ディランやシンディ・ローパーに影響を与えたビート詩人、101歳で死去

1950年代から60年代にかけて「ビート・ジェネレーション」を支えた名物書店/出版社の生みの親であり詩人、ローレンス・ファーリンゲティ氏が他界した。死因は間質性肺疾患だったとニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。享年101歳だった。

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ファーリンゲティ氏は米サンフランシスコに拠点を置くシティライツ書店/出版社を立ち上げた人物。詩人としてのファーリンゲティ氏は、短いフレーズをまるでジェンガのように幾何学的な形に積み上げ、それぞれのフレーズの内容が互いに補う作品で知られていた。もっとも有名な1958年の詩集『A Coney Island of the Mind(原題)』では、当時の言葉で物事を鮮やかに描写している。

たとえばイエス・キリストを「ガラリヤのような野暮な場所から現れ……自分はイケてると主張した大工」、モリス・グレイヴスが描いた太平洋北西部の神秘的な作品群を「心の内面の真北を貫く野生の白い巣」と表現した。彼は根っからの実験好きで、60年代後期のアンソロジー『Starting From San Francisco(原題)』では伝統的な形式とアヴァンギャルドを融合させた。

ピーター・D・マーティンと共同で創業したシティライツ出版社を通じて著作を出版するかたわら、彼は時代をリードする詩人たちを育んでいった。1956年にアレン・ギンズバーグの冗長かつ物議をかもした『l Howl and Other Poems』を出版したのを皮切りに、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、グレゴリー・コーソ、ジャック・プレヴェール、フランク・オオハラ、パブロ・ピカソ、ジャック・ケルアック、ピエル・パオロ・パゾリーニ、その他多数の詩作を世に送り出した。ファーリンゲティ氏がサンフランシスコのノースビーチ界隈に運営し続けたシティライツ書店は、彼が出版した詩人たちの集いの場所となった。

ファーリンゲティ氏の伝説は、その後ミュージシャンたちの作品に登場した。たとえばボブ・ディランはボックスセット『バイオグラフ』で『A Coney Island of the Mind』を引用し、ザ・バンドはファイナルコンサートに彼を招いて「祈り」を朗読してもらった。ザ・バーズのロジャー・マッギン、シンディ・ローパー、ザ・レジデンツらがファーリンゲティ氏の作品からインスピレーションを得ている。