オリックスの吉田正尚

◆ 「準備もイメージもなかった」

 オリックスのファン感謝イベント「Bs Fan-Festa Online2020 Supported by CRTM」が5日に開催。今年は球団公式YouTubeチャンネル「BsTV」での生配信をメインにオンライン形式で行われた。

 ここだけの裏話やクイズ対決、料理対決といった様々な企画が行われ、シーズン中にはなかなか知ることのできない選手の意外な一面も見ることができた中、イベント中には重大な発表も。これまで選手会長を務めていた若月健矢がその座から退き、来季から吉田正尚が新選手会長となることが報告されたのだ。


 吉田はプロ5年目の今季、全120試合に出場して打率.350をマーク。球団生え抜き選手としては2000年のイチロー以来、20年ぶりの首位打者獲得となった。

 名実ともにチームの顔となった27歳は、「話があったときには、準備もイメージもなかった」と率直な感想を吐露しながらも、「入団から5年経ってそういう年齢になり、チームをまとめる時期かなと思った。入ってからAクラスはないし、なんとか強いチームにしたいという気持ちは強い」と、力強く意気込みを語っている。


◆ 「選手・球団が一体となって戦っていきたい」

 大役を受け継ぐまでの背景には、“強い危機感”がある。

 オリックスがAクラスでシーズンを終えたのは、吉田が入団する2年前の2014年(2位)以来なく、以後の6年間は4位が2回に5位が1回、そして今季の2年連続を含め、最下位が3回…。優勝も1996年を最後に遠ざかっているように、長らく低迷を続けている。

 「これだけ低迷しているのは何か原因があり、それを打破するしかない。選手は勝つことしかできないが、良い雰囲気、良い環境を作って、選手・球団が一体となって戦っていきたい」と吉田。

 目指していく“選手会長像”については、「ゲームリーダーの“主将”とは重みが違う。これまでのことにとらわれず、自分の色を出しながら、チームが良い方向に向くようにしたい。引き受けるのだから責任を持ってやりたい」とコメント。すべて前例を踏襲するわけではなく、独自色も出していきたいと言う。


 その一つが、強いチームへの情報収集だ。

 「難しいかもしれないが、他球団や強いチームの人からも話を聞いて、良いものを取り入れたい」

 思い描くのは、優勝セレモニーで選手会長が発するビールかけ。「良い報告ができるように頑張りたい」と、早くも闘志を燃やしている。


文=北野正樹(きたの・まさき)