古川雄大

人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.16は、ドラマ『極主夫道』(読売テレビ・日本テレビ系、毎週日曜22:30~)で酒井タツキを演じている古川雄大さんが登場します。

古川さんは、2007年に俳優デビューし、『エリザベート』『ロミオ&ジュリエット』『モーツァルト!』など、数々の有名ミュージカルに出演。近年では、ドラマ『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)や映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』など、映像作品にも多数進出しています。『連続テレビ小説 エール』(NHK)では、“ミュージックティーチャー”こと御手洗清太郎をコミカルに演じて話題を集めました。

そんな古川さんが『極主夫道』で見せているのは、元・極道で主夫の龍(玉木宏)をかき乱す、どこか憎めない警察官。コンビを組む佐渡島幸平(安井順平)とのやりとりは、物語のスパイスとして重要なシーンを担っています。今回は、プリンス系から、酒井のようなユニークな人物まで、幅広い役どころを演じ分ける古川さんの原点をお聞きしました。

――好きだったテレビ番組を教えてください。

『お金がない!』『妹よ』『青い鳥』『ランチの女王』など、幼い頃からドラマは見ていました。あと、学校から帰ると『天才てれびくん』を見るのが定番になっていました。他には、好きな映画が『ノッティングヒルの恋人』なんですけど、あれを『金曜ロードSHOW!』でやっているのを見て、初めて物語の世界観に浸れた感覚を覚えました。

それと、父親との思い出があるのは『どっちの料理ショー』です。父は寡黙だったので、あまり話す機会がなかったんですが、この番組を見ているときは“父との時間”って感じで、いろいろ話していました。

バラエティでいうと、ウッチャンナンチャンの内村(光良)さんや、さまぁ~ず(三村マサカズ、大竹一樹)さんが出られていた『内村プロデュース』も好きで、それがきっかけで、内村さんとさまぁ~ずさんが出られる舞台や映画も見るようにもなりました。なので、お笑い好きのルーツは『内P』にあるのかもしれません。

あと、若手芸人さんがネタをやられていた『爆笑オンエアバトル』もよく見ていた番組です。友だちが録り溜めていたものを一気に見させてもらって、好きになりました。もちろん歌番組も好きで、その影響もあってダンスを習うことにもなりましたし、いま振り返ると、お笑い、ドラマ、歌番組たくさん見ていましたね。

――『爆笑オンエアバトル』は、バナナマンさんやフットボールアワーさんなど、現在MCクラスの芸人さんたちが多数出演されていますが、好きな芸人さんはいらっしゃいましたか?

ラーメンズ(片桐仁、小林賢太郎)さん、漫才でいうと、トータルテンボス(大村朋宏、藤田憲右)さん、関西のテンダラー(白川悟実、浜本広晃)さん……あの番組を見ていると、芸人さんのことが詳しくなりました。

――最近よく見ている番組はございますか?

昔からですけど『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』は毎週録画して見ています。今も攻めた企画をやられていますけど、もっと昔は突き抜けていたというか(笑)。そういう回も好きでした。

――そんな様々な番組を見る中で、影響を受けた方はいらっしゃいますか?

自分が笑いをとる感じは、完全にさまぁ~ずさんの影響を受けていると思います。憧れが強いので、喋り方とか、笑わせ方とか(ワードを)二回繰り返しちゃうところとか……大竹さんのマネをしたい願望があるのだと思います。ただそれは、さまぁ~ずさんがやるから成立するのであって、僕がやっても成立しないので、公の場ではやめています(笑)。地元の友だちの前では出ちゃうんですけどね。

――では、ダンスを中心にやられていたときに影響を受けた方はいらっしゃいますか?

(学生時代の)ダンススクールの先輩に、いま俳優をやられている中河内雅貴くんがいらっしゃったんですけど、彼から強く影響を受けました。当時から2人とも芸能界を目指していたので、そこでの刺激が大きかったです。(古川が習っていた)ジャズダンスって、男性の人口がすごく少ないんです。2個上だったので、中河内くんが唯一いた若い人。「芸能界目指して頑張ろうな」っていう話もしました。

――その後、共演もされましたよね。

舞台『テニスの王子様』ですね。一緒に芸能界を目指していた人と、プロとして同じステージに立つのは嬉しかったです。

――中河内さんとの共演は初心に戻ることにもなりそうですね。

そうですね。ちゃんと叱ってくれるし、いいことがあったら褒めてくれるし、熱い方なので、ずっとこの関係性は崩れずにいるんだろうなとは思っています。

――近年、テレビドラマや映画にも多数出演されていますが、共演をしてみて驚いた方はいますか?

今トップでやられている人はすごいんだなって改めて思いました。例えば『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』で共演した天海(祐希)さんは、第一線で長く活躍されている方で、どちらかと言えばクールなイメージがあったんですけど、現場を楽しい雰囲気にして、本番はしっかり切り替える。瞬発力・集中力がすごいなと思いました。

――『極主夫道』も、玉木さんをはじめ人気俳優のオールスターのような顔ぶれですよね。

改めて、素晴らしい方に囲まれてやらせてもらっているなって思います。玉木さんは柔らかい印象で、おだやかな空気を作ってくださる方。普段とは180度違うと思うんですけど、毎日撮影で龍を演じていらっしゃって、しかも膨大なセリフ量があって、顔芸まで決めてっていう(笑)。(龍のシーンは)映像で見ていなかったんで、テレビで見たときは腹を抱えて笑いました。“こんなこともやられるんだ!”って驚いていたら、玉木さんが「昔はこんなこともしていたんだよ」っておっしゃっていましたね。

――古川さんが役者として大事にしていること。信念や言葉などを教えてください。

ミュージカル『ファントム』でご一緒した演出家の鈴木勝秀さんから言われた「役を演じるだけじゃなくて、演出家としての目線を持っておこう」と言う言葉は、役作りをする上でヒントになっています。役を生きるだけじゃなくて、“自分がどう見られるのか”という演出をしていかなきゃいけないんだっていうのは、今でも演じる上で考えていることです。

舞台とは違って、ドラマのように結末を知らないまま撮影も同時進行している環境は、なかなか難しさを感じますけど、1話の中で繋がっているものがあればいいんだな、っていうところに落ち着いています。

――ご自身が思う転機になった作品はございますか?

『エリザベート』に出会ったのは転機です。ミュージカルを知れた、楽しいと思えた、ミュージカルで頑張ろうと思えたというのは、大きなことです。

演出をされていた小池修一郎さんは、若手を育てようとしてくださっていて、陰で頑張っているタイプを応援してくださる方。コツコツ頑張っていたらいい役をいただけるようになりましたし、“地道にやっていけば、誰かしら見てくれるんだ”と思いました。

もうひとつの転機は、ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』です。今までにないほど厳しい指導を受けて、そこで“もっと頑張らなきゃな”ってスイッチが入りました。マクシミリアン・ロベスピエールを演じることで、応援してくださる方がたくさんついてくれたことも、自分にとってプラスになりました。

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(取材・撮影:浜瀬将樹)