フィリップス・ジャパン(以下フィリップス)は1月20日、都内で2021年の事業戦略と新製品の発表会を実施した。

骨伝導スピーカー搭載により快適性が増した「SmartSleepディープスリープヘッドバンド2」、髪に最適な温度と風量を自動調整する「ヘアドライヤー プレステージ」など、意欲的な製品を次々と発表した。昨年末に発売して話題を呼んだ電動ファン搭載「ブリーズマスク」は新色のサクラピンクを追加する。これら製品群は2月2日より順次、フィリップス公式オンラインストア楽天市場店など各ECサイトで販売が開始される予定だ。

  • フィリップスは20日、都内で新製品発表会を実施した

「ブリーズマスク」見た目も上品なサクラピンク登場

「ブリーズマスク」は昨年(2020年)11月19日の販売スタート後、わずか3日で初回在庫が完売したという話題の製品。日本電産製の電動ファンがマスク内部の空気を排出する機構のため息苦しさを感じず、いつでも新鮮な空気を深呼吸できるのが特徴だ。希望小売価格は10,780円(以下すべて税込)。

  • 顔に自然にフィットする3Dデザインを採用したブリーズマスク。カラーはブラック、グレー、新色のサクラピンク(写真の製品)の3色展開となった

本体質量は約60g(電動ファン、フィルター含む)と軽量なつくり。電動ファンの駆動時間は約2~3.5時間で、micro USBで充電して使用する。充電時間は約3時間。マスクの機能性としては、N95レベルのフィルターによりPM2.5の95%、細菌の99%、花粉の95%、ウィルスの98.87%をカットできる。フィルターは交換可能で、交換用マスクフィルター(5枚入り)が1,595円で販売されている。サクラピンクの発売は2月10日から。1月20日には先行予約が開始された。

  • 電動ファンが毎分41リットルの空気を排出する。ファンの風量は3段階から選べる仕様

  • 交換用マスクフィルターが用意されている

いびき解消に役立つ新製品

「SmartSleepディープスリープヘッドバンド2」は、睡眠の質を向上させるスリープテックの新製品。ヒーリング音で健やかな就寝をサポートする「スリープサウンド」、深い眠りについたときにオーディオトーンを再生して睡眠の質を高める「睡眠ブースト」、眠りが浅くなった状態でヒーリング音をかけることですっきりとした目覚めを促す「スマートアラーム」などの機能を搭載している。発売日は2月2日、オープン価格で実勢価格は51,700円。

  • SmartSleepディープスリープヘッドバンド2

本製品はSmartSleepディープスリープヘッドバンド(2019年11月発売)の後継機にあたる。前モデルでは耳元のスピーカーで音楽を鳴らしていたが、本製品では骨伝導技術を活用。このためよりシンプルなデザインで使いやすくなった。また脳波センサーの改良により消耗品のセンサーが不要になるなど、随所で進化が見られる。

  • 前モデルより使いやすさが向上。なお、使用中の前モデルを1万円で下取るキャンペーンも実施される

このほか、いびきを解消する「SmartSleepスノアサイレンサー」も発表された。就寝時にバンドを胴体に巻いて使用する。そもそもいびきは、仰向けに寝たときに舌が下がって気道に落ち込むことで発生するとのこと。そこで本製品では、ユーザーが仰向けに寝ていると判断したときに振動し、横向きに寝返りを打たせることでいびきを抑制する。これまで睡眠時無呼吸症候群を防ぐソリューションの開発で培ってきたフィリップスのノウハウが詰まった製品になっている。発売日は2月2日、オープン価格で実勢価格は26,620円。

  • SmartSleepスノアサイレンサーは、就寝時の姿勢を計測するセンサーを搭載する

うるツヤ髪が手に入るドライヤー

「ヘアドライヤー プレステージ」は、SenseIQテクノロジーを搭載した新製品。デジタル赤外線センサーによって1秒間に約30回という高頻度で髪の温度を感知し、温度と風量を自動で調整することで、ドライヤーの過度な熱による髪へのダメージを防ぎ、ツヤのある健康的な髪を保つことができる。発売日は3月5日、オープン価格で実勢価格は39,380円。

  • ヘアドライヤー プレステージ。毛量、太さ、ケアの状態などに合わせて、最適な条件でブローできる

モードは、速乾(ファースト)、ジェントル、マニュアル、スタイル、スカルプ、カールを用意。またドライ用、スタイリング用、スカルプケア用、カール用のアタッチメントが用意されており、用途に合わせて使い分けできる。

  • 写真はスカルプケア用。低温の緩やかな風とともにアタッチメントが優しく振動して頭皮を刺激する

ほかにも意欲的な製品群

このほかの製品も簡単に紹介する。

ウェット&ドライ電気シェーバーの「シェーバー7000」「シェーバー5000」は、ヒゲの濃さや顔の輪郭を感知して個人に最適なシェービング体験を提供するSkinIQテクノロジー搭載製品。密度感知システムにより、ヒゲの濃さに合わせてパワーを自動調整するのが特徴だ。発売日は2月26日、それぞれオープン価格で実勢価格は「S7782/57」が27,720円、「S7786/50」が23,320円、「S5586/50」が17,820円、「S5588/30」が14,410円。

  • SkinIQテクノロジー搭載の「シェーバー7000」。クイッククリーンポッド(洗浄器)も用意されている

音波式電動歯ブラシ「ソニッケアー プロテクトクリーン<プラス>紫外線除菌器付」は、紫外線除菌器でブラシヘッドをクリーンに保てるのが特徴。現行モデルと紫外線除菌器のセットで販売される。発売日は2月26日、オープン価格で実勢価格は16,500円。なお紫外線除菌器は単体でも販売する。

  • 「ソニッケアー プロテクトクリーン<プラス>紫外線除菌器付」

家庭向けAED「ハートスタートHS1 Home」も発表された。持ち運びやすいコンパクトな製品ながら、自動セルフテスト、自動音声ガイダンスなどの機能を搭載。緊急時に誰でも簡単に操作できるよう配慮されている。心臓への負担を考え、低エネルギー(150J)で除細動に必要な電流を流す技術を搭載しており、小児にも対応する。トレーニング用のパッド(オプション)に付け替えれば、AEDを訓練機(トレーナー)としても使用可能だ。発売時期は今夏になる予定。

  • 「ハートスタートHS1 Home」

サッカー協会とも連携強化

製品発表に先立ち、2021年の事業戦略が発表された。創業から130周年を迎えるフィリップスでは今年、「ESG(環境、社会、企業統治)の観点で経営を評価・判断し、SDGsでより一層確実にする」としている。これを踏まえ、フィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏は「ESG、SDGsを個別でもしっかりやっていくが、価値創造のため、より大きなシナジーを出すため、組み合わせをフレキシブルに考えていく。例えば、世界規模の気候変動に対応しながらお客様のニーズにマッチすることを考える。そうした活動に力を入れていく」と説明した。

  • フィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏

例えばヘルスケア事業を通じて、地域社会と結びつきを強めていく。この日、特別ゲストとしてオンラインで参加した岐阜県美濃加茂市の伊藤誠一市長は「フィリップスさんと健康医療の分野で連携します。最先端の技術を活用して、病気の予防や治療に取り組んでいく。将来的には、これを豊かな町づくりにも活かしていけたら」と説明した。

  • 地域社会との連携。SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標11「住み続けられるまちづくりを」にあたる

また、スポーツヘルス事業においては公益財団法人日本サッカー協会(以下JFA)との間で「ヘルステックパートナーシップ協定」が締結されている。フィリップスではアカデミー選手の口腔ケア、パフォーマンス向上に向けた睡眠施策、地域住民への健康促進施策、安心安全なスタジアムの実現、トップ選手のパフォーマンス向上、怪我の予防、といった観点でサッカー協会との関わりを深めていく考えだ。この日、ゲスト登壇したJFAの田嶋幸三会長は「サッカーを通じて、豊かなスポーツ文化を日本に広めていくのがJFAの使命です。皆さんが健康で健やかにスポーツできる環境を作っていきます」と話し、フィリップスとの関係強化に期待を寄せていた。

  • JFAとの間で「ヘルステックパートナーシップ協定」が締結。JFAの田嶋幸三会長(右)は笑顔を見せた