首都直下地震が起きたら、全壊・焼失する建物は61万棟…専門家が明かす“一番被害を受ける地域”とは?
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。1月23日(土)の放送では、防災科学技術研究所の平田直先生に「首都直下地震による火災」について伺いました。


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首都直下地震が、冬の夕方、風が強いときに起きた場合、全壊または焼失する建物が61万棟にのぼり、このうち火災で焼失するのは約41万2,000棟。また、死者は約2万3,000人と予測され、その7割にあたる約1万6,000人は火災が原因で亡くなると言われています。

首都直下地震が起きたときに一番被害を受ける地域について、平田先生は「山手線の外側で環七の内側に、リング状に被害が広がっていくところがあります。これは江東区だけではなくて、渋谷区や杉並区などにも広がっているんですね。なぜ、山手線の外側で環七の内側に被害が広がるかと言うと、そこにはいわゆる木造密集地域があるわけです。(木造住宅が密集している複数の地域で)一旦火災が発生すると、あちこちで同時に多発すると考えられているので、そのときには現在の消防能力を超える火災が発生すると考えられています」と解説。

いま、話のなかにあった木造住宅が密集する“木密地域”は、戦後から高度経済成長期にかけて、道路や公園などの都市基盤が十分に整備されないまま発展し、老朽化した家屋が軒を連ねています。

火災を最小限に抑えることが大きなカギとなっている首都直下地震ですが、平田先生は東京都では次のような計画を進めていると言います。

「2016年に改定した『防災都市作り推進計画』というのがありまして、それによると28の地域を整備地区に指定しています。そこの地域には、木造住宅が密集していて耐震化や不燃化する必要があるということを都として認め、その地域のなかにある住宅に対しては、耐震診断や耐震補強の補助金を出す地域として指定しています。整備地区は23区の面積の約1割、人口のおよそ2割の人がここに住んでおり、これがある意味、被害の61万棟の最も大きな要素になっているわけです」

そのほか、東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」にも力を入れています。

“燃え広がらない・燃えないまちづくり”を合言葉に、都内の木密地域のうち、53地区を不燃化特区に指定し、取り組みを進めています。消防や救援活動がおこなえる幅6メートル以上の広い道路や公園、火災に強い建物を増やしていく取り組みもおこなわれています。想定では、火災に強い街づくりや建物を耐震化し、火災対策を徹底すれば死者は10分の1の2,300人に減らせる、という対策効果も示されています。

<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/