「たまたま好きで乗り継いでいるクルマが古くなってしまっただけで」|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014【10位】|1970年式 いすゞ ベレット1600 GTR Vol.2

【1970年式 いすゞ ベレット1600 GTR Vol.2】
読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 10位  レースでも豪快な走りを見せつけたベレット1600GT。

 しかし、60年代後半になると、パワー競争が激化し、ファミリーカーにさえSOHCエンジンが積まれるようになった。当然、高性能を誇示するスポーティーカーは、DOHCエンジンにソレックス40PHHキャブを組み合わせて搭載している。ベレット1600GTも69年秋に慣れ親しんだOHVエンジンを廃し、SOHCエンジンを積んだ。それだけではない。イメージリーダーとして1600GTR(カタログではGTタイプR)を設定した。

 注目のエンジンは、エレガントなグランツーリスモの117クーペから譲り受けた、直列4気筒のG161W型DOHCである。排気量は1584ccで、ミクニ製のソレックスキャブを2連装した。最高出力は120ps/6400rpm、最大トルクは14.5kg‐m/5000rpmだ。トランスミッションは4速MTを採用している。

 車両重量は970kgだからパワーウエイトレシオは8.1kg/psだ。最高速度は190km/h、ゼロヨン加速は16.6秒の俊足を誇っている。1.6Lクラスでは最高の性能だが、フットワークとハンドリングもヨーロッパ車のように奥行きのあるものだった。

 サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン/コイルスプリング、リアはダイヤゴナルリンクとコイルスプリングの組み合わせだが、横置きリーフスプリングのコンペンセーターを加えたベレット独自の4輪独立縣架としている。GTRは足を強化するとともにリミテッドスリップデフも標準装備し、切れ味鋭い痛快なコーナリングを見せた。イタリア車のように美しいフォルムも魅力にあげられる。速くてスタイリッシュだから、21世紀の今でもほれ込む人が多いのだろう。
旧車という枠にとらわれずクルマを楽しむオーナー

OWNERS VOICE/樋川正光さん

 樋川さんのベレットは、60〜70年代レーシングカー風にモディファイされているが、実は他にS54Bスカイラインも所有しており、第2回日本グランプリの砂子義一さんのレーシングカーを再現している。これらの仕上げは、所沢にあるカーショップ311の吉田屋さんの力が大きい。ベレットのセッティング出しなどすべてを任せている。

「自分は旧車に乗っているという意識はないのです。たまたま好きで乗り継いでいるクルマが古くなってしまっただけで」というオーナーの樋川さん。旧車と呼ばれる前からベレットオーナーとなり、今までに6台も乗り継いで来た。

 旧車という枠にとらわれない、クルマそのものの楽しみ方を知っているオーナーなのだ。

純正ミクニソレックスのφ40mmを使用したキャブなど【写真10枚】


1970年式 いすゞ ベレット1600 GTR(PR91)主要諸元
●販売期間 1963年6月~1973年10月
●全長 4005mm
●全幅 1495mm
●全高 1335mm
●ホイールベース 2350mm
●トレッド前/後 1260/1240mm
●最低地上高 160mm
●室内長 1480mm
●室内幅 1240mm
●室内高 1060mm
●車両重量 970kg
●乗車定員 4名
●最高速度 190km/h
●0→400m加速 16.6秒
●登坂能力 tanθ0.55
●最小回転半径 5m
●エンジン型式 G161W型
●エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
●総排気量 1584cc
●ボア×ストローク 82.0×75.0mm
●圧縮比 10.3:1
●最高出力 120ps/6400rpm
●最大トルク 14.5kg-m/5000rpm
●変速比 1速3.467/2速1.989/3速1.356/4速1.000/5速0.864/後退3.692
●最終減速比 3.727
●燃料タンク容量 46L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン
●サスペンション前/ ダブルウイッシュボーン/ダイアゴナルリング式スイングアクスル
●ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも 165HR13
●発売当時価格 116万円