2008年度に導入されて10年以上経つふるさと納税。年々利用者が増えているとはいえ、まだ利用したことがない人も多いようです。ふるさと納税には返礼品がもらえるほか、所得税と住民税が軽減されるメリットもありますからぜひ利用してみたいですね。ただし、節税効果を得るためには税制のスケジュールに間に合わせることも大切です。そこで本記事では、2021年のふるさと納税について、いつまでに何をすればいいのか解説していきます。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税の仕組みが良くわかっていないという人のために、まずはふるさと納税の概要を簡単に説明します。

ふるさと納税は、日本全国の地方自治体の中から自分が選んだ自治体に「寄附」をする制度です。多くの自治体では寄附してもらったお礼としてご当地グルメや地域の特産品などの返礼品を送ってくれることで人気があります。

また、納税者であれば寄附をすることで「寄附金控除」が適用されて、所得税と住民税を軽減できます。寄附金控除の適用を受けるためには原則として確定申告が必要ですが、「ワンストップ特例申請」をすれば確定申告の必要はありません。

確定申告をした場合には、所得税の還付分は口座に振り込まれ、住民税は翌年の住民税が安くなるという形で還元されます。ワンストップ特例申請の場合には、控除額の全額が翌年度の住民税から控除される形で還元されます。

ふるさと納税の流れ

ふるさと納税は、次の4ステップで行います。

  1. 寄附したい自治体を選ぶ
  2. 寄附を申し込む・寄附金を支払う
  3. 受領証明書や返礼品が届く
  4. ワンストップ特例申請または確定申告などの税金手続きをする

このうち、税金に関しては手続きをした時期によって2021年分の「寄附(ふるさと納税)」として寄附金控除の適用を受けられるかどうかが変わります。2021年分として適用を受けたい人は、いつまでに、何の手続きをするべきか、以後から説明するスケジュールをきちんと確認しておきましょう。

【2021年ふるさと納税】ステップ1: 12月31日までに寄附を完了させる

ふるさと納税は基本的に各年の年末まで(12月31日23時59分まで)受け付けています。これは所得税が暦年単位で計算される仕組みとなっているためで、2021年中に寄附をしたものは2021年分の寄附金控除として取り扱われます。

ここで大切なのは、2021年中に寄附を受け付けてもらうこと。ふるさと納税の方法には、各種ポータルサイト(クレジットカード決済等)を利用する方法のほか、郵便振替、銀行振込、現金書留など、自治体によってはいくつかの方法を選べるようにしているところもあります。どの方法を選ぶかによって、決済の締切日が異なります。

たとえば、愛媛県八幡浜市を例にすると、提携しているインターネットサイト(ポータルサイト)から申し込む場合は12月31日23時59分までに決済すればいいですが、銀行振込・郵便振替決済の場合は12月28日(火)までに振込手続きを完了、現金書留なら12月24日(金)までに自治体が指定する住所へ到着していなければなりません。

実際には自治体ごとに決済期限が異なりますので、寄附をしたい自治体のサイトで確認をしておきましょう。どの方法を利用するにしても、ギリギリの期限ではなく、余裕を持って行うことが大切です。

【2021年ふるさと納税】ステップ2: 2022年1月10日まで(必着)にワンストップ特例申請をする

ワンストップ特例とは、会社員など本来確定申告をする必要のない人が、同年内にふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内であることを条件に、ふるさと納税のためだけに確定申告をしなくても寄附金控除の手続きを済ませられる特例制度です。自営業などで元々確定申告が必要な人や、会社員でも副業所得の申告や、他の控除を受けるために確定申告が必要な人は、ワンストップ特例申請はできません。

特例の適用を受けるためには、ふるさと納税をした翌年の1月10日までに申請手続きが必要です。ワンストップ特例申請書はふるさと納税の寄付金受領書と一緒に自治体から送られますが、ふるさと納税の申込時にワンストップ特例申請を希望しておかないと送ってもらえません。希望し忘れた人は各自治体のサイトからもダウンロードして利用しましょう。

なお、1月10日までというのは「自治体に必着」の期限です。発送から到着までに数日かかる場合も考え、余裕を持って郵送しましょう。

【2021年ふるさと納税】ステップ3: 2022年3月15日までに確定申告をする

ワンストップ特例の要件に当てはまらない人やワンストップ特例申請期限に間に合わなかった人は、3月15日までに確定申告をしましょう。

確定申告の際には、確定申告書のほか自治体から送られた「寄付金受領書」、マイナンバー、還付金の受取り口座番号、源泉徴収票(会社員の場合)が必要です。

確定申告は手書きで作成または「国税庁ホームページ」で作成した確定申告書を印刷して税務署に提出する方法もありますが、e-Tax により確定申告書データを電子送信することもできます。マイナンバーカードとマイナンバーカード読取り機能付のスマートフォンを持っている人はスマートフォンによる確定申告もできますので自分の都合のいい方法で確定申告をしましょう。

確定申告書時期には税務署も混雑しますので、早めに申告手続きを行うのがおすすめです。