作家の林真理子氏、写真家の篠山紀信氏が「第68回菊池寛賞」を受賞し、4日、都内のホテルで行われた贈呈式で喜びを語った。

篠山紀信氏=日本文学振興会提供

文学・演劇・映画・新聞・放送・雑誌・出版などの分野で、その年度にもっとも創造的な業績を上げた個人や団体に授与される同賞。

林氏は「平成15年、今から17年前に渡辺淳一先生が菊池寛賞をおとりになられたときに、お祝いの言葉を光栄にも書かせていただきました。その際、『いつか私も菊池寛賞をとれる作家になれるだろうか』と自問自答しながら書いておりまして、まさか頂けるとは思いませんでしたので、本当にうれしかったです」と万感の思いを口にした。

続けて、「私たち作家はいつもネクストのことしか考えていない。『次こそ傑作を書けるだろう』『次こそ満足のできる作品を書けるに違いない』と思い、40年間やってきたような気がします。まだついにその作品は書けておりませんが、死ぬまでには書けると信じて今日も机に向かってきたわけでございます」と話し、「ここまでくるのにたくさんの方のお力、ご支援を頂きました」と改めて感謝を述べた。

一方の篠山氏は「若いときはいろいろな賞をもらって、それなりにうれしくて喜んでいたのですが、年を取ると『お前は選ぶ方に行け』と言われ、全然受賞する機会がありませんでした。なので、本当に審査員の方には感謝しています」とあいさつ。

写真家という職業について、「大変であるところもあれば大変でないところもある」と篠山氏。その上で、「きれいな女優さんが来てはらはらっと服を脱いでカメラという機械を押せば写真ができちゃう。こんな簡単なことはない」と自虐しながらも、「天候、気候、女優さんの体調、気持ちなど様々なことを勘案しながら、これを50~60年やるというのはこの賞に値するんじゃないかな(笑)」と自画自賛した。

  • 林真理子氏=同