半導体製造用材料の市場動向調査およびコンサルティング会社である米TECHCETは、2020年の半導体ウェハ処理(前工程)およびアセンブリ・パッケージング(後工程)向け材料市場規模が前年比約4%増の500億ドルとなること、ならびに2021年も同7%増の540億ドルと成長が続くとの予測を発表した。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、社会のデジタル化を中心にロジックならびにメモリに強い需要を生み出した。また、自動車用半導体の需要も回復傾向にあり、2021年の半導体産業の成長をけん引する推進力となり、併せて各種材料も消費されていくことから、同社では半導体材料市場の2020年~2024年までの年平均成長率を5.3%と予測している。

世界市場での半導体製造用及びパッケージング用材料販売額の推移と予測

なお、TECHCETの社長兼CEOであるLita Shon-Roy氏は、「生産を現地で行うローカリズムが世界的傾向となっている。中国、EU、韓国、台湾、および米国のいずれもが、禁輸措置と関税がサプライチェーンを混乱させることを理解し、半導体材料の現地における生産能力向上に投資をしている」と、半導体製造拠点を多く抱える各国地域が現地での生産能力の強化に動いていることを指摘。「政治的な混乱がなくても、コバルトやランタンなど、高度なロジックやメモリを製造するための重要な材料は、需要の増加のために不足気味であり、2021年にはシリコンウェハの供給も厳しくなると予想している」と全体的に材料の供給が今後シビアになっていくとの見方を示している。