ナレッジ共有ツールを導入して失敗した、という例は意外と多く見られます。通常業務を進めるにあたって必須ではないツールは、運用面での工夫が必要です。この記事では、ナレッジ共有ツールの失敗例と失敗する原因を紹介し、ツール導入を成功させるポイントについて解説します。

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ナレッジ共有ツールの失敗例3つ

ナレッジ共有ツールを導入したにもかかわらず、失敗に至りがちなパターンを3例紹介します。どのような失敗に陥りがちなのかを確認しておきましょう。

1、効果的なナレッジが蓄積しない

効果的なナレッジを蓄積している優秀な社員は、多くの場合、仕事が集中して多忙になりがちです。そのため、なかなかナレッジ共有ツールにノウハウを登録する時間が取れません。自分にメリットのない作業だと思うと、進んで登録する気にならない人も多いでしょう。

また、自分の持つナレッジを公開すると、職場に置ける自身の優位性が下がると考えて開示しないという考え方をする社員もいます。

ナレッジを多く持っている社員が、積極的にノウハウを登録できるような仕組みや教育などの工夫は必要です。

2、社員がナレッジ共有ツールを活用しない

ナレッジ共有ツールは、利用しなくても日々の業務は回ります。そのため、「やらなくていいことはできるだけ避ける」という考え方をする社員もいるでしょう。

さらに、ナレッジ共有ツールの操作性が悪いと、ナレッジの登録に時間がかかるため嫌がる社員も出てきます。ツールの導入直後に利用が定着しないと、活用されないまま放置状態に、というケースもしばしば見られる例です。

3、トラブルへの対応力が低下する

ナレッジ共有ツールがうまく活用されるようになると、今度は何でもナレッジに頼ってしまう弊害も出てきます。その結果、社員自身が自分で考えて業務を進める力が弱体化。臨機応変に対応しなければならないようなトラブルが発生した場合、対応力が低下するという失敗例も考えられます。

ナレッジ共有ツール導入に失敗する原因5つ

ナレッジ共有ツールの導入に失敗する原因はいくつかあります。失敗の原因を知れば、対策方法を検討することができますので、どのような原因があるかを押さえておきましょう。

1、運用ルールを決めずに導入した

ナレッジ共有ツールは、導入よりも運用が重要なツールです。ナレッジ共有ツールを使わなくても日々の業務は進められます。そのため責任を持って運用を推進する部署や担当者がいないと、ツールの利用はなかなか浸透していきません。導入だけで活用できていないと、導入費用が無駄になります。

すでにナレッジ共有ツールを導入しているのに活用できていない場合もあるでしょう。その場合は、改めて運用ルールを決め、運用が回る体制を整えて再スタートするなどの対策が必要です。

2、操作性や視認性が悪くて使いづらい

ナレッジ共有ツールは、ナレッジの登録がしやすく、ナレッジが検索しやすいことが重要です。操作性や視認性が悪くて使いづらいと、利用に負担がかかり、社員がツールの利用を敬遠してしまいます。

ナレッジ共有ツール選定の際は、実際に利用する社員に操作性や視認性を検証してもらい、複数製品を比較する工程も組み入れましょう。

3、知識やノウハウを共有するべき社員が使用していない

優秀な社員やベテラン社員は、多くの知識やノウハウを持っています。しかし、知識やノウハウを共有するよりも、自分の成績を上げることに力を入れる方が自分にとってプラスだと考える人は多いでしょう。

優秀な社員にツールの利用を促すには、ノウハウをナレッジ共有ツールに登録することによって「何が得られるのか」を明確にすることが重要です。

例えば、優秀な社員の中には、同僚や後輩から何かとノウハウなどを質問されて本業に集中できないという悩みを持つ人も少なくありません。ナレッジを登録することで、そのナレッジに関する質問への対応時間が大幅に削減できることをアピールしましょう。ナレッジ登録に対しインセンティブを設けるという施策も有効です。

4、ナレッジ共有ツールのメリットが社員に浸透していない

ナレッジ共有ツールのメリットは、利用目的とともに伝え続けないとなかなか浸透しません。ナレッジ共有ツールの中には、参照数や「参考になった」「いいね」を付与できる仕組みを持つものものあります。ナレッジへの反応を見える化するのもメリットを分かりやすくする一例です。

5、考える力の育成が不十分

ナレッジ共有ツールに頼り、考える力の育成が不十分だと、ツール導入の失敗に直結します。単にツールを導入するだけでなく、考える力を育てる研修なども同時に組み込むなどの対策を検討しましょう。

例えば、ナレッジを登録する際、どうしてそのナレッジに至ったのかという背景や考え方も合わせて登録することも有効な手段のひとつです。単なるノウハウに留まらず、その業務に関する理解が深まり、別の方法を検討する糸口になる場合もあるためです。

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ナレッジ共有ツールの導入成功のための4つのポイント

ここまで、ナレッジ共有ツールの失敗例とその原因を見てきました。ここからは、ツールの導入を成功させるためのポイントを紹介します。

1、目的を明確にしたうえで導入する

ナレッジ共有ツールの利用目的や自社の環境・社風により、運用ルールをしっかりと取り決めてからツールを導入するよう検討してください。運用ルールを決めるには、ナレッジ共有ツールの利用目的や利用することによって得られる効果を明確にしなければなりません。

利用目的や導入効果を数値化することで、PDCA(Plan Do Check Action)サイクルを回してツール導入の効果を検証・ブラッシュアップが可能です。効果が出ていることを明確にできれば、ナレッジ共有ツールのメリットを社員にも示すことができ、ツールの利用を促進できます。

2、導入前にルールを決める

ナレッジ共有ツールの導入が決まったら、実際に導入する前に運用ルールを決めましょう。運用ルールを決めるにあたっては、主に以下を意識して組み込みます。

  • 運用体制:運用責任部署(情報システム部門や経営企画部など)、各部の運用責任者
  • 運用スケジュール:1年単位で、研修や定期的な効果測定・運用会議など
  • 活用マニュアル策定:どのようなナレッジを登録するかの指針など
  • 効果測定方法:定期的に効果測定と分析を行う
  • PDCAサイクルを回す手順:運用責任部署が率先して改善案の検討、実施

導入前に上記が決まっていれば、最低限の運用は可能です。他にも運用上ルール決めが必要なことがあれば、運用ルールに追加していきます。

3、部署ごとに担当を設ける

ナレッジ共有の運用責任部署・各部署の運用責任者を決め、ツールの運用体制を整え、運用ルールを定めましょう。運用責任部署から調節運用の指示を受けるより、自部署の運用責任者から指示があった方が、ツールを使おうと考える社員は増えると考えられます。

各部署の運用責任者は、その部署内で一定の権限を持つ役職者の中から選ぶことも重要です。権限のない社員が担当者になると、特にベテラン社員からの理解を得るのが難しくなるケースがあります。

また、運用責任者は、業務の一部としてナレッジ共有ツールの運用を回すよう活動できる仕組み作りも必要でしょう。ナレッジ蓄積が社員にとってどのようなメリットがあるかといった定期的な啓もう活動も、業務時間内に行うことが重要です。

4、定期的に利用促進活動を行う

ナレッジ共有ツールの活用を推進するには、定期的な利用促進活動が必要です。

例えば新人教育では、ナレッジ共有活動の意義とツールの使い方についての教育が必要でしょう。 特に新人はナレッジを「利用する側」になりがちですが、新人の頃からナレッジを登録する習慣づけをするよう、研修内容を工夫します。

各部署の運用責任者には、運用ルールの説明や求められる役割についてのセミナーを定期的に開催します。ベテラン社員には、ナレッジを登録することによって得られる効果やベテラン社員自身が得られるメリットについて、定期的に伝え続けましょう。

ナレッジ共有ツールを適切に運用しよう

ナレッジ共有ツールの導入に失敗しないためには、導入前に利用目的や達成目標を明確化し、運用ルールを定めることが重要です。単にツールを導入するだけではなかなか利用を促進できません。

また、ツールの操作性や視認性など、使いやすさも重要なポイントです。試用版が使えるようなら積極的に活用して、使いやすいツールを選定しましょう。ツール選定の際は、以下より資料を入手して情報収集にお役立てください。

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