SCSK 代表取締役 社長執行役員 最高執行責任者 谷原徹氏は、同社の役職員向けに2021年の年頭所感を発表した。「共創ITカンパニー」の実現に向けて、飛躍のきっかけの年にしたいとしている。

皆さん、あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルスによる感染症の恐怖に、世界中が悩まされる一年でした。社会・経済への影響も大きく、IT サービス業界も同様に、対面による営業活動、リアルなイベント・セミナーの開催などが大幅に制限された、非常に厳しい一年でありました。

当社は昨年から、新たな中期経営計画をスタートしました。コロナ禍による活動の制約はあったものの、3つの基本戦略「事業革新」「DX 事業化」「人財投資」について、着実に動き始めたと感じています。また、4 月以降、柔軟で多様な働き方の新たな形として、在宅勤務・リモートワークを、従来以上に推進してきました。当社は、「どこでも Work」として、在宅勤務・リモートワークを他社に先駆けていち早く取り組んできた成果もあり、多くの社員が円滑に在宅勤務へ移行することができました。

今年も新型コロナウイルスによる影響は続き、IT サービス業界においても、企業の IT 投資時期の先送りや、投資規模の縮小など、短期的にはマイナスの影響が生じることが想像できます。しかし、中長期的にみれば、この社会・経済環境の変化は、企業のビジネスモデルの変革、ビジネスプロセスのデジタル化・高度化・効率化を促すものと考えられます。このような環境の変化に対し、当社としても、コロナ禍であるからこそ、今まで以上に「お客様と向き合い、お客様の声なき声を聴く」ということを徹底して実践していく必要があります。当社の強みの一つは、お客様先に常駐する分室(開発・運用拠点)を多く有することです。この強みを活かして、お客様の事業戦略やニーズを深く理解し、提案型でお客様の事業を支えるべく、これらの分室(開発・運用拠点)をお客様との共創拠点へと変革させていきましょう。そして、お客様の事業成長への貢献、社会への新たな価値創出を実現するため、お客様との共創ビジネスや、異業種のお客様をつなぐ共創ビジネスの創出に、全社を挙げて挑んでいきましょう。

今年も、社員の皆さんの健康を第一に考え、新型コロナウイルス感染防止を徹底していきます。しかし、在宅勤務・リモートワークでできること、できないことも浮き彫りになってきました。お客様の現場での課題を深く理解する、お客様との共創の種を見出す、または上長や仲間との深い理解、刺激し合いながら新しいアイデアを磨くことなどは、在宅勤務・リモートワークには不向きと言わざるを得ません。出社と在宅勤務・リモートワーク、それぞれの働き方の、メリハリのある使い分けが必要です。お客様との関係、上司や同僚とのコミュニケーションを、これまで以上に密にとり、限られた「Face to Face」でのコミュニケーションを大切にしてください。

今年は、中期経営計画の二年目となります。昨年まいた“種”から出てくる“芽”を、しっかりと着実に成長させるべく、一人ひとりが事業革新や DX 事業化に向けた、自らの役割を改めて認識し、失敗を恐れずに変化に挑んでください。

我々が掲げたグランドデザイン「共創ITカンパニー」の実現に向けて、飛躍のきっかけの年となるよう、皆で頑張りましょう。