2021年2月13日の23:07、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。

被害にあった皆さまにはお見舞い申し上げます。


大きく長い揺れに、10年前の東日本大震災を思い出した人も多いのではないでしょうか。津波の心配をした方も多かったと思います。今回の地震は福島沖の沈み込むプレート内部で起きた、断層間を押し込むように力がかかりずれる逆断層が引き起こしたものでした(下図参照)。マグニチュード7.3という規模の大きな地震でしたが、今回はたまたま震源が深い場所で起きたことが幸いして、津波は発生しませんでした。

2021年2月13日23:07に発生した地震メカニズムの概要。プレート境界よりも深いところが震源のため津波は発生しませんでした。もしプレート境界で発生すると津波の恐れがあります。

今回の地震、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の余震と考えられています。マグニチュード9.0という大きな地震の影響は、10年たった今でも津波の被害を受けた地域、廃炉作業を進める福島第一原子力発電所、そして被災した人々の心に残っています。ですが、そうした人間社会だけでなく、地殻にも“ひずみ”としてまだ残っているのです。


今回の福島県沖の地震でも、建物倒壊や土砂崩れ、停電、断水などの被害が出ています。福島、宮城では避難所が開設されました。


新型コロナウイルスの感染リスクを考えると、できるだけ家に留まりたいと思うかも知れません。しかし、倒壊の恐れなどがないか、十分に確認して下さい。気象庁は1週間程度は同じくらいの余震に注意するように呼びかけています。

家にとどまることが危険な状況であれば、避難所へ身を寄せることで命を守ることにつながります。

感染症対策をふまえた避難所の運営については、日本医師会や自治体がまとめています。事前にこのようなマニュアルを準備していたこともあり、地震発生後すぐに避難所が開設され受け入れが始まりました。

避難所では、テントなどを設置して家族ごとにスペースを区切り、密を避ける対策が行われていたようです。

今後の地震に備えて

まだしばらくは大きな余震が起こる可能性があると言われています。今回は津波は起きませんでしたが、次の余震でもそうだとは限りません。

とはいえ、地震が怖いからとしばらく家に引きこもっているわけにもいかないですよね。日常生活を取り戻すためにも、普段の買い物や仕事・学校へ行く人も多いと思います。

そんなとき、日頃からできる備えもあります。

外出する時には、携帯電話用のポータブルバッテリー、飲み物、ちょっとしたおやつ、予備のマスクやウェットティッシュをカバンの中に入れておく。簡単なことですが、外出先からなかなか家にたどり着けなくなってしまった場合、携帯電話のバッテリー切れ、空腹をしのげます。

これらは非常時でなくても、あると役立ちます。それほど大荷物にもならないので、普段から持っておくと安心です。

万が一の時に家族と連絡を取り合う方法や落ち合う場所を決めておくのも良いかも知れません。


また今回のように夜の地震で怖いのは、暗闇です。

停電になってしまうと、周りの状況がわかりません。

つい手元にある携帯電話をライト替わりに使ってしまいがちですが、長時間の使用は注意が必要です。貴重な情報収集ツールである携帯電話のバッテリーをライトとして使ってしまうのはもったいない!リビングや寝室に懐中電灯などを用意しておき、設置場所を把握しておきましょう。時々、電池が切れていないか確認をしておくと安心です。

また、揺れにより物が散乱した家の中を歩くのはケガの危険があります室内では裸足派の方も、寝室などにスリッパを置いておくと、いざという時に役立ちます。


いつまたどこで大きな地震や災害が起こるかわかりません。簡単にできることから日頃の備えを見直してみませんか?

災害は怖いですが、自分の身に何が起こるのか、困りそうなことはどんなことなのかを想像してみると、できることや事前に被害を少なくすることができるのではないでしょうか。


日頃からできる備え、もしもの時の行動については下記のサイトが参考になります。

東京以外にお住まいの方も参考になる情報がたくさんあります。


東京防災
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1002147/1008042/index.html


東京くらし防災
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1005427/1005746.html


どちらも英語・中国語・韓国語版もあります。周囲に必要な方がいたら教えてあげるとよいでしょう。

また、東京くらし防災は読み上げアプリの使用もできます。



Author
執筆: 保科 優(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
研究室でコンピュータと向き合うより自然の中に出たくて、大学院ではフィールド調査を行う氷河や南極の雪の研究へ。雪や氷の成分から過去の気候を調べる研究をしていました。自然現象の楽しさを伝えたいと思い未来館へ。科学技術の発展で、私たちの生活はどう変わるのかに興味があります。