美人書店員・河北栞歩が「衝撃」と激推し!貴志祐介『新世界より』の重厚

何か本を読みたい……けど、何を読めばいい? そんなときは、美人書店員の顔を持つ河北栞歩におまかせ!『月刊エンタメ』で連載中の「河北栞歩 推しブックコンシェルジュ」より、河北さんの「人生を変えた本」をご紹介。第1回目は貴志祐介著『新世界より』(講談社文庫)をピックアップ。もしかすると、あなたの人生も変える一冊になるのかも!?(毎週土曜日更新)

【写真】美人書店員・河北栞歩が今週おススメするのはこの1冊

▽あらすじ
1000年後の日本の話。念動力を手に入れた人類の生活は大きく変わっていた。日本にある9つの村のうちの1つ、利根川周辺に広がる八丁標に囲まれた神栖66町に住む渡辺早季が自身の幼少期から今までを記している。中等教育機関の「全人学級」に入学後、早季は親友の秋月真理亜、口が達者な朝比奈覚、想いを寄せている青沼瞬、真理亜に恋する伊東守、呪力が不安定な天野麗子と同じ班になる。一見、念動力以外普通の日常に見えるが、この村では子供の頃から叩き込まれる恐ろしい言い伝えがある。人を殺してしまう「業魔」と「悪鬼」の存在である。その他にも児童の間では子供を食べてしまう「ネコダマシ」や忘れたかのように消えてしまう子供達の噂が飛び交う。そんな中同じ班の麗子がいつの間にか姿を消す。徐々に気付き出す、村に隠された歴史とは。彼らが初めて八丁標の外に出た夏季キャンプで禁断の知識に触れ、物語が大きく動き出す。

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衝撃の一言! 数年前に出会った作品で、最近また読み返したのですが、2周目なのにラストは衝撃でしかなかったし、文庫版は上中下巻と重量満タンですが、また読めて良かったと思いました。

何がすごいって、中立の立場で読むのが本当に難しいのです。アニメ化されている作品ですが、原作では主人公・早季が彼女の視点で綴っていてそこがかなりミソだと私は思っています。

情報に溢れている今でも伝え方や語り手によって、たくさんの方が混乱していますよね。私にはこのお話がどうしても他人事のように見えなかったんです。常識という概念がいかにバイアスがかかったものなのか、作中で何度も思い知らされてしまいます!

『新世界より』のファンの友人と集まってアニメ観賞会をしたり、議論したりしたのですが、モノの見方が本当に変わります。是非、得られることが多い作品なので、いろんな方に読んで欲しいです。
▽かわきた・しほ
1994年生まれ、26歳。慶應義塾大学卒。タレント、書店員。
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