「デポジット」という言葉は、日常生活やビジネスシーンでよく耳にする言葉ですが、その意味や使い方を理解している方は少ないかもしれません。

本記事ではデポジットについて解説。ホテルやクレジットカードなど、分野別の「デポジット」の意味も解説します。

  • デポジットとは

    デポジットについて学んでいきましょう

デポジットの意味

デポジットとは、何かを購入したりサービスを受けたりする際に、金額の一部分を予め預けておくことを意味する英語です。日本語では「保証金」や「一時預り金」などと訳されます。ビジネスシーンでもよく耳にする言葉なので、使いこなせるようになりましょう。

  • デポジットとは

    デポジットとは、一般的に予め預けておく一部金のことを指します

デポジットとは【分野別】

日常生活を送る中で、デポジットが使われているシーンは意外に多いものです。それぞれの場合におけるデポジットの使い方や意味を把握しておきましょう。

ICカード

ICカードには、主にバスや電車の乗車賃、高速道路の利用料金など交通系ICカード、電話のプリペイドカード、お金の代わりにカードで直接買い物ができるICキャッシュカードなどがあります。

この場合のデポジットとは、利用するサービスで発行されたICカードに、事前にお金を入れておくことを指します。ですから、ICカードにお金が入っていないと、ICカードでの支払いや決済ができなくなります。

「ICカードのご利用前に、デポジットとしてICカードへのご入金をお願いいたします」などと、ICカードの利用者に説明する場合などに使われることが多いです。

娯楽施設などのコインロッカーのカギ

温泉やスイミングプールの娯楽施設にあるコインロッカーには、ロッカーの鍵をかける際に、数百円程度のデポジットを求められることがあります。こういったコインロッカーのデポジットは、利用終了時にロッカーの鍵を開錠するタイミングで返金されます。

「ロッカーの鍵をお戻しになった時に返金されますので、施錠する際に表示金額をデポジットとして投入してください」といった例文が挙げられます。

瓶ビール

瓶ビールを販売する際に、一部の加盟店は瓶ビールの瓶の代金として、5円のデポジットを上乗せした金額で販売しています。これは、瓶のリサイクルを促進するためです。

瓶ビールを購入した顧客は、加盟店に飲み終わった後の瓶を持ち込むことによって、デポジットとして支払っていた1本当たり5円のデポジットの返金を受けられます。

使用例としては「瓶ビールの瓶を当店までご返却くだされば、デポジット分の5円をお返しします」と販売時に顧客にする場合などです。

  • デポジットとは

    デポジットはさまざまなシーンで活用されています

デポジットの関連語

デポジットが含まれる言葉や単語はいくつかあります。本項では「デポジットカード」と「デポジット制度」の2つの言葉についてどのような内容を示す言葉であるのか、使用シーンのイメージが湧きやすいように説明します。

デポジットカード

デポジットカードとは、デポジット型のクレジットカードのことを指し、予め保証金を預け入れておくことによって、その保証金額の範囲内でカードが使えるというものです。保証金が入っていないと、カードが利用できないようになっています。

支払い能力以上にお金を使ってしまうことがなく、お金のコントロールがしやすいカードであるといえます。

デポジット制度

デポジット制度とは、環境を改善する取り組みが世界的に行われるようになり、リサイクルのために再利用可能なものを良い状態で回収するために考え出された制度です。

主に、飲料の缶や瓶にデポジット分の金額を上乗せした金額で販売し、空き缶や空き瓶になったら、加盟店や販売店に持ち込むことによってデポジット分の返金が受けられるというものです。「預かり金払い戻し制度」ともいわれています。

  • デポジットとは

    デポジットを使った言葉について学びましょう

海外旅行でのホテル利用時におけるデポジットの注意点

海外でホテルを利用する際に、主にチェックイン時にデポジットの支払いが必要になることがあります。すべてのホテルが導入しているわけではありませんが、海外のホテルでは一般的な制度で、日本でもいくつかのホテルがデポジット制度を導入しています。

デポジットの目的は、滞在中にホテルの部屋の中の有料サービスを使用した際の、清算忘れをなくすためです。また、ホテル利用時に予期せぬトラブルが起きた際に、そのデポジットを充当するという側面も持ちます。

海外ホテルでのデポジットについて、どのように支払うのか、デポジットの返金時の注意点などについて知っておきましょう。

クレジットカードの提示が必要

デポジットが必要な場合、チェックイン時にクレジットカードの提示が求められます。この際、ホテルはクレジットカード番号などの情報を控えるだけの場合と、決められたデポジット金額を決済する場合の2つのケースがあります。

クレジットカードの情報を控えただけの場合は、ホテル利用後の清算時に実際に未精算であった金額を請求されることになります。一方、先にデポジットをクレジットカードで支払っている場合は、ホテル利用後に清算し、余剰分の金額は、同じクレジットカードに返金されます。

返金可能か確認が必要

デポジットについて、ホテルの宿泊料金からその分が差し引かれるのか、そもそも返金はされるのか、事前に確認しておきましょう。

多くの場合は、未精算分や有料サービスの利用がなければ、チェックアウト時や後日返金されます。

返金してくれない場合は問い合わせが必要

心当たりが何もないのにデポジットを返金してもらえない場合は、ホテル側の間違いの可能性もありますので問い合わせが必要です。

また、デポジットがクレジットカードに直接返金される場合、実際にホテルが返金の処理を行ってから、カードの返金明細が確認できるようになるまでにタイムラグが起こることがあります。少し待っても返金が確認できない場合は、やはりホテルに直接問い合わせましょう。

  • デポジットとは

    ホテル利用時のデポジットについて理解しましょう

デポジットの類語

デポジットと似たような場面で使われる類語にはどのようなものがあるのでしょうか。本項では、「インシュアランス」と「ギャランティ」という類語について、デポジットとの違いに触れながら解説します。

インシュアランス

インシュアランスとは保険・保険金を意味する英語です。まだ起きていない不測の事態やトラブルに対して、原状復帰や保険金などを支払ってくれる制度です。

安心を保証するという意味では、デポジットと同じような使い方ができます。

ギャランティ

ギャランティとは、保証や保証料・手数料を意味する英語です。部屋を賃貸する際に発生する敷金や保証金をイメージするとわかりやすいでしょう。

ギャランティとデポジットは似ているものですが、ギャランティは、物の品質や支払い能力などを保証することが目的である点がデポジットと異なります。

  • デポジットとは

    デポジットの類語を知り、ビジネスシーンで使いこなしましょう

デポジットについて知ろう

デポジットとは何か、どのような場面で、どういった目的や内容で使われる言葉であるかについて述べてきました。生活の中はもちろん、ビジネスシーンでもよく耳にする言葉ですので、正しい意味を理解しておきましょう。