ロッテ・井口資仁監督

 2007年以来13年ぶりとなる2位でクライマックスシリーズ進出を果たしたマリーンズ。打線はチーム打率、得点圏打率はリーグワーストの.235、.230、得点はリーグワースト2位の461、本塁打もリーグワースト2位タイの90本塁打と、昨季リーグ2位の642得点をマークした得点、そしてマリン移転後最多となる158本塁打を放った前年から大きく打撃成績を落とした。

 イニング別でみると、9回の打率、得点、得点圏打率が他のイニングに比べて極端に低かった。

▼ ロッテのイニング別打率、得点、得点圏打率
1回:率.267(449-120) 得点72 得点圏.258
2回:率.227(441-100) 得点50 得点圏.227
3回:率.228(425-97) 得点48 得点圏.221
4回:率.233(437-102) 得点50 得点圏.220
5回:率.238(442-105) 得点57 得点圏.234
6回:率.230(435-100) 得点55 得点圏.282
7回:率.234(449-105) 得点51 得点圏.200
8回:率.232(426-99) 得点52 得点圏.254
9回:率.215(311-67) 得点20 得点圏.154
10回:率.280(25-7) 得点 6 得点圏.250

 9回はビハインドで迎えれば、各球団の守護神がマウンドに上がっている展開ということもあり、打率.215、20得点、得点圏打率.154はある程度仕方がないことなのかもしれない。ただ、他球団に目を向けると、他の5球団は9回のチーム打率は2割3分以上打っており、得点圏打率も2割を超えている。数字だけみると、マリーンズは試合終盤の大事な局面であと一本が出なかったということになる。

▼ 他球団の9回の打率、得点、得点圏
ソフトバンク:率.238(302-72)得点38 得点圏.277
楽 天:率.231(325-75)得点29 得点圏.272
西 武:率.263(334-88)得点44 得点圏.248
日本ハム:率.253(340-86)得点43 得点圏.281
オリックス:率.251(346-87)得点36 得点圏.267

◆ 9回にチャンスを作った試合も…

 今季を振り返ると、9回のチャンスで得点していれば、という場面は何度もあった。10月1日の日本ハム戦がそのひとつといえるだろう。マリーンズは3連勝で、9月30日終了時点で首位・ソフトバンクとゲーム差なしに迫った。勝利すれば首位浮上の可能性もあった10月1日の日本ハム戦は、1-3の8回に角中勝也の適時打で1点差とし、迎えた9回は宮西尚生の前に簡単に二死とされたが、田村龍弘、福田秀平の連続安打、マーティンの四球で満塁の好機を作った。ここで4番・安田尚憲が3ボール2ストライクから粘りに粘った8球目、外角ストレートに手が出ず見逃し三振に倒れた。同試合でソフトバンクが楽天に勝利し、再び1.0ゲーム差とされた。その後、10月9日のソフトバンクとの直接対決に勝利し再びゲーム差なしとなったが、マリーンズは深刻な打撃不振により思うように白星を伸ばすことができなかった。

 ソフトバンクとのクライマックスシリーズでも、0勝2敗で後がない第2戦の4-6の9回、守護神・森唯斗から先頭の藤原恭大の遊安、一死後、安田尚憲の中安、代打・角中の四球で満塁としたが、中村奨吾が空振り三振、代打・佐藤都志也が中飛に打ち取られた。今季の打撃陣の低迷は、9回に全てが凝縮された結果となってしまっている。

 ポジティブな面を探すと、9回のチーム打率、得点、得点圏打率はいずれもリーグ最下位だが、出塁率は.3西武の.340に次ぐリーグ2位の.332だった。今季リーグトップの549四死球によるところが大きい。選手個人でみても、代打で抜群の存在感を示した清田は9回の打率.538(13-7)、2打点、マーティンは9回の打率.333(15-5)、1本塁打、1打点、福田秀は9回の打率.333(15-5)と打っていた選手ももちろんいる。

 来季に向けて、ZOZOマリンスタジアムで行われている秋季練習に参加した選手たちは、グラウンドで1時間以上の特打で汗を流し、かなり速いマシンを打ち込む日もあった。3年目の安田は特守のあと、自ら志願してロングティーを行うなど、多くの選手が現状に満足することなく鍛錬を積んでいる。

 今年は投手陣に助けられることが多かった。来季は野手陣が投手陣をカバーする試合を増やして欲しいところだ。

文=岩下雄太