愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「今年のバレンタインデーとニューノーマルな生活」を解説
本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第2水曜日に、我々が知っているようでよく知らない「お金」や「経済」の仕組みなどを、専門家の方に詳しく解説してもらうコーナー「スカロケ資産運用部」をお届けしています。

2月10日(水)の放送では、愛と経済の伝道師“宗さま”こと三井住友DSアセットマネジメントの宗正彰(むねまさ・あきら)さんに、「今年のバレンタインデーとニューノーマルな生活」というテーマでお話を伺いました。

(左から)マンボウやしろ、宗正彰さん、浜崎美保


◆バレンタインの愛の経済効果は無限大

浜崎:宗さま、今回は「今年のバレンタインデーとニューノーマルな生活」について、お話しいただけるということですが。

やしろ:次の日曜日がバレンタインデーということです。なにか傾向的なものはあるのでしょうか。

宗正:コロナ禍の影響は当然受けますよね。チョコレートは本来なら手渡しですがテレワーク中の人も多い。そして今年のバレンタインは日曜日ということで、義理チョコ需要も激減すると思います。

近年のバレンタインの市場規模。これはチョコレート、そしてそれに代わるプレゼントの売上額になりますが1,200億から1,300億円くらいで推移しています。

やしろ:これは年々上がってきていたんですか?

宗正:その逆で下がってきていますね。それが今年はコロナ禍でさらに下がって、1,000億円程度になるのではないかと。ただ、言うまでもなく、バレンタインの愛の経済効果は無限大ですから。

やしろ:出ました。愛に底はないですもんね。

宗正:そうです、広がるばかりです。良い方向か悪い方向かは別にして。

やしろ:バレンタインデーは、チョコレートだけではなくて、モノの消費の衝動というか、そういうものが煽られやすいタイミングということもあるんですかね。

宗正:そうですね。モノを売る側は「記念日マーケティング」という戦略的を意図的に仕掛けています。古くは、江戸時代から始まった「土用の丑の日」、あれはウナギを売るための記念日マーケティングです。消費者はモノを買うときに「今なぜ、それを買わなければいけないのか」ということを常に考えるわけです。

「今なぜ?」という、この動機付けの部分が重要で、そこを満たしてくれるのが記念日なんですね。だから記念日は、1年に一度くらいが丁度良いわけです。ほど良い間隔でキャンペーンもできますし、イベントもできる、特別感が出るわけですよね。

やしろ:愛と経済の伝道師「宗さま」ですので、あえてお聞きしたいんですけど。経済にちなんだノウハウを使って、バレンタインをきっかけに好きな人と付き合える方法を聞いてもよろしいでしょうか。

宗正:良い方法があるんですよ。それは、日常の経済活動と心理学を組み合わせた行動経済学を活かす方法です。おすすめしたいのが、まずは「IKEA効果」というものです。

やしろ:IKEA? 家具の?

宗正:はい。IKEAで買い物をすると、自分で組み立てなきゃいけないものって多いですよね。自分の手で組み立てた商品には、より一層愛着が湧くものです。この心理を使うんですね。つまり、今から付き合いたい女性に、いろいろな相談を持ちかけて、彼女に解決してもらう。

やしろ:相談に乗るんじゃなくて、こちらから相談していくわけですね。

宗正:そうです。例えばスマホ。「どちらにしようか悩んでいるんだけど、どう思う?」って。あまり重い相談はダメですよ、向こうが引いちゃいますから。それが解決したら、今度は「こっちの服とあっちの服、どっちが良いかな?」みたいな。これを何度か繰り返していると、IKEA効果が彼女側に働いて、“いくつもの悩みが解決した今の彼の状態は、私が創り出したもの”という思いが芽生えるんです。

そして今度は2人の距離が近づいて、いつも彼に身近にいて欲しい、そして手放したくないといった「保有効果」が生まれます。ここまで来ると少しくらい相手に不平不満が生じても、そんなことは問題なく、結構良いムードになっています。その後は「現状維持バイアス」の状態に入ります。人は現状に満足して今の状態をなるべく壊したくないと思う性質があります。例えば、嫌な仕事でも辞めずに日々続けてしまったりするのがこれです。そして彼女の「今の関係を現状のまま続けたい」と思う気持ち、ほらもう完全に付き合ってます。

やしろ:なるほど。2人で作った空間があるわけですし、それを維持したいというか、壊されたくないっていう思い。その空間はもはや他人の空間ではなくなっているということですよね。何だか悪いたくらみのような。

宗正:いえいえ、行動経済学は2002年と2013年、そして2017年にもノーベル賞を受賞した、れっきとした学問です。

◆経済回復に国ごとの差がある

やしろ:コロナによるニューノーマルな生活も1年経過しました。身近なモノの売れ行きで、何か特徴的な変化はありますでしょうか?

宗正:1月の下旬あたりになると、前年1年間の様々な経済的な数字が確定してきます。そのなかでも、巣ごもり需要の影響が如実に表れているのが、白物家電(家庭用電気機器)の国内出荷額。昨年は24年ぶりの高水準でしたね。

やしろ:すごいって聞きますね。

宗正:1991年と1996年に次ぐ過去3番目の水準です。例えば空気清浄機は、過去最高の出荷額で前年比57パーセント増加です。そして加湿器は、感染予防で需要が拡大して前年比25パーセント増加。それから自宅で料理する機会が増えたことで、ホットプレートは前年比41パーセントの増加です。

家電の販売動向というのは、コロナ禍で生活様式が変わった“ニューノーマルの象徴”です。そして、白物家電ではないんですけれども、黒物家電の代表格、薄型テレビ。これも自宅での視聴時間が増えたので、前年比9パーセントの増加です。これはなんとなくイメージできますよね。

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宗正:このコロナ禍で、初めて投資や資産形成を始めた人ってすごく多いんです。

やしろ:多いですよね。周りでもいます。

宗正:緊急事態宣言による自粛期間やテレワークで人生を見つめ直す時間ができたこと、そして一人10万円の給付金。あれも大きなきっかけになっています。

やしろ:ちょっとお話を聞きたいんですけど、この先、株式市場の動きはどうなりますか?

宗正:これまでと違うのは株式市場の動きが新たなステージに入ったということです。昨年の春以降の急上昇は世界の中央銀行がコロナによる景気の悪化を防ぐために大量の資金を投入した。ところが、経済活動が止まった状態で行き場のない資金は株式市場に向かった。今は投与が始まったワクチン効果による世界経済の急回復を株式市場は反映し始めています。日本の株式市場は既に30年振りの水準にまで上昇しましたが、中長期的には企業の利益水準に見合った株価になると思います。

やしろ:例えば世界中でワクチンの投与が始まって、各国の経済が回り始めたときっていうのは、世界の経済と日本の経済のお金の流れというのは変わってくるものですか?

宗正:資金の移動に国境はないので、全体的には連動すると思っていただければいいと思います。ただ、コロナの感染拡大が止まって、そこからの回復スピードは国ごとに多少なりとも差が出ると思います。そのときは各国の株式市場の回復スピードに、それに応じたタイムラグが生じる可能性はあります。

やしろ:それで言うと、日本国内でワクチンが行き渡るのは、今のところ少し遅れそうな感じがしませんか?

宗正:主要先進7ヵ国「G7」の中で最も遅れているのが日本なんです。

やしろ:そうなってくると、経済にもずれがそのまま数字となって出てくる可能性もあるということですか?

宗正:ありますね。回復のスピードが遅いと、経済回復も当然遅くなります。

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やしろ:もっと聞きたいことだらけなんですけど、本日はまた来月という形になってしまいます。

浜崎:宗さまのAuDee(オーディー)でも聴けますしね。「宗正彰の愛と経済と宗さまと」は毎月10日、20日、30日に配信していますので、そちらをぜひチェックしてください。

宗正:実は今月は14日も配信します。題して「バレンタイン特別企画、メッセージ三昧」。これまでリスナーの皆さまから数多くいただいたメッセージやご相談にただひたすら答えます。何の番組か分からなくなってきたかなと思いきや、愛と経済はすべて繋がっていますから。

やしろ:もちろんそこには、大きく愛が関わっているわけですね。

宗正:そうです。あらゆる事象は、経済と繋がり、人と繋がり、そしてそこには愛がある。

やしろ:おあとがよろしいようで。宗さま、ありがとうございました。

宗正:ありがとうございました。

<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月~木曜17:00~19:52(※コーナーは毎月第2水曜18:15ごろ~)
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/sky/