Vicorは、同社初の耐放射線DC-DCコンバータ電源モジュールを開発したこと、ならびに同モジュールがSESが進めている衛星コンステレーション計画で使用されるボーイング製のO3b衛星へ搭載されたことを発表した。

同モジュールは、独自のパッケージング技術「SM-ChiP」を用いることで、100Vの入力電源から300Wまでの電力を低電圧ASICに供給することができるというもの。ソフトスイッチング方式を採用し、高周波ZCS/ZVSの電力変換ステージが金属シールドのパッケージ内に収められているため、電源システムのノイズフロアを下げることができ、最新の衛星通信で求められる高電力密度と低ノイズを実現できるとしている。

すでにボーイングの試験により、50krd(キロラド)のトータルドーズおよびシングルイベントに対する耐性を持つことが実証されたとするほか、シングルイベントへの耐性は、2つの同じパワートレインを並列に接続し、フォールトトレラント制御ICとともに高密度SM-ChiPパッケージに収める冗長アーキテクチャで実現したとしている。

  • SESが進めている衛星コンステレーション計画のイメージ図

    SESが進めている衛星コンステレーション計画のイメージ図(画像提供: SES)