グループウェアのサーバー管理方法を解説!|クラウド型とオンプレミス型の違いも紹介

グループウェア

グループウェア製品を選ぶ際、提供形態としてクラウド型またはオンプレミス型のどちらかを選択します。この記事では、クラウド型とオンプレミス型の特徴について比較した後、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。クラウド型が向いている会社の特徴、オンプレミス型が向いている会社の特徴もまとめていますので、どちらを選ぶか検討する際ぜひ参考にしてください。

グループウェアのサーバー管理方法は2択

グループウェアが世に出たころはクラウドサービスもなくオンプレミス型が一般的でした。しかし、ここ数年はクラウド型を選択する会社が増えています。まずは、クラウド型とオンプレミス型の特徴について確認しましょう。

1 クラウド上の外部サーバーを利用するクラウド型

クラウド型のグループウェアは、SaaS(Software as a Service)型のサービスとして提供されている点が大きな特徴です。SaaS型とは、インターネット上でサービスを提供する形態のことで、利用者はWebブラウザから直接サービスのURLにアクセスして機能を利用します。

サーバーを自社で持たなくて済み、月額料金も安価で手軽に導入できる点がクラウド型の魅力です。また、インターネット環境があればどこからでも接続できるため、社外からも利用したい場合にも適しています。

2 社内でサーバー管理を行うオンプレミス型

オンプレミス型(パッケージと記載されている場合もあり)は、グループウェア用のサーバーを社内に構築・運用するタイプの製品です。パッケージを購入して社内に構築したサーバーにはサーバー用のソフトウェアをインストール。クライアントはインストールするか、Webブラウザを使ってサーバーにアクセスします。

社内サーバーにインストールするため、必要に応じて環境設定を自由に設定可能。また、カスタマイズを別途発注して社内の他システムとの連携などを作りこむこともできる自由度の高さがオンプレミスの特徴です。

パッケージ価格が高く社外からのアクセスにはカスタマイズが必要などの理由から、近年ではクラウドタイプのグループウェアにシェアを奪われつつあります。

クラウド型とオンプレミス型グループウェアの比較

クラウド型とオンプレミス型には、それぞれどのような違いがあるのかについて、次の表にまとめました。

比較項目 クラウド オンプレミス
セキュリティ
インターネット上

社内ネットワーク内
既存システムとの統合 ×
できない

可能
業務に合わせた改修 ×
できない

可能
初期コスト
安い
×
高い
運用コスト
月額料金のみ
×
保守担当が必要
導入までの期間
すぐ使える
サーバーマシン不要
×
数か月かかる場合も
サーバーマシン調達要
モバイルアクセス
設定や追加料金不要

改修などで対応できる場合もあるが費用がかかる
会社の規模 中小企業向き 大企業向き

クラウド型は導入のしやすさや費用面に大きな魅力があり、オンプレミス型は自由度の高さが特徴です。

クラウド型グループウェアのメリット

    BPM_RPA

クラウド型グループウェアのメリットを4点解説します。

1 初期コストがほぼかからない

クラウド型のグループウェアは、初期コストがほぼかかりません。基本的に初期費用は無料としている場合が多く、初期コストが必要な場合でも少額です。

2 運用コストは月額料金のみ

運用コストは、ユーザー数と選択プランに応じた月額料金のみ。利用者数が多い場合は、ディスカウントされる製品もあります。実際に計算してみると、クラウド型の方がコストパフォーマンスに勝るケースが多いでしょう。

3 すぐに導入できる

契約が完了したら、すぐにブラウザからサーバーにアクセスできる点もクラウド型のメリットです。早くグループウェアを使いたいという場合は、クラウド型の方が向いています。

4 モバイルアクセスできる

インターネット上からのアクセスが前提のクラウド型なので、何もしなくてもモバイルアクセスが可能です。オンプレミス型の場合は対策をしないと使用できない場合が多いので、この点もクラウド型の方がリードしています。

クラウド型グループウェアのデメリット

クラウド型グループウェアのデメリットを4点解説します。

1 既存システムとの統合は難しい

クラウド型の場合、サーバーはインターネット上にあり、既存システムとの統合は基本的にできません。不可能なわけではありませんが、ニーズにすべて対応できるかどうかは相談して確認しましょう。

2 カスタマイズしにくい

カスタマイズも基本的にはできません。サービス提供会社には、どういうカスタマイズができるのかを事前に相談しましょう。

3 セキュリティに若干の不安がある

クラウドサービスはインターネットを使ってサービスを提供するため、セキュリティ対策はしています。しかし、データの持ち出しリスクもあり、利用者側の対応によってはセキュリティリスクに若干の不安があります。

4 利用者数が多い場合は月額料金の負担が大きくなる

利用者数が多い場合は、人数に合わせて月額料金の負担が大きくなります。クラウド型は安いというイメージにとらわれず、運用コストを必ず事前に計算して製品を選ぶようにしましょう。

オンプレミス型グループウェアのメリット

オンプレミス型グループウェアのメリットを4点解説します。

1 既存システムとの統合ができる

社内にサーバーを置くため、改修をして既存システムと統合できる点は、オンプレミス型の大きな強みです。既存システムを多く抱える会社にとっては、重要視したいポイントと言えます。

2 社内の業務に合わせた改修ができる

既存システムとの統合だけでなく、社内の業務に合わせた改修も可能です。グループウェアを全社に浸透させるために、使いやすさの追求をしたい場合は機能追加をしたい場合などは、オンプレミス型を検討してみてください。

3 セキュリティが高い

社内のイントラネット内で利用するため、インターネット上に比べると相対的にセキュリティは高く安心です。社内の情報を絶対漏らしたくないという場合は、モバイルアクセスできないオンプレミス型にすることで、データの持ち出しリスクも減らせます。

4 大企業の場合は相対的に費用が安くなる場合も

コスト面ではクラウド型にかなわないオンプレミス型ですが、ユーザー数が増えるごとに月額料金が増えていくクラウド型だと、多くの社員を抱える大企業の場合、数年利用するとオンプレミス型の方が安くなる、ということもあり得ます。

オンプレミス型グループウェアのデメリット

オンプレミス型グループウェアのデメリットを4点解説します。

1 初期コストが高い

パッケージの価格はかなり高く、サーバーマシンにも費用がかかります。また、既存システムとの統合や業務に合わせた改修もとなると、費用はさらに膨らむことも覚悟しなければなりません。資金が潤沢にあり、利用者が多い大企業でなければ、思い通りのカスタマイズまで行うことは資金面で大変でしょう。

2 運用コストもかかる

社内サーバーを立てる場合保守担当者が必要となり、製品のメーカーに対して保守費用もかかります。クラウド型に比べると、社員数の少ない会社の場合負担は大きいでしょう。

3 導入までに時間がかかる

パッケージを購入して社内環境を構築し、テスト運用から本番運用という形で、オンプレミス型は導入までに時間がかかります。特に、既存システムとの統合や業務に合わせた改修を実施すると、数ヶ月はかかると見込んだ方がいいでしょう。

4 モバイルアクセスは別途対応が必要

オンプレミス型は社内での利用を前提としているため、標準ではモバイルアクセスできません。モバイルアクセスを可能にするにはシステムの設定変更や改修が必要になるため費用がかかります。

クラウド型グループウェアに向いている会社

クラウド型グループウェアに向いている会社の特徴は以下の通りです。

  • 費用を抑えつつグループウェアを導入したい
  • できるだけ早くグループウェアを使えるようにしたい
  • モバイルアクセスが多い
  • グループウェアの保守に人的リソースを使えない
  • 利用人数が少ない

迅速にグループウェアを導入できてあまり費用もかけられないという場合、利用人数が少なく月額料金もあまり負担にならない場合などにはクラウド型がおすすめです。

オンプレミス型グループウェアに向いている会社

オンプレミス型グループウェアに向いている会社の特徴は以下の通りです。

  • すでに既存システムがありグループウェアと統合したい
  • 業務に合わせたカスタマイズがしたい
  • 社内ルールが厳しく社外からのアクセスは禁止
  • 従業員数が多くクラウド型はかえって運用コストがかかる

多くの既存システムがあり自社の状況に合わせた改修をしたい場合や、そもそも社外からのアクセスを禁止している企業は、オンプレミス型がおすすめです。

クラウド型とオンプレミス型の特徴を理解して選択を

クラウド型とオンプレミス型のグループウェアは、単にサーバーの管理方法が違うだけでなく、多くの違いがあります。違いを理解し、自社の実情に合わせてクラウド型かオンプレミス型かを選択しましょう。

費用をあまりかけず手軽に導入するならクラウド型、カスタマイズ前提で利用したい場合はオンプレミス型から検討してみてください。

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