ジャガー・ランドローバーが新グローバル戦略 「Reimagine」を発表

ジャガー・ランドローバーは、英国の2つのブランドを通じて、デザインによるモダン・ラグジュアリーの未来を再構築していくことを発表した。

真のサステナビリティ(持続可能性)を掲げ、ジャガー・ランドローバーは世界で最も目の肥えたお客様に、世界で最も魅力的なラグジュアリーカーおよびサービスをいち早く提供するクリエーターになることを目指す。この戦略は、ラグジュアリー・ビジネスの環境、社会、地域コミュニティにインパクトを与える新たなベンチマークを作り出すために設計した。

ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)である、ティエリー・ボロレ氏は次のように述べている。「ジャガー・ランドローバーは世界の自動車業界において極めてユニークな存在です。他に類を見ないモデルのデザイン、顧客の将来のラグジュアリー・ニーズに対する並外れえた理解、感性に訴えかけるブランド価値、英国の精神、そして、タタ・グループの傘下であることで、テクノロジーとサステナビリティの分野において世界をリードする各社との連携ができるという優位性を持ち合わせています。私たちはこれらの要素をいかして、これからのビジネス、ジャガーとランドローバーという2つのブランド、そしてカスタマー・エクスペリエンスを再構築していきます。この『Reimagine』戦略により、かつてないほどに独自性を強化し際立たせることができます。それと同時に、当社を取り巻く世界に対し、よりサステナブルでポジティブなインパクト与えることもできるのです」



「Reimagine」戦略の中核となるのは、ジャガーとランドローバーの両ブランドの電動化で、独自のパーソナリティを明確に持った、別々のアーキテクチャーを採用すること。

ランドローバーは、車とドライバーはアドベンチャー(冒険)によって結びつくと考えており、新境地を切り開いて新たな挑戦に立ち向かい、期待以上を求め、「ABOVE AND BEYOND(さらなる高み)」を目指す人々をサポートする。「RANGE ROVER」、「DISCOVERY」、「DEFENDER」の3つのファミリーを通じて、ラグジュアリーSUVにおいて世界をリードし続けるために、今後5年間で6種類のピュアEV(電気自動車)を導入していく。ランドローバー初となるピュアEVモデルは、2024年に登場する予定。



ジャガーは2020年代半ばまでにブランド再生を実行していく。感性に訴えかけるデザインと、次世代を切り拓くテクノロジーを備え、非常に美しい新たなポートフォリオを提供するピュアEVのラグジュアリー・ブランドとして生まれ変わる。ジャガーは、お客様のジャガーに対する期待に応え、ジャガーでしか味わえない感覚をもたらす美しい自動車体験を作り出すことで、人々の生活や日常を特別なものにする存在となる。なお、「XJ」というネームプレート自体は存続する可能性はあるが、今後発売するべく開発を進めていた「XJ」後継モデルは、ラインアップには含まれず、今後ジャガー・ブランドは独自の方向性を追求していくとのこと。

ジャガー・ランドローバーは、2030年までに、それぞれのブランドでピュアEVを投入し、ジャガーでは100%、ランドローバーでは約60%に、テールパイプのない(排気ガスの出ない)パワートレインを搭載する予定だ。

ジャガー・ランドローバーの目標は、2039年までに、サプライチェーン、製品、オペレーションのすべてにおいて排出ガス量を実質ゼロにすることである。その一環として、水素経済の成熟に伴い、クリーンな燃料電池の準備も進めている。これは長期的な投資プログラムとして行っており、開発はすでに進行中で、今後1年以内にプロトタイプが英国に到着する。

ラグジュアリー業界を取りまく環境、社会に与えるインパクトの新たなベンチマークをもたらすサステナビリティは、「Reimagine」戦略の成功には不可欠な要素である。中心となる新たなチームを結成し、マテリアルをはじめ、エンジニアリング、マニュファクチャリング、サービス、循環型経済への投資における先駆的なイノベーションを構築し、推し進める。 

ジャガー・ランドローバーは年間約25億ポンドの投資をコミットしており、このなかには、電動化テクノロジーやコネクテッド・サービスの開発が含まれている。オーナーシップ・エコシステムをさらに向上させるデータ集約型テクノロジーとあわせて、カスタマー・ジャーニーおよびエクスペリエンスをよりよいものにしていく。

ジャガー・ランドローバーのインキュベーター兼投資機関であるInMotionから生まれた、柔軟なPIVOTALサブスクリプション・モデルなどの実績のあるサービス(会計年度中に750%成長)を、英国での成功に続いて、他の市場でも展開していく予定だ。



「Reimagine」戦略では、適正規模、目的、編成を見直し、ラグジュアリー業界において品質と効率性における新たなベンチマークのスタンダードを確立していく。この取り組みの中核であり、2つのブランドの異なるパーソナリティを明確にしていくのが、新たなアーキテクチャー戦略である。 

ランドローバーではModular Longitudinal Architecture(MLA)を活用していく。将来の製品ラインアップの進化に合わせ、電動化された内燃機関(ICE)やフル電動化のバリエーションに対応する。さらに、ピュアEVに特化したElectric Modular Architecture (EMA)も使用し、先進的な電動化ICEをサポートする。将来的に、ジャガーのモデルはピュアEVアーキテクチャーのみとなる。



「Reimagine」戦略には、簡素化(シンプル化)の実現も含まれる。工場ごとに製造されるプラットフォームとモデルの数を統合することで、ラグジュアリー業界の効率的な規模と品質の新たなベンチマークのスタンダードを確立することができ、こうしたアプローチによって調達の合理化や、地域循環型経済のサプライチェーンへの投資を加速させることができる。

ジャガー・ランドローバーは製造の中核を担っており、自国の英国市場および世界各地の工場や組み立て施設を維持していく。英国ウェストミッドランド州ソリハルはMLAアーキテクチャーの製造元であると同時に、今後、ジャガーのピュアEVのプラットフォームの製造拠点にもなる予定。 

労働組合、販売店およびサプライチェーンの主要パートナーは、拡張されたジャガー・ランドローバーの新たなエコシステムとモダン・ラグジュアリーの未来の再構築に向けた取り組みにおいても、引き続き重要な役割を果たしていく。

「Reimagine」戦略では、ジャガー・ランドローバーの適正な規模を見極め、目的を見直して再構築し、より迅速なオペレーションを実現する。よりフラットな組織にすることによって、従業員はスピード感と明確な目的を持って製品をつくり、市場提供できるようになる。

こうした集中と選択を加速させるために、英国内の非製造部門のインフラストラクチャの大幅な削減と合理化を行う。英国ウォリックシャー州ゲイドンはこの取り組みの象徴ともいえるもので、ビジネスの「Reactor」として、エグゼクティブ・チームとその他の管理部門を1箇所に集約し、摩擦のない協力体制と迅速な意思決定を後押しする。 



モダン・ラグジュアリー・モビリティというビジョンを確実に実現するために、ジャガー・ランドローバーはタタ・グループ各社と緊密に連携して知識共有を深め、サステナビリティを強化し、排出ガス量を削減すると同時に、次世代テクノロジー、データ、ソフトウェア開発のリーダーシップにおけるベストプラクティスを共有していく。ジャガー・ランドローバーは2008年からタタ・モーターズの100%子会社となっており、タタ・サンズはその筆頭株主である。

ティエリー・ボロレ氏は次のように述べている。「私たちのグループ内には、非常に多くのリソースが揃っており、他に類を見ない機会に恵まれています。他社の場合、外部パートナーとの提携に頼らざるを得ませんが、当社はグループ内企業とスムーズに協業できるため、自信とスピード感を持って前進することができます」

タタ・サンズ、タタ・モーターズおよびジャガー・ランドローバーの会長であるN・チャンドラセカラン氏はこう話す。「『Reimagine』戦略によって、タタ・グループのビジョンやサステナビリティにおける優先事項との調和を図りながら、ジャガー・ランドローバーは目標の達成に向けて大きく加速します。同時に、ジャガーはその可能性を示し、ランドローバーは時代を超越した魅力をより一層強化し、両ブランドがお客様や社会、そして地球にとって責任ある企業の象徴となれるよう支援していきます」 

ティエリー・ボロレ氏は最後に、次のように締めくくった。「人を中心に据えた企業として、ジャガー・ランドローバーは単にモダン・ラグジュアリーを再定義するだけでなく、ジャガーとランドローバー、それぞれのブランドを再定義するという明確な目標を掲げ、スピード感を持って前進していきます。ブランドは、感性に訴えかけるユニークなデザイン、言うなれば芸術作品のようなものです。すべてのモデルにコネクテッド・テクノロジーや責任ある素材を備えることで、オーナーシップの新たなスタンダードを確立します。私たちは、デザインによって新たなモダン・ラグジュアリーを再構築していくのです」