頭に包帯を巻いてプレーを続行した、アーセナルのD・ルイス [写真]=Getty Images

 11月29日に行われたプレミアリーグ第10節・ウルヴァーハンプトン戦で、頭部を負傷したアーセナル所属のブラジル代表DFダヴィド・ルイスがプレーを続行したことについて、各方面から警鐘を鳴らす声が挙がっている。1日に、イギリスメディア『BBC』が報じている。

 D・ルイスは、同試合の5分にウルヴァーハンプトンのメキシコ代表FWラウル・ヒメネスと頭部同士が衝突し、ピッチに倒れ込んだ。ヒメネスはそのまま交代となり、試合後の検査の結果、頭蓋骨骨折の重傷を負っていたことが判明している。D・ルイスは頭に包帯を巻き、プレーに復帰。ハーフタイムでベンチへと退いた。

 前半のみとはいえ、頭部を強打したD・ルイスがプレーを続行したことに対して、元イングランド代表のアラン・シアラー氏は、「我々は、生と死についてもっとよく考えるべきだ。サッカー界は目を覚ます必要がある。なぜD・ルイスは、傷を負いながらピッチに戻らなければならなかったんだ? 彼は危険にさらされていたんだ」と語り、脳震盪を起こした選手の健康を保護するプロトコルの本格導入が遅れている現状に疑問を呈した。また、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は、「脳震盪の選手の健康状態を確認する手順があることは知っているし、今回アーセナルがそれを遵守したと確信しているよ。ただ、選手がプレーできると判断したときには、どのようなルールも役に立つかどうか分からない」と言及し、厳格なプロトコルが導入されたとしても、選手が闘う意思を示したときにプロトコルを遵守することが難しいという見解を示している。

 実際に、アーセナルのミケル・アルテタ監督は試合後、「彼(D・ルイス)が意識を失っていないことを確認した。その後、いくつかのメディカルテストも行っている」とコメントしている。シアラー氏が「クリケットやアメリカンフットボール、ラグビーなどは、より良いプロトコルを運用している。それに比べて、サッカーはどうだい? プロトコルの導入については何年も前から話し合われているのに、状況は改善されていない。まったく受け入れられないことだよ」と語るように、サッカー界は選手の健康、ひいては生命を保護するための仕組み作りを早急に行う必要性に迫られている。