ヤフーはこのほど、「Yahoo! 乗換案内」アプリの利用数が緊急事態宣言の前後でほぼ変わらなかったとする調査分析を発表した。

  • 2021年1月の緊急事態宣言発令後のルート検索数を昨年12月と比較。平日は前月比80~90%となり、ほぼ減少しなかった

今月7日、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県を対象に緊急事態宣言が発令され、政府は通勤の7割削減を要請。しかし、宣言期間初日の1月8日8時時点の「Yahoo! リアルタイム検索」では、「満員電車」がトレンドランキング1位になり、宣言前と変わらない駅構内や車内の混雑ぶりがユーザーから投稿されたという。

これを踏まえ、ヤフーは今回の緊急事態宣言発令前後や昨年4月の緊急事態宣言時の「Yahoo! 乗換案内」アプリのルート検索数などを比較。その結果、昨年の発令直後は平日の検索数が約60%まで下がったが、今回の発令直後の平日は約90%までしか下がらなかったことが判明。休日も、昨年の宣言直後は約30%まで下がったが、今回は政府が1月9~11日を「我慢の3連休」と呼びかけたにもかかわらず、約70%までしか下がらなかったという。

  • 2020年4月の緊急事態宣言後のルート検索数を同3月と比較。前月比3割にまで落ち込んだ

  • 平日の時間ごとのユーザー数を2020年12月と2021年1月で比較。朝ラッシュ時は1月のほうが多くなった

  • 今回の緊急事態宣言後の全国の駅での利用数を昨年12月と比較。舞浜駅や東京の主要駅は減少した

今回の宣言発令直後と昨年12月のアプリ利用状況を1日の時間帯ごとに比較すると、朝ラッシュ時(6~9時)は宣言前より宣言後の今月のほうが多く利用されていたこともわかった。一方、昨年12月はとくに土休日の20時以降も利用が多かったが、宣言後の今月は飲食店の時短営業や20時以降の不要不急の外出自粛の要請を受け、夜間の利用が大幅に減っているという。

宣言後の全国の主要駅での利用状況の比較では、舞浜駅の利用率が前月比約40%に減少。東京近郊の主要駅も減少したが、大阪近郊の主要駅はあまり減少しなかった。札幌駅は前月比約120%に伸びたが、これは昨年末のすすきの地区での飲食店への時短要請解除や接待を伴う飲食店への休業要請が時短要請に緩和されたことが影響したとみられる。