2020年11月の住宅ローン金利動向。【フラット35】金利は0.01%引き上げ

ここ最近は「住宅ローン減税の特例延長」を政府が検討を始めるなど、コロナ禍における住まい関連の情報を耳にすることが増えてきています。日本経済では新政権発足、世界経済では米大統領選の行方が注目される中、住宅ローン金利はどのように推移したのでしょうか。11月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。

2020年10月の【フラット35】金利は0.01%引き上げ

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年機構団信を含めて1.31%と0.01%の引き上げに。また融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.22%となりました。

まとめ~米大統領選の行方と【フラット35】の金利動向は?

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

米大統領選ではトランプ氏、バイデン氏の両候補が強力な経済対策を訴えており、どちらが勝ったとしても大規模な経済対策が打ち出されるとの観測から、米長期金利は大きく上昇しました。そして、日本の長期金利も10月末にかけては米金利上昇の波及を受けて上昇しています。

機構債の表面利率が発表される前日の長期金利終値は0.02%と前月から横ばいの水準で推移し、機構債の表面利率も横ばいで0.35%となりましたが、【フラット35】(買取型)の金利は0.01%の上昇となりました。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からすると、住宅金融支援機構の調達金利は横ばいだったのですが、融資金利はあえて上昇させたということになります。

住宅金融支援機構が【フラット35】(買取型)の金利を0.01%上昇させた理由として、米長期金利の先高観があります。特にバイデン氏が当選して上下院とも民主党が過半の議席を押さえた場合には、米長期金利がさらに上がるだろうと言われています。大きな政府を標榜する民主党が議会を円滑に運営すれば機動的に大規模な経済対策が打たれやすくなるからです。

現時点で米長期金利が上昇し続けている背景には、世論調査では僅差ではあるもののバイデン氏が有利だとの見方が強いからです。トランプ氏は自らが新型コロナウイルスにかかってしまったことで思わぬ劣勢に立たされています。

しかし、選挙でどちらが勝つかはフタを開けるまで分かりません。トランプ氏が当選したときのことを思えば、うなずけると思います。その大番狂わせによって逆に長期金利は大きく高騰したのです。

目下11月には経済政策の期待含みで一時的に長期金利が上がっており、それを反映して【フラット35】買取型の金利も上昇しましたが、選挙の行方とそれに対する市場の反応を予測するのは非常に難しいことです。12月以降に融資の実行と引き渡しを予定されている方は、複数の金利タイプ、金融機関で審査を通しておくことをお勧めします。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み

住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があるのです。

執筆者:ARUHIマガジン編集部