取引先や顧客との窓口に欠かせない電話。メールやチャットなど、テキストでやり取りする手段が増えたとはいえ、まだまだ電話は事業を継続していくうえでは欠かせない存在です。

一般家庭向けの電話とは異なり、多くの企業にはPBXという専用機器が設置されていることをご存じでしょうか。今回はPBXの基本的な種類や機能、選ぶ際のポイントなども詳しく解説します。

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PBXとは

PBXとは「Private Branch eXchanger」の略称であり、日本語では「構内交換機」という意味を指します。

一般的な家庭用電話機の場合はモジュラージャックからそのまま電話機に繋がり、指定の電話番号に着信すると電話が鳴動する仕組みとなっています。しかし、大規模なオフィスやコールセンターには複数の電話機が存在し、複雑な制御が求められます。これを実現するのがPBXの役割です。

PBXの基本機能

PBXはさまざまなニーズに対応できることが分かりましたが、具体的な機能についてもう少し詳しく解説しましょう。

1、発信・着信制御

発信先に応じてプロバイダーを選択する発信制御機能です。発信制御には主に「LCR」と「ACR」の2種類があり、それぞれ以下のような違いがあります。

LCR 発信先の番号に応じて安いプロバイダーを自動的に選択する
ACR あらかじめ指定したプロバイダーから発信する

また、上記の発信制御に加えて、親番号に紐付いた子番号に着信を割り振る着信制御の機能も利用できます。

2、内線に付随する機能

内線に付随する機能は主に以下の3つがあります。

内線 複数台の電話機同士が内線電話として通話できる機能
代表番号着信機能 代表番号に着信があった場合に指定の電話機に接続する機能
パーク保留 外線を取った電話機で保留にした後、別の電話機で応答できる機能

3、転送に付随する機能

転送に付随する機能は、主に以下の5つの機能が利用できます。

不在転送 不在時に電話機にあらかじめ設定しておくことで、別の番号に転送する機能
応答遅延転送 あらかじめ設定しておいたコール回数で応答がなかった場合に、別の番号に転送する機能
着信選択転送 指定の相手先など、個別の条件に合致したときのみ別の番号に転送する機能
圏外転送 スマートフォンを内線として利用する場合、携帯電話の電波が圏外または電源が入っていない場合に別の番号に転送する機能
話中転送 話し中に着信があった場合に他の番号に転送する機能

PBXとビジネスフォンの違い

オフィスやコールセンターで使用されるビジネスフォンには、内線や転送、代表番号など、さまざまな電話機能が搭載されています。これらの機能は、PBXがなくてもビジネスフォン単体で利用することも可能です。

ただし、ビジネスフォン単体で内線ネットワークが構築できるのは数十台から数百台程度が限度であり、大規模なコールセンターや拠点間をつなぐ数千台規模のネットワークを構築しようとすると、PBXは不可欠な存在です。

また、ビジネスフォンの場合は一般的なアナログ回線に対応することはできますが、IP電話網には対応していません。通信費を削減するためにIP電話を導入する企業も多いですが、そのような場合においてもPBXは欠かせません。

さらに、昨今ではオフィス内に設置する従来型のビジネスフォンだけではなく、テレワークに対応するためにスマートフォンを内線化するケースが増えています。「080」や「090」の携帯電話番号ではなく、企業の固定電話にかかってきた電話をスマートフォンで受け、オフィス内と同等の環境を構築したい場合には、ビジネスフォンだけではなくPBXを導入する必要があります。

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PBXの種類

一口にPBXといってもさまざまな種類があり、求める用途に対応した製品を選ばなければなりません。今回は、数あるPBXのなかでも代表的な3つのタイプに分けて紹介します。

1、レガシーPBX

レガシーPBXは、もっとも歴史が長いPBXのタイプです。オフィス内などにPBX本体を設置し、電話回線を集約して利用します。アナログ回線やISDN回線の電話機を接続し制御するタイプで、いまだにレガシーPBXを利用している企業や組織は多く存在します。

ビジネスフォンが十台以下の小規模な企業から、数千台単位の大企業までPBXの規模は異なり、ネットワークを構築するのも専門的な知識が要求されます。

導入時にはPBX本体を購入またはリースし、ネットワークの構築工事なども必要ですが、一度導入すれば保守費用など最低限のコストで維持できるため、長期的に考えると効率的な方法といえるでしょう。

2、IP-PBX

IP-PBXとはその名の通り、アナログ回線やISDN回線ではなく、IP電話を制御するためのPBXです。

そもそもIP電話は従来型のアナログ回線やISDN回線とは異なり、音声の信号を変換しインターネット回線を利用して通信を行います。そのため、根本的に電話の仕組みが異なり、レガシーPBXのままではIP電話に移行できません。

3、クラウドPBX

クラウドPBXとは、レガシーPBXやIP-PBXのようにPBX本体をオフィス内に設置するのではなく、クラウド型のサービスとしてPBXの機能を提供するものです。

最大のメリットは自社にPBX本体を設置する必要がなく、導入時のコストを大幅に抑えられる点です。一方で、システムを利用するために毎月一定額の料金を支払う必要があるため、長期的に見るとレガシーPBXやIP-PBXよりも割高になることもあります。

通話先がインターネット環境ではなく、従来型のアナログ回線であったとしても、信号を変換し公衆回線を利用して通信するため、電話の機能そのものに不便を感じることは少ないでしょう。

PBXの選び方のポイント

PBXの導入を検討する場合、どのような点に注意して選べば良いのでしょうか。4つのポイントに絞って紹介します。

1、コストの比較

1つ目は、導入時およびトータルでのコストを比較することです。

レガシーPBXやIP-PBXなど、物理的に本体を設置するオンプレミス型のタイプは初期費用が高額になりがちなため、初期費用を抑えたい場合にはクラウドPBXが最適といえるでしょう。

一方で、クラウドPBXは毎月一定額の料金を支払う必要があるため、長期的に考えるとコスト高になってしまうという考え方もできます。

2、設置および構築作業

2つ目のポイントは、導入時のPBX設置作業およびネットワークの構築作業です。

レガシーPBXやIP-PBXは本体を設置するスペースを確保する必要があるほか、電話機との接続や回線の構築作業が必要です。導入コストが高額であることはもちろんですが、利用開始までに時間がかかることもデメリットといえるでしょう。

できるだけ早くオフィスの電話を利用したい場合や、オフィスの引っ越しやレイアウト変更にも柔軟に対応できることを考慮した場合には、クラウドPBXが最適といえるでしょう。

3、スマートフォンとの連携

テレワークの導入にともない、スマートフォンを内線化する企業が増えています。このような場合、レガシーPBXやIP-PBXでは対応が難しく、クラウドPBXの導入が不可欠です。スマートフォンとの連携が可能になれば、外出先や出張先でもスムーズなコミュニケーションができ、業務効率化に貢献します。

4、BCP対策

災害やテロ、感染症の流行など、さまざまな理由によって経済活動が制限されるケースが増えています。このようなリスクを最小限に抑えるためにも、オフィスへの出社が制限されたときでも最低限の業務が遂行できる体制を構築しておく必要があります。そのような意味では、オフィス内での利用のみを想定したレガシーPBXやIP-PBXではなく、クラウドPBXが最適な選択肢といえるのではないでしょうか。

ちなみに、オンプレミス型のPBXはオフィス内が停電した場合に通信できなくなるリスクがありますが、クラウドPBXではそのような心配がないため安心です。

用途に応じて自社に最適なPBXを選択しよう

PBXにはさまざまな種類があり、機能も多様です。導入時およびトータルでのコストも比較しながら、自社に最適なPBXを選択してみてはいかがでしょうか。まずは複数社の資料を請求のうえ、製品やサービスを比較してみることから始めてみましょう。

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