皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マンション購入希望の35歳の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

◆マンション購入したいが、一向に貯蓄が増えません……
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、マンション購入希望の35歳の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

◇相談者
みっちいさん(仮名)
女性/会社員/35歳
東京都/実家

◇家族構成
両親

◇相談内容
2年前に、家を出たくて貯金をはたき、一人暮らしをしましたが、結局生活が苦しくなり、昨年5月に実家に戻りました。

それでも、また貯蓄をして、今度は都内に、現在飼っている犬といっしょに暮らせるマンションを買いたいと思っています。しかし、なかなか貯められません……。

◇家計収支データ
みっちいさんの家計収支データは図表のとおりです。
みっちいさんの家計収支データ

◇家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
15万円貯蓄、その他使途不明

(2)保険料「1万2000円」の内訳
・本人/養老=保険料1万2000円

(3)お仕事について
60歳定年までは働きたい。毎年、ベースアップはあると思う。

(4)結婚について
予定はなし

(5)マンションについて
希望は3年以内に購入。都内、杉並区かその周辺。ペット同居可の1LDK~2LDKで、物件価格2000万円程度。 

◇FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1:まずは家計管理をし、支出内容の把握を
アドバイス2:5年計画で資金づくりをしよう
アドバイス3:財形貯蓄や自動振替の定期預金が効果的

◆アドバイス1:まずは家計管理をし、支出内容の把握を
いただいたデータによれば、毎月の収入が20万円なのに対して支出額が8万5000円。しかし、貯蓄は毎月ほぼゼロということですから、ご自身で内容を把握できていない支出が11万5000円あることになります。

また、ボーナスも年間で50万円近い額が使途不明とのこと。まず、ここを明確にしておかなければ、残念ながらマンション購入は何年後であっても無理といわざるを得ません。

ご相談者のみっちいさんがまずすべきは、家計管理です。それにより、自分が毎月何にどれだけ支出しているのかを認識できます。そして、貯蓄する必要があるのですから、どの支出項目なら削れるのかを判断する。そこで自ずと貯蓄可能額も決まってきます。

これをせずにやみくもに貯蓄しようとしても、家計に対する生活習慣そのものが変わらなければ、結局、入ってきたお金の多くが支出されてしまうでしょう。したがって、まずは家計管理から始めてください。

◆アドバイス2:5年計画で住宅資金づくりをしよう
家計管理がしっかりできたとして、次にどういう資金プランならば購入できるのかを考えてみます。

購入時期は3年以内を希望されていますが、最短でも5年後と考えておくべきでしょう。

仮に、現在の使途不明金となっている支出から毎月10万円、ボーナスから年間40万円貯蓄できたとします。これで5年後に800万円貯めることができます。

希望する2000万円(税込み)の物件に対して、頭金が500万円、購入にかかる諸費用に100万円。そして残りの200万円は、マンション購入で貯蓄ゼロになっては困りますから、手元に置いておく資金となります。これで計800万円となるわけです。

ちなみに、前述の内容で購入した場合、住宅ローンを借入額1500万円、返済期間20年、金利2.5%(全期間固定)とすれば、毎月の返済は約7万9500円。管理費や固定資産税等も考慮すれば、毎月のランニングコストは11万円程度となり、先に示した年間貯蓄額の範囲内に収まると考えられます。

購入後もこれを20年間継続して負担していなかなくてはなりません。そう考えれば、少しでも自己資金を増やし、借入額を抑えることが大切。つまり、3年以内の購入は返済リスクを高めてしまうのです。

◆アドバイス3:財形貯蓄や自動振替の定期預金が効果的
先に例とした資金計画は、あくまで年間160万円(毎月10万円、ボーナス年間40万円)貯蓄するという前提条件があります。

これは、実際にはかなりのハイペースですが、親御さんと同居されていて、貯められる環境にあることも事実。ご自身の中で住宅購入という目的が第一であれば、使途不明金の多くは貯蓄に回せるでしょう。

とはいっても、ほぼ貯蓄習慣がないところからのスタートです。最初は無理をせず、月3万~5万円から始めて、慣れてきたら徐々に貯蓄ペースを上げていく方が、失敗がないでしょう。

貯蓄商品ですが、給与天引きの財形貯蓄制度が職場にあればそれを利用することで、強制的に貯められます。

財形貯蓄制度には3種類ありますが、住宅財形貯蓄を選択することで、利子非課税のメリットも受けられます。勤務先に財形貯蓄制度がなければ、給与振込み口座からの自動振替による定期預金の積立を利用しましょう。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:清水京武

文=あるじゃん 編集部