ダンスで開く、子育ての明るい扉。「ピラティスの呼吸で、出産を自分のペースに。」

ーー初めての出産はいかがでしたか?

篠崎
やっぱり、大変でした…。一般的に、ピラティスの知識があるとお産時の呼吸が上手にできると言われているんですね。わたしもピラティスの知識は一通り持っていたし、マンツーマンで事前にピラティスのレッスンを受けたり、先輩たちから経験談を聞いたりもしていたので、イメトレでは準備万端のはずだったんですよ(笑)。でも、やっぱり現実は思うようにはいかなかった。ふだん生徒さんたちに教えているようには、なかなか実践できないんだなと改めて実感しました。

ーーどういうところが予想外だったのでしょうか?

篠崎
ピラティスの基本に、「呼吸とともに、骨盤底筋を締めたり(骨盤の下の部分を構成する筋肉を、意識して上側に寄せること)、緩(ゆる)めたりする」という動きがあるんですが、出産時はこの動きがとても重要になってくるんですね。わたしも平常時であればもちろんこの動きを把握しているんですが、実際に陣痛が起きると激しい痛みで呼吸のリズムが乱れるし、身体全体にぎゅっと力が入るし、さらに、自分の意志に反してものすごく「いきみ」たくなってしまうんです。この「いきみたい!」っていう感覚がほんとうにすごくて、驚いてしまって(笑)。赤ちゃんのためには骨盤底筋を締めなきゃいけないときなのに、いきみたくなって勝手に骨盤底筋が緩んで、赤ちゃんを押し出したくなっちゃう、コントロールが効かない、どうしよう!って。