新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による在宅勤務などの奨励から、ノートPCの需要は2021年第2四半期も堅調であると予測され、PCメーカーもクライアントSSDを含むコンポーネントの在庫の積み増しを進めているが、一方でSSDメーカー各社はSSD価格を引き上げる準備を進めているという。

TrendForceによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による在宅勤務などの奨励から、ノートPCの需要は2021年第2四半期も堅調であると予測され、PCメーカーもクライアントSSDを含むコンポーネントの在庫の積み増しを進めているが、一方でSSDメーカー各社はSSD価格を引き上げる準備を進めているという。

これは米国テキサス州で生じた大寒波の影響に伴う影響でSamsung Electronics子会社の工場の操業が停止し、NANDコントローラの生産が一時的にストップしたことから、コントローラIC不足に拍車がかかり、クライアントSSDの供給がタイトになる可能性があるためだという。そのため、TrendForceでは、2021年第2四半期のクライアントSSDの価格を従来の前四半期比ほぼ横ばいという予想から、同3~8%増へと上昇修正した。

Samsungのテキサス州オースチンの工場は、停電の影響から2月16日から3月2日まで生産活動のほとんどを停止しており、この影響が同社の半導体生産に影響を与える可能性があるという。中でもNAND用コントローラICは同工場の生産能力の10%を占めるとされており、TrendForceの調べでは、そのほとんどがPCメーカー向けクライアントSSD用だという。特にSamsungのクライアントSSDの中でも128層製品を採用したモデルが大きな影響を受ける可能性が高いという。

また、クライアントSSDとエンタープライズSSDの価格は高い相関関係があるため、今回の停電はエンタープライズSSDにも影響を及ぼしているとTrendForceでは説明している。しかも、データセンター分野の顧客は2021年第1四半期のSSD調達を抑えた代わりに第2四半期以降、調達量を増やしていくことが予想されており、こちらも早晩、価格が上昇する可能性が高く、TrendForceでは第2四半期のエンタープライズSSD価格を、従来の前四半期比0~5%減から、同0~5%増へと上方修正している。

なお、TrendForceのこれらの予測とは別に、台湾の経済メディア經濟日報が3月9日付で、Samsungが、同社SSDの顧客に対し、サーバ向けSSD、ハイエンドPC向けSSD、ミドル・ローエンド向けSSD向けSSD用コントローラICの供給に影響が出ており、予定通り出荷できない状況となっているとことを通達したと報じている。