OKIグループの特例子会社であるOKIワークウェル(OWW)は12月21日、同1日から同4日の4日間、山形県立ゆきわり養護学校で高等部3年生1人を対象に「テレワーク」を体験する遠隔職場実習を実施したと発表した。対象の生徒は移動に制限があり、コロナ禍もあって実習を受け入れてくれるバリアフリーの企業が近隣にないことから、特別支援学校での遠隔職場実習において実績をもつOWWが、医療ソーシャルワーカーと学校からの要望を受けて実施し、生徒は自宅からネットワーク経由で講師のOWW社員とコミュニケーションをとり、テレワークで働く体験を行った。

  • 遠隔職場実習の様子

    遠隔職場実習の様子

OWWは、国連が定めたSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の実現に向け、2004年から継続的に全国各地の特別支援学校(肢体不自由)に遠隔職場実習の場を提供しており、これまで200人以上にOWWが実際に在宅雇用で活用しているバーチャルオフィスシステムを用いた実習を行ってきた。コロナ禍にあっても学校や病院、自宅にいながら受講することが可能なため、今年も多くの学校から実施の要望を受けている。

実習の講師を務めたのは、自身も重度障害があり、通勤が困難で在宅勤務をしているOWW社員。自らの体験・経験を活かし、在宅勤務をする上で最も重要なコミュニケーションの取り方や、ビジネス文書作成などのITスキルについて、北海道の自宅からネットワーク経由で、実習を交えながら指導した。

遠隔職場実習を体験した生徒からは「実習では、やりとりの大切さを学び、そこから信頼が生まれるということも実感することができました。仕事をすることは責任を感じますが、こうした信頼の中で仕事をすることは、充実感を得ることができるのだということがわかりました」との声が寄せられた。

OWWでは、全国21都道府県に56人の通勤困難な重度障害者が在宅勤務しており、障害者の在宅雇用の経験を学校教育に活かす取り組みとして、このほかに特別支援学校(肢体不自由)の児童生徒・保護者を対象とした出前授業も実施し。今後も、子どもたちの勤労観・職業観を育成するキャリア教育への支援活動を続けていく考えだ。