わずか5分で目標金額に、田村芽実ソロミュージカルにかけた思い「クラファン達成の瞬間は号泣しました」

ハロー!プロジェクトのアンジュルムを2016年に卒業し、以降はTRUMPシリーズのミュージカル『マリーゴールド』で主演、『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリア役を務めるなど、ミュージカル女優・歌手として活躍する田村芽実。

そんな田村の新たなる挑戦が、自身で企画・主催・主演するソロミュージカル『ひめ・ごと』だ。

予算の問題や新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受け、何度も熟考を重ねた結果、クラウドファンディングという手法を採用。だが、本人の不安を裏切るように、クラウドファンディングは開始5分程度で目標金額150万円を達成し、最終的には2800万円を集めたことで話題を呼んだ。

そして、『ひめ・ごと』公演が27日(土)の20時から配信される。公演を前に、クラウドファンディング実施した心境や『ひめ・ごと』への思いを語ってもらった。

【写真】渾身のプロジェクトへの思いを語る、女優・田村芽実

自身の女優生命を懸けたクラウドファンディングは、2月1日の午前0時からスタートした。その直前の1月31日22時からインスタライブで今回の趣旨を改めて説明し、そのままスタート時刻を迎えるという流れである。「あの夜のことは絶対に一生忘れない」と田村芽実は目を細めながら振り返った。

「日付が変わる瞬間は、スマホを持つ手が震えましたね。そして開始からわずか3分後に目標金額の150万円を達成することができると、今度は1人ベッドの上で声を上げて泣きました。人生でこんなにもドキドキしたことはなかったです。本当にクラファンのサイトを見るのが怖くて。この緊張感を強いてたとえるなら……経験したことないけど、出産の瞬間くらいドキドキしていたと思う(笑)。今、私が命を懸けてでも守らなくてはいけないものは、皆様から支援していただいた金額なんです。まさに母親が子供を想う気持ちと一緒ですよ」(田村芽実、以下同)

 目標金額に到達した瞬間、「これで作品を作ることができる」という喜びと同時に「こんなにもたくさんの人が自分のことを応援してくれているんだ」という驚きがあったという。その驚きは田村本人のみならず、見守っていたファンも同じだったのかもしれない。なぜここまで短期間で多くの支援金を集めることができたのか? もちろん女優としての田村の才能に心酔したり、今回のプロジェクトに対する熱意に打たる者が多かったのは事実だろう。だが、田村はそれに加えてもう1つの要素があったのではないかと考えている。



「ファンの方からいただいたメッセージの中に『一度もお願いをしたことのないめいめいからのお願いだから』というものがあったんです。確かに私、今までファンの方に『CDを買ってください』とかお願いしたことってないんですよね。『私たちのライブは楽しいので、ぜひ遊びに来てください』と言うことはあっても、『集客が苦しいので、チケットを買ってください』と言うようなことはなかったと思うんです。だからそのへんでファンの方も『今回のめいめいは真剣なんだな』って感じ取ってくれたんじゃないかと思うんですよね」

 ファン想いということに関しては人後に落ちない田村のこと。応援してくれる人に対して常に全力で応えようとする姿勢はアイドル時代から一貫している。イベントなどで「めいめい!」と自分の名前が呼ばれると、自然に心が温かくなってくるのだという。

「コレクター様(支援者)の人数を見て信じられない気持ちになりますよ。『本当に1200人も応援してくれている方がいるの!?』というのが偽らざる気持ちで。

現状だと私のファンの方って、おそらく半分くらいがアンジュルム時代から応援してくれている方だと思うんですよ。グループを卒業したのがもう5年以上前なのに、ありがたい話です。実際、『アイドルグループを卒業したら、もうその人には興味がない』という人も多いでしょうから。あとこれは理由が分からないんですけど、昔からの私推しだった方ではなく、むしろ箱推しだったり他のメンバー推しだった人が今の私を応援してくださったりすることもあって……。ちょっと不思議な感じですよね(笑)。でもうれしいです。」

 それにしても、なぜ“今”なのか? 新型コロナの新規感染者数は減少傾向にあるとはいえ、相変わらず観客を入れての舞台公演開催は難しいままだ。だったら、コロナ禍が収束してから公演を行うという手もあったのではないか?

「実を言うと、そこはいろいろ悩みました。このプロジェクトは4年半かかって実現にこぎつけたものなんですよ。周りのスタッフさんを説得したり、引き受けてくださる演出家や脚本家の方を見つけるのに時間がかかってしまい、気づいたら4年半が経っていました。いいアイディアを思いついたときって自分に興奮するじゃないですか。正直、こういったソロでのミュージカルを私以外の同世代の女優さんに先にやられてしまうんじゃないかという気持ちもありましたし。今の私には、世界的に有名な作品に出演することと同じくらい、もしかしたらそれ以上に『ひめ・ごと』を完成させることが大切な事だったんです。それに『この時期なのにやる』というのではなくて『この時期だからこそやる』でもなく、『どんなときだってやる』という感覚で私はいるんです。どんなときだって届けたい内容なので」



 1人ミュージカル『ひめ・ごと』は2月27日から公開される。アーカイブ視聴期間は3月4日まで。クラウドファンディングはすでに締め切ったものの、視聴料を払えばオンラインでの観劇が可能となる。作品の内容について田村本人に解説してもらった。

「私が好きな50年代から70年代のミュージカル……たとえば『雨に唄えば』『サウンド・オブ・ミュージック』『オズの魔法使い』といった作品から着想を得ています。ただ、ミュージカルって輸入作品が多いんです。そうなると英語の原曲を日本語に置き換えて歌うことになるのですが、毎回作品に参加する度に、それに慣れるのがとても難しくて……。あとは日本とは全く違う文化や、宗教観を持った国で生きる人間を演じることも多くあります。いろんなことを勉強したりはするのですが、あまりに感覚が違うので心が追いつかないこともあり、悔しい気持ちになることもあります。

だから今回は日本人の女の子が主人公というのが私のこだわったポイントでした。ただ一方でミュージカル要素も外すことはできないので、洋館に住んでいるという設定にしましたね。そこを舞台に自由奔放な少女が妄想したり、いろんな出来事が起こったりするのですが……これ以上はネタバレになるので、ぜひ実際にご覧ください(笑)」

(取材・文/小野田衛)
▽田村芽実(たむら・めいみ)
1998年10月30日生まれ、群馬県出身。O型。
2016年にアンジュルムを卒業、以降は女優や歌手として活躍している。近年の主な出演作にTRUMPシリーズのミュージカル『マリーゴールド』、浪漫活劇『るろうに剣心』、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』など数多の作品に出演している。
Twitter:@Tamura_Meimi
Instagram:tamura_meimi

▼information
ソロミュージカル『ひめ・ごと』
2月27日(土)20時よりPIA LIVE STREAMにて配信。3月4日(木)23時59分までアーカイブ視聴が可能となる。
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