いつの時代も、お金の悩みは私たちにとって大きなストレスとなります。「貯金ができない」「ローン返済が苦しい」「どの保険に入ればいいのかわからない」など、抱える悩みはある程度共通しているかもしれませんが、収支バランスを含めたマネー環境は個々人で異なります。そのため、「今の自分にとって何をするのが正解なのか」を見極めるのがとても難しいです。

そんな自分の力で解決できなさそうなお金の悩みは、経験豊富なファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるといいかもしれません。今回の相談主は、コロナ禍による不況で老後資金に不安を抱える52歳女性・Aさんです。

【あわせて読みたい】
初心者でもできる! 手軽に始められる貯金のコツ3選
  • 年収が全額支給される訳ではない

    FPがあなたのお金の悩みにアドバイスします

コロナ禍で老後資金への不安が消えず

【相談内容】

新型コロナの影響で、パート勤めをしていた会社の人員整理対象となり、3カ月前にパートを辞めざるをえなくなりました。

夫が自営業なので老後にもらえる年金は少ないことが見込まれます。成人した子どもたちにお金がかからなくなったこともあり、私のパート収入はほぼ全額を老後のために貯金していましたが、3カ月前からストップ。このままでは予定していた老後資金が準備できなくなってしまいます。次のパート先を探す予定ですが、コロナ禍ですぐに見つからないのではと心配しています。

次男も昨年就職し、「親の責任も果たしたかな」と思って離職を受け入れましたが、私たち夫婦の老後資金はこれからどう準備していけばいいのでしょうか。なお、同居している次男は4月で就職して1年になるので、これから毎月3万円程度を家に入れてくれる予定です。この分は貯金していくつもりです。

続いて、Aさんの詳細なプロフィールをみていきましょう。

相談者プロフィール

【家族構成】

Aさん(52歳女性:現在専業主婦。3カ月前にパート退職)/夫(自営業・52歳)/長男(25歳・別居)/次男(23歳・同居)

【居住状況】

持ち家・一戸建て(住宅ローン返済中)

【家計収支データ】

収入 世帯月間 約45万円
夫(手取り) 平均45万円(自営業のため月により変動)
0円(3カ月前まで8万円)
支出 世帯月間 約41万円
住宅ローン 12万円
食費 7万円
電気・水道料金 1万2,000円
通信費(2人分) 1万8,000円
保険料 夫(生命保険:2万円)/妻(医療保険:5,000円)
交通費・ガソリン代 2万5,000円
お小遣い 夫(3万円)/妻(5,000円)
衣服・美容代 2万5,000円
雑費 5万円
夫の実家への仕送り 3万円
貯蓄 世帯貯蓄 1,700万円
家族のイベント用 定期預金400万円
夫婦の老後資金用 定期預金1,200万円
生活費の調整用 普通預金100万円

【補足情報】

夫は個人設計事務所を経営しており、これまでのところ安定的な仕事の依頼もあります。しかし、1人ですべての作業をこなしていることもあり、収入は月によって変動するそうです。

国民年金や国民健康保険料、税金などの支払いを差し引いたいわゆる手取り収入を平均すると、月あたり約45万円とのこと。なお、月によってはゼロに近いときもあるため、もしものために常に普通預金に100万円程度の残高を確保。そのうえで月々の収支に余裕が出れば貯蓄しているとのことです。

家族旅行や車の買い換えなど、家族のイベント用にはこちらの貯蓄でやりくりし、Aさんのパート収入はほぼ手を付けることなく、夫婦の老後資金としてそのまま貯蓄に充てていたそうです。