラウドサービスとの違いや具体的な活用方法についてまとめました。メリットとデメリットについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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オンラインストレージとは

オンラインストレージとは、インターネット上に存在するファイルの保管庫のことです。クラウドサービスとして提供され、「クラウド型ファイルサーバー」と呼ばれることもあります。

ユーザーは自分に適したプランを選択し、一定容量のデータを格納します。格納されたデータは適切なアクセス権を付与されたユーザーと共有され、権限の範囲内で閲覧・ダウンロード・修正が可能です。

1 クラウドとの違い

「クラウド」との違いは、言葉の示す範囲の大きさです。一般的に「クラウド」と言う場合は、クラウドサービス全体のことを指し、オンラインストレージもその範疇に含まれます。

オンラインストレージは、クラウドサービスの一種です。その多くはSaaS(Software as a Service)として提供されますが、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)サービスとして提供される場合もあります。

2 具体的な活用方法

オンラインストレージの具体的な活用方法はいくつかあります。メールの送受信が困難な大容量のファイル(画像や動画)のやり取り、複数デバイスや複数人での共同編集、適切なアクセス制御による社内外のファイル共有などは、特に便利な活用方法です。

オンラインストレージは、データのバックアップにも役立ちます。データセンターなど災害やハードウェア障害に強いクラウド上にデータを格納するため、データの安全性を確保できます。データを格納しているマシンやハードディスクを盗まれたり破壊されたりといった心配もありません。

3 PPAP問題の代替手段として話題に

オンラインストレージは、メールでパスワード付きzipファイルとパスワードを別々に送信する、いわゆる「PPAP」の代替手段となる機能を備えています。オンラインストレージをPPAPの代替手段とする詳細については、関連記事もご覧ください。

オンラインストレージの仕組み

オンラインストレージの基本的な仕組みと価格体系について簡単に解説します。

1 インターネット上でデータの保存が可能

オンラインストレージは、インターネット上にデータを保存できる点が最大の特徴です。データ格納領域は、データセンター内で守られているため、災害リスクに強い点もオンラインストレージの特徴です。

社内でデータを保管する必要がないため、ファイルサーバーやハードディスクに費やしていた費用や運用コストがかかりません。ハードディスクの増設や、ハードウェア機器の故障対応、セキュリティパッチの適用などのメンテナンスはすべてサービス提供者が行います。最新サービスへの更新も自動です。

2 容量やセキュリティ・機能で価格が変動

オンラインストレージの価格体系は、基本的に初期費用+月額基本料金+オプション料金という構成です。多くの場合は1つの無料プランと複数の有料プランを提供しており、容量やオプションのセキュリティ機能・関連機能の選択状況により価格は変動します。

無料プランや一番安価な有料プランでは、セキュリティ面が心もとない場合もあります。自社の求めるセキュリティレベルを担保できるプランはどれか確認しましょう。

オンラインストレージのメリット9つ

オンラインストレージを導入するとさまざまなメリットがあります。ここでは、9つのメリットを紹介します。

1 場所や時間・デバイスを問わずにアクセス可能

インターネット上に公開しているクラウドサービスなので、インターネット回線のあるところなら、場所や時間を問わずアクセス可能です。また、マルチデバイスにも対応しているので、社外からスマホやタブレットを使ってアクセスするのも容易です。

2 ファイル共有・共同作業が簡単

オンラインストレージは、社内に設置するファイルサーバーと比べて、ファイルの共有や共同作業がやりやすくなります。

社内のファイルサーバーでファイルを共有する際は、複数人で同じファイルを編集してほかの人の修正内容を誤って消すというトラブルが発生しがちです。一方オンラインストレージなら、共同作業の機能によって、複数で同時に同じファイルを編集しても、他人の編集内容を書きつぶさないよう制御してくれます。

3 ファイルデータを一元管理できる

オンラインストレージを使用すると、ファイルデータを一元管理できます。全員が同じファイルを見て操作するため、最新版の位置は明確です。

メールを使った運用だと、元資料の派生がどんどん生まれてしまい、どれが本当の最新版か分からなくなるケースも少なくありません。こうなると最新版を探すという無駄な時間が発生し、業務効率を下げる原因となります。最新版の位置がはっきりしていれば、最新版を探す手間はかかりません。

4 自動バックアップ機能がある

オンラインストレージは、ユーザーのファイルデータを守るために、自動バックアップ機能を提供しています。災害やシステム障害などのリスク回避と自動バックアップを同時に実現している製品もあります。

製品によってバックアップ手段は違うので確認は必要です。定期的に別のデータセンターにファイルをバックアップしている製品もあれば、社内のバックアップ専用機にバックアップしているケースもあります。

5 バージョン更新など運用が不要

バージョン更新、セキュリティパッチの適用など、社内のファイルサーバーにはメンテナンスの手間がかかります。オンラインストレージは、システムのメンテナンスもすべてサービス提供者の担当範囲です。利用者の企業は、運用に煩わされることなくファイルの共有ができます。

6 導入コストが安い

ファイルサーバー導入に比べ、オンラインストレージは導入コストが安い点も大きな特徴です。初期費用は必要なケースも多く見られますが、それでも、サーバーマシンやハードウェアを購入するよりは安価で済みます。

7 容量の拡張性がある

意識的にファイルの整理を行わない限り、オンラインストレージに登録されるファイルデータは増え続けます。導入当初の見積もりでは余裕があると判断しても、その後の利用により、容量不足になることも少なくありません。

オンラインストレージは、追加オプションやプランの変更で、すぐに利用容量を増やせる点もオンラインストレージの魅力です。

8 災害などトラブル時のリスクヘッジ

オンラインストレージは社外にデータを保有するため、社屋が天災や火災といった災害に巻き込まれた場合のリスクヘッジにもなります。オンラインストレージの導入は、BCP対策の一環としてもとても効果的です。

オンラインストレージはほとんどデータセンター内にファイルを保管しています。データセンターは、地震や津波、火災などのトラブルを想定した堅牢な建造物であり、一般的な社屋にデータを置くよりも安全です。

9 アクセス制限を設定できる

オンラインストレージは、企業が求めるレベルのアクセス制御機能を持っています。特定のユーザーやグループのみアクセスを許可するフォルダを作ってそこでファイル共有をする、ゲストには必要な権限のみを許可する、といった操作も簡単です。

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オンラインストレージのデメリット3つ

メリットの多いオンラインストレージですが、デメリットも3点あります。

1 カスタマイズがしにくい

オンラインストレージは、ほかの利用者と共有しているため、機能のカスタマイズはしにくい点がデメリットです。ただし、豊富なオプションを用意して、機能を組み合わせることでカスタマイズに近い効果が期待できる製品もあります。機能の取捨選択をしたい場合は、オプション機能の豊富な製品を選ぶといいでしょう。

2 情報漏えいのリスクがある

インターネット上に公開しているサービスのため、どうしても外部からの攻撃や不正アクセスなどによる情報漏えいのリスクがあります。多くのオンラインストレージ製品は、セキュリティリスクに備えてさまざまセキュリティ関連機能を提供していますが、多くは有料プランによる課金が必要な点に要注意です。

3 障害時の対応がベンダー任せになる

ハードウェア障害やネットワーク回線障害など、さまざまな要因でオンラインストレージが使えなくなる場合、サービス提供者(ベンダー)が対応します。この点はメリットでもありますが、自社で迅速に対応できないという点ではデメリットです。

インターネット回線が使えないと利用できないため、通信回線の障害発生時の迅速な対応も求められます。製品選択の際は、運用体制やサポート対応の質についてもチェックしましょう。

オンラインストレージの仕組みとメリットを確認して導入しよう

オンラインストレージは、インターネット上にあるファイルの保管庫です。ハードウェアは不要でメンテナンスはサービス提供者が行うため、手軽かつ短期間に利用できるようになるなど、メリットは多く導入する企業は増えています。

製品の機能やサポート体制・バックアップ対応などをチェックして自社に適しているオンラインストレージを選ぶことが重要です。ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

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