イラストコミッションサービスの「Skeb」を運営する株式会社スケブは、出版社の実業之日本社に過半数の株式を譲渡し、実業之日本社の完全子会社になると発表した。実業之日本社は2月12日付で株式の取得を完了しており、同日子会社化している。

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Skebは、「イラストを手軽に有償リクエストできる」というサービス。従来は依頼にあたってメールを用い、指示書や納期、報酬等の相談が必要だったところ、同サービスを利用することで依頼者の入力内容を最小化。描き手も「描く」こと以外の手間を最小限に抑えられ、報酬の未払い防止などトラブルも回避できるとしている。2021年2月現在の総ユーザー登録者数100万人超、月間取引高は約2億円。自動翻訳機能と越境決済機能を備えており、案件の約20%が海外からの利用だという。

買収にあたりスケブでは、「今後もクリエイターファーストの方針に変更はない」と強調。引き続き創業者が運営会社の代表取締役を務め、運営方針の決定や機能の追加、仕様や手数料の変更、およびキャンペーンの開催などを担当。手数料の急増も行わないという。

また、買収に至った背景として「以前より個人運営のサービスで月間2億円の取引を扱うことは好ましくないと考えていました」と説明し、大手企業の傘下に入ることが最も利用者に安心してもらえる方法だとした。今後は「仮に創業者本人が倒れても、サービスが維持できるよう運営体制の整備に尽力していく」としている。

一方、実業之日本社は「デジタル化の進展によって出版の概念そのものが大きく変わりつつあるいま、株式会社スケブが提供するサービスと蓄積してきた知見は、当社のみならず出版そのものの未来を変える力になると確信しております。当社と株式会社スケブは、Skeb事業の拡大と新たなクリエイター支援事業を推進し、新しいコンテンツビジネスのかたちを創造してまいります」と述べている。