Samsung Electronicsは1月28日、2020年12月31日に終了した2020年第4四半期の業績発表を行った。

それによると、同四半期の連結売上高は前年同期比3%増、前四半期比8%減の61兆5500億ウォン、営業利益は前年同期比26.4%増の9兆500億ウォンであったが、前四半期比でみると、メモリ価格の下落および消費財販売の低迷、マーケティング費用の増加、為替の影響などから26.7%減となったという。

また通年の売上高は前年比3%増の236兆8100億ウォン、営業利益は前年比30%増の35兆9900億ウォンとなった。

過去最高の成長を遂げたディスプレイ

同四半期における同社の業績を部門別に見ると、iPhone 12シリーズに有機ELパネルが全面的に採用されたこともあり、ディスプレイ部門がもっとも売り上げを伸ばし、前年同期比24%増、前四半期比36%増の9兆9600億ウォンで、営業利益も前年比約8倍の1兆7500ウォンとなった。ただし、通年の同部門の売り上げは前年比2%減となっており、iPhone特需による伸びであることがわかる。

また同四半期の半導体部門の売上高は前年同期比8%増の18兆1800億ウォン、営業利益は同12%増の3兆8500億ウォンだった。通年の売上高は前年比12%増の72兆8600億ウォン、営業利益は同34%増の18兆8100億ウォンとなった。

  • Samsung

    Samsungの2020年第4四半期および通年の事業分野別売上高および営業利益。CEはコンシューマエレクトロ二クス、IMはITおよびモバイル、DSはデバイスソリューション、DPはディスプレイの略称 (出所:Samsung決算資料、2021年1月28日)

ちなみに2020年の設備投資額は、半導体に32兆9000億ウォン、ディスプレイに3兆9000億ウォンを投じ、全体で38兆5000億ウォンに達したという。半導体はメモリやファウンドリ関連の先端プロセス向け投資が中心となったほか、ディスプレイに関してはQDディスプレイをはじめとする次世代技術への投資が中心となったという。

2021年第1四半期の半導体事業計画

2021年第1四半期について同社ではドル安の継続と新たな生産ラインの立ち上げにより、前四半期からの減益が見込まれるとしている。

また、製品別に見ると、DRAMは1z-nm DRAM、NANDは第6世代V-NANDへの移行を加速して、コストと製品競争力を強化するとともに、マルチステップEUVベースの1a-nm DRAMと第7世代V-NANDなどの新製品の販売を予定しているとする。

さらにシステムLSI事業(ファウンドリビジネスは別)については、スマートフォンメーカーからの需要が回復する見通しで、韓国と中国を中心にフラッグシップおよびハイエンドスマートフォン向けの5Gモバイルプロセッサと超高ピクセルイメージセンサの供給が拡大する予定であり、年間2桁の増収を目指すとしている。

加えてファウンドリビジネスについてもすでに第2世代の5nmプロセスおよび第1世代の4nmモバイルプロセスの設計を完了しているとするほか、2021年第1四半期には、柔軟なライン運用をしつつ、3nmプロセスの開発に注力するとしている。