宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月20日、若田光一宇宙飛行士ならびに古川聡宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在搭乗員として選ばれたことを発表した。

若田宇宙飛行士は2022年ころ、古川宇宙飛行士は2023年ころを予定しているという。若田宇宙飛行士はこれまでの4回の宇宙飛行の経験があるほか、2014年には日本人として初めてISSのコマンダー(船長)を務めている。一方の古川宇宙飛行士は2011年に宇宙飛行を行い、165日間、ISSに滞在している。

なお、若田宇宙飛行士と古川宇宙飛行士の搭乗決定にあたっての抱負はそれぞれ以下のとおり。

若田光一宇宙飛行士

 貴重な飛行機会に任命いただいたことに感謝しています。
国際宇宙ステーション(ISS)は、有人滞在開始から20年を迎えました。昨年はアルテミス計画への日本としての参画が決定し、また今年度は、2024年以降のISSを含む地球低軌道の取組みに関する方向付けを行う重要な年だと考えています。
 有人宇宙活動の現場でこれまで様々な仕事を経験させていただきましたが、その経験を通して学んだことを確実に活かし、「きぼう」日本実験棟の利用の三つの柱(科学利用、民間・有償利用、探査のための技術実証)での成果の創出を通して、日本のプレゼンスをさらに高め、その成果を月面探査へシームレスに繋げていけるように努力したいと思います。
 世界各国の宇宙飛行士のチームの中で、和の心を大切にし、リーダーシップを発揮して、ISSの利用成果を最大化することに貢献できるよう、訓練と準備を進めていきたいと思います。

古川宇宙飛行士

 2011年の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションのあと、現役宇宙飛行士として維持向上訓練を続けながら、2014年からJAXA宇宙医学生物学研究グループ長として、宇宙医学研究を推進してまいりました。
 宇宙滞在においては、無重力による骨格筋萎縮、骨量減少、閉鎖環境による体内リズムの不調、放射線被曝等、様々なリスクがあります。これらは、今後、人類が月、さらに火星を目指すときに解決すべき課題であり、現在、ISSの宇宙飛行士を対象にした研究が進められています。
 今回の搭乗決定は大変嬉しく光栄であると同時に、身が引き締まる思いです。今後は、研究の被験者という異なった立場から宇宙医学、引いては人類の活動領域の拡大に貢献していきたいと考えています。また、宇宙医学に限らず、様々な科学実験のオペレータとして地上生活や宇宙探査活動に役立つような作業に携わるとともに、様々な背景を持った国際クルーの一員として、医師の背景を活かして貢献していきたいと思っています。