CRMやSCMという言葉を耳にしたことがある方も多いかと思いますが、それぞれ何のためのもので、違いは何でしょうか?またCRMとSCMを連携させることにより、ビジネスで得られるメリットにはどのようなものが考えられるのでしょうか?本記事で詳しく解説します。

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CRMとは?

CRMはCustomer Relationship Managementの略で、「顧客関係管理」のことです。顧客に関する情報を一元管理して関連部門で共有することにより、各々の顧客に対してより適切な対応を取れるようになることを目指し、顧客満足度や売上の向上につなげようという手法です。

なお、CRMの手法を導入しようとすると顧客の属性や購買履歴など多くの情報の管理が必要となるため、ITの力が必要となることが多いです。そのため「CRMの導入」という言葉が「CRMシステムの導入」という意味で使われることも多いです。

SCMとは?

SCMはSupply Chain Managementの略で、各資材の仕入から生産、流通、販売にいたる流れ(サプライチェーン)を正確に管理して無駄のない生産、流通プロセスを構築するための手法です。

サプライチェーンには部品を作る会社と製品を作る会社など複数の会社が関わっていることも多く、国境をまたいだサプライチェーンも珍しくありません。

なおCRM同様、SCMという手法を導入するためには、製品の受注状況、各部材の仕入や製品の製造にかかる時間(リードタイム)、在庫数など多くのデータの管理が必要となります。そのため、ITの力が必要となることが多く、「SCMの導入」という言葉が、「SCMシステムの導入」という意味で使われることが多々あります。

CRMとSCMの違いは?

CRMとSCMは双方とも「ITを活用して実現することの多い経営手法」であることが共通点です。

しかし、CRMは顧客に関連する情報を管理して活用するものであるのに対し、SCM は仕入、生産、流通、販売にいたる流れを管理することにより無駄のない生産、流通プロセスを構築するための手法であるという違いがあります。

対象

CRMとSCMでは管理する対象となるデータが異なります。

CRMでは顧客に関する基本情報、購買履歴、問い合わせ履歴やその他各顧客に関する情報を管理しますが、SCMで管理するのは仕入、生産、販売などの計画や実績データや資材の仕入や生産にかかる時間(リードタイム)、想定される良品率(歩留[ぶどまり])、生産工程情報などになります。

CRMの役割3つ

CRMの主な役割として「顧客情報を管理する」、「顧客に合わせたサービスを提供する」、「優良顧客を増やす」の3つが挙げられます。

それぞれどのようなものであるか、以下に解説します。

役割1:顧客情報を管理する

CRMでは顧客の基本情報(名前、年齢、性別、連絡先など)や購買履歴、問い合わせやクレーム履歴などを蓄積し、営業担当やカスタマーサポートなど関連部署間で共有できる状態にします。

また、ここで蓄積したデータに基づいて様々な切り口で顧客を分類して分析し、営業戦略に反映します。

役割2:顧客に合わせたサービスを提供する

顧客情報の分析結果に基づき、その顧客層固有の特性やニーズに合わせたサービスを提供します。

例えばある製品の人気が高い顧客層に対してプロモーションのメールを送ったり、優良顧客に対して優待券を送ったり、ウェブでコンテンツを動的に表示したりといったことが考えられます。

役割3:優良顧客を増やす

CRMの導入により顧客は自分のニーズに合った製品の情報を受け取れるようになります。それにより顧客満足度が向上し、優良顧客が増えることが期待されます。

「新規顧客への販売は既存顧客への販売の5倍のコストがかかる」(1:5の法則)、「顧客離れを5%防げば、利益が25%改善される」(5:25の法則)と言われています。優良顧客を増やすことにより、プロモーションコストの削減や利益率の向上が期待できます。

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SCMの役割3つ

SCMの主な役割には「需要と供給の変動を素早く把握して対応する」、「最適な在庫量を保つ」、「仕入から販売にいたるまでのフロー全体を最適化する」の3つが挙げられます。

それぞれ以下に解説します。

役割1:需給の変動を素早く把握して対応する

「需給(じゅきゅう)」とは需要(顧客からの注文やその予測)と供給(製品の供給可能数)のことです。

部品の手配等は「需要予測」(いくつ売れるかという見込み)に基づいて行われることが多いですが、実際の注文数が大幅に変動することもあります。また資材購入が滞った場合など、供給も変動します。

このように需要も供給も変動するため、SCMでは変動を素早く把握し、新しい仕入、生産、出荷計画に反映することを目指します。

役割2:最適な在庫量を保つ

SCMの役割として、「最適な在庫量を保つ」ということも挙げられます。ここで在庫というのは、製品の在庫だけでなく、資材(部品)や生産の途中まで終わっているものの在庫(半製品在庫)もあります。

在庫が少なすぎれば販売機会を逃す恐れがありますし、多すぎるのも現金化できない可能性がある資産を持つことになるので好ましくありません。SCMでは需給の最新状況と予測を加味した上で最適な在庫計画の立案を目指します。

役割3:仕入から販売にいたるまでのフロー全体を最適化する

SCMの導入により仕入から販売にいたるまでのフロー全体の状況が「見える化」され、設備や人的リソースが逼迫しているのは どの工程か、過剰在庫がたまりやすいのはどこか、などが現場担当者だけでなく全体で共有できるようになります。

フロー全体の状況が見るようになることで、全体最適を考えた整備投資や人的リソースの配置につながることが期待されます。

CRMとSCMを連携するメリット3つ

CRMとSCMを連携するメリットには「お客様目線を理解した上で事業を強化できる」、「企業の個性を出せる」、「売上アップにつなげられる」といったことが挙げられます。

それぞれ以下に解説します。

メリット1:お客様目線を理解した上で事業を強化できる

CRMの成果により優良顧客が製品に何を期待しているかを把握し、その上でSCMの成果により優良顧客が望む製品をより効率的に生産できるようになります。

お客様の製品への期待や、その製品を「早く」入手することの重要度などをCRMで分析することにより、生産設備や材料が逼迫している時に優先して満たすべき需要はどれであるか、またより長期的に考えてどのような設備投資を行っていくべきかなどの判断につなげられます。

メリット2:企業の個性を出せる

CRMとSCMの連携により、顧客のニーズに対する理解が深まる一方、そのニーズを満たすための仕入から販売までのプロセスがより最適化された状態となります。

これにより各企業が主要ターゲットとする顧客が求めており、かつ各企業が訴求したいと考えている製品を、顧客が求めているタイミングで供給する、ということがやりやすくなり、企業の個性を出すことにつながります。

メリット3:売上アップにつながる

CRMとSCMの連携により顧客が求めている製品を顧客が求めているタイミングで供給しやすくなるため、顧客に購入してもらえる可能性が高くなります。これにより、売上アップも期待することができるようになります。

CRMとSCMの導入における注意点

CRM・SCMのシステムを導入する際に問題になるのは導入や運用のコストです。

CRMやSCMのシステムにはSAPなどの大手ERP(Enterprise Resource M Planning、企業の会計や生産情報などを統合管理するシステム)パッケージベンダーが一体型で提供しているものもあればCRMやSCMそれぞれにより特化したものもあり、機能や使い勝手も様々です。

自社の規模やビジネスモデルに加えシステム運用管理も考えた上で、システム構築を行う必要があります。またせっかく導入したシステムを実際に活用されるものにするためには、実際のユーザーにプロジェクトに参画してもらい、現場の意見も考慮しておく必要があります。

CRMとSCMを上手に活用しよう

CRMやSCMのシステムや手法の導入により、既存顧客との関係を強化して優良顧客を増やし、仕入から販売まで無駄のないフローを作り上げることができます。

またCRMとSCMの連携によりお客様目線を理解した上で事業を強化し、企業の個性を出し、売上もアップできる可能性があります。

CRMやSCMのシステムや手法の導入は関連部門も多岐に渡り、コストもかかるものではありますが、自社のために必要なものが何であるか見極め、システム利用者とも十分な検討を重ねた上で、CRMやSCMを上手に活用した業務を構築していきましょう。

そのためのCRMツールの比較・検討手段として、ぜひ下記より資料請求し、自社に最適なサービスを見つけてみてください。

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