小1時間の練習で劇的に変化!? 「きれいな文字を書く方法」を美文字研究家が指南!
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。2月7日(日)の放送では、書家で美文字研究家の青山浩之さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)小山薫堂、青山浩之さん、宇賀なつみ



美文字研究の第一人者と言われている青山さん。現在は横浜国立大学教育学部の教授として教鞭を執る傍ら、全国での講演やペン字の講座などで、美文字の普及活動をしています。

そんな青山さんいわく、「どんな人でも文字をきれいに書けるようになる」と言います。そもそもきれいな文字とは、「みなさんは、文字の黒い線を見て認識していると思っているんですけど、本当は線と線のあいだの空間も一緒に見ているんですよね。

それがいびつだったり、同じ大きさにそろっていなかったりすると、見た心地がよくない。そういう文字に、違和感や読みにくいという印象を受けるんですよね。だから、そこが整っていれば見やすい。その見やすい文字は心地よい文字に見える。イコール“美文字”と考えるといい」と説明します。

“文字を書くのが苦手……”という人にとっても、文字が美しいとその人の印象も変わってくるだけに「文字を見直すのはとてもいいことですし、直りますよ」とキッパリ答えます。

今回は、小山と宇賀が書いた文字を青山さんに見てもらうことに。


2人が書いた文字(左:小山、右:宇賀)



2人の文字に目を通し、「小山さんの字は、一瞬パッと見ると親しみやすいですね。日常のものの捉え方を表したときに、読もうとした人が受け入れやすい文字だと思います。

ただ、オフィシャルの場になったときは、もう少しかしこまった文字のほうがいいですね。そういうときの書き方が、これには表れていない(苦笑)。とはいえ、急いでパッと見たときも目に飛び込みやすい文字ですよね。それは先ほど申し上げた字のなかの空間なんですよ。空間が心地よく、広い。だからやわらかく温かみも感じますね。コツを知れば、すぐに直ると思います」と感想を述べます。

一方、宇賀の文字について「宇賀さんは非常に可愛らしさがありますね。とても素敵ですが、お着物を召されてお花を活けていらっしゃるとすると、もう少し風格のある文字のほうがいいですよね」と言うと、宇賀は「ですよね(苦笑)」と納得の様子で、「中学生の頃から文字が成長していなくて、恥ずかしいんですよね。まず、なにから始めるといいですか?」と熱心に質問をぶつけます。


宇賀なつみ



青山さんは「どなたにも言っているのは、先ほどから話している“隙間”ですね。隙間を均等に書く。たとえば小山さんの“薫”という字は、“これでもか!”というくらい横画があります。最後にそれを支えるように“れっか”という四つの点が出てきます。これは練習にはもってこいの字です。

宇賀さんが書く“薫”の字はちょっと縦に間延びしすぎています。タンスの引き出しのイメージで見ていただきますと、段のところがちょっと広かったり、狭かったりする。これを意図的に均等にしてみるというのが、1つの手立てですね。れっかの間も、均等にするだけで途端にかしこまって見えます。それから“様”という字も、線で仕切られて隣り合う隙間を一緒に書くイメージにするといいです。最後の4つの斜めの部分は、ピザを六等分するようなイメージになってくると思います」とアドバイスを送ります。

小山が「漢字がわからなくなってきますね……」と苦笑いを浮かべると、青山さんは「最初はゲシュタルト崩壊することがあるのですが、小1時間意識して書くと、元の字に戻れなくなりますよ。空間を意識して書くとすぐに直るし、どんな文字も隣の空間を少し意識するだけで、書き方が変わってきますよ」と自信をのぞかせます。


青山浩之さん



また、宇賀は「名前がすべて“ひらがな”なのが書きづらい」と悩みを告げると、青山さんは「日常で書く日本語の7割はひらがなと言われているので、ひらがなを制すれば、日頃書く文字もきれいになるんです。ただ、先ほどの隙間均等法は漢字に適するのですが、ひらがなは、なかなか独特な形が多いですし、漢字とひらがなは構造が違う」と言います。

例えば、「なつみさんの“つ”であれば、横にずっと動かしたあと、今度は曲線を描きながら左下へ向かっていくんですね。“つ”の、できあがりの形は横長四角です。小山さんも宇賀さんも“つ”は丸いですね。たとえば、“つ”がなんの漢字からできているのかと言うと、“川”という字からできているんです。縦に3本あったのが、横に1本になるときに、横に長く動かないと3本あった痕跡が残らないんです。なので、ちょっと横長に書くといい」とポイントを解説。

また、「ひらがなを大人っぽく書くコツは、どこかで止めることなんです。“み”は左下で1回止まる三角形と、ちょっと上がったときにもう1度止まって、2回止まって三角に見えるようにするとキリッとして見えます」とのアドバイスに従って書いてみたところ、宇賀は「ちょっといい“なつみ”が書けるようになったかもしれない!」とビックリ。これには小山も「あ、(文字が)大人っぽくなった!」と驚いていました。

ちなみに、普段から手紙を書くという青山さんは「いざというときは、手紙で伝えるようにしている」とこだわりを語ります。小山から「いま手紙を書くとしたら書きたい人はいますか?」と聞かれ、青山さんは、2014年度に実施された国語に関する世論調査のことを語り始めます。

そこでは「手紙は手書きのほうがいいか」「手書きの文化をこれからも大事にしていく必要があるか」などが質問項目に入っていたそうで、「91.5%の人が『手書きを大事にすべき』だと回答しているんですね。20代くらいの人のほうが、“手紙は手書きがいい”と回答している率が高かった」と話します。

その調査結果を引き合いに、青山さんは「(若い世代は)携帯などの端末と手書きをきちんと使い分けている可能性があるんですね。ササッとやり取りをするときは端末で、でも“しっかり伝えたい”というときは、きちんとした手紙で(送る)という判断をしているのかもしれない」と推察。そして、「すごく若い世代の子たちと手紙のやり取りをしてみたい」と声を大にします。

というのも、「いま手紙を書くとなると、自分よりも目上の方だったり、仕事をする仲間たちだったりするんですけど、学生たちは(大学などで)こんなに付き合いがあるのに、手紙のやり取りはなかなかないんです」と理由を述べつつ、「“手紙は手書きのほうがいい”と思っている世代と、なにか大きなプロジェクトでやり取りをするような機会があればいいなとイメージをしている」と望んでいました。

次回2月21日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/