シードは12月3日、総工費20億円を投じ、鴻巣研究所敷地内に新設した製品倉庫棟、および3号棟工場内に増設した資材倉庫棟の内部をメディアに向けて公開した。

鴻巣研究所は、1日使い捨てコンタクトレンズ工場として2007年に1号棟を竣工。大量生産に向け、2014年に2号棟、2016年に2017年に3号棟を竣工。これらの施設に今回新たに設けられた製品倉庫棟、資材倉庫を含めると建築面積面積約5万2000m2と、東京ドームの建築面積46,755 m2を上回る。1日使い捨てコンタクトレンズの生産能力は3つの工場を合わせて、月産で約4750万0000枚としている。

145万箱を格納可能な「製品自動倉庫」

製品倉庫棟のキーワードは「オートメーション」である。3つの工場内に設置されているクリーンルームで製造されたコンタクトレンズは50箱を1ケースにまとめ、製品倉庫棟に送られる。送られたケースは商品情報を登録したうえで、最大約2万9000ケース(145万箱)を保管することができる「製品自動倉庫」に格納される。

  • 製品自動倉庫

    製品倉庫棟で稼働する「製品自動倉庫棟」は約10mメートルの高さがある

倉庫の棚にはそれぞれ番号がふられており、棚の間にケースを取り出すための装置を配置。担当者がPCから取り出し装置に指示を送ることで、取り出したい製品が自動的にピックアップされる。

自動化により、積載業務への必要人数が半減

倉庫の新設にあたり、これまで人手で行っていた出荷品をパレットに積載する作業も自動化した。その結果、これまで積載業務には約11名ほどの人員が必要であったが、この自動化により半数で足りるようになり、余った人員を他の業務にまわすことが可能となったため、全体的な効率化につながったとしている。

  • パレタイジングロボット

    出荷用のパレットに積載を行う「パレタイジングロボット」

以前の製品倉庫では、コンタクトレンズ約27万箱の保管が限界であったが、新設の製品倉庫棟は約5倍の約 144万7200箱の保管が可能であり、資材倉庫は以前の2倍の資材を保管できるとしている。製品・資材の保管能力の拡張によって、国内のみならずアジア、ヨーロッパを中心とした海外へのコンタクトレンズの販売拡大による増産に対応し、製品の安定供給に努めていきたいとしており、グローバルでのシェア拡大への意欲を見せた。